■ネジバナ
 ■ラン科


花(6月撮影)

●数十の花が、ねじれたように付くのでネジバナ。 わかりやすいネーミングです。それでは、一つの花に いくつ種ができるでしょうか?これがわかる人は相当の通。 1つ、2つ、それとも10、20?いえいえ、もっと100、1000? それでも違う。正解は数千から数万個!

●ネジバナの種はとても小さくて栄養を蓄える「胚乳」が ありません。このため、自分の力だけでは発芽できず ネジバナに共生する菌類から栄養をもらって発芽しています。


花(6月撮影)

●ネジバナの1つの花の付け根の部分(子房)を半分に割って、そこに見える種の元(胚珠)の数を拡大鏡を使って数えてみました。すると断面に見える胚珠だけで500個以上もあるのです。ですから、子房の内部全体では数千〜数万個の種が作られるわけですね。

●ちなみに、種が多そうに見えるピーマンですら、1つの実に200〜400個程度の種しかありません。

●ネジバナ1本(1個体)に付く花の数は数十個あるので、1本あたりに作られる種の数は、なんと数十万〜百万個にもなります!ヒマワリ1本の種の数は1000〜30000個くらいですから、もの凄い数です。

しかし、それだけ種を作っても、共生菌と出会えなければネジバナは育たないので、ネジバナだらけの草原はできません。また、ネジバナの種を別の場所にまくと育たないことも多いのです。

●ネジバナの花のらせんには、右巻と左巻があります。その割合は、たくさん数えると、おおよそ1対1。

実際に人文科学棟と総合メディア館前のネジバナを数えたところ、左巻が105本、右捲きが100本という結果になりました。


(6月撮影)

植物の葉は、茎の周りにらせん状に、ある一定の角度で付くのですが、じつは花も同様で、ネジバナではこれが密に並んで付いたものと考えることができます。

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