■モミジバスズカケノキ
 ■スズカケノキ科


実(6月撮影)

●細い枝に丸い実がぶる下がっています。表面はちょっとトゲトゲしていて、トロピカルフルーツのドリアンの実をギューッと縮めたような感じにも見えますね。これを鈴に見立てて「スズカケ」としたのでしょう。山伏は、その装束にボールのような房をつけていますね。前姿で左右に2つずつ計4つ、後ろ姿では2つの房がついています。この房が「鈴懸」です、と言いたいのですが、「鈴懸」はその下に着ている麻の法衣です。房は首から下げた「結袈裟」(ゆいけさ)についている房であり、「鈴懸」の一部ではないのです。和名をつけたとき、勘違いをしてしまったのでしょうか。ややこしくなってしまいました。


葉(6月撮影)

●モミジバスズカケはしばしば「プラタナス」と呼ばれます。プラタナスは属の名前で、この属にはモミジバスズカケとアメリカスズカケ、そしてスズカケノキの3種が含まれます。ただ、日本で見られる種のほとんどがモミジバスズカケです。この木が見られるのは、街路樹、公園、学校など公共施設がほとんどで、自然の野山には生えていません。これは、明治時代に日本へ導入された外来種のためです。また、他の2種も日本には自生していません。

●モミジバスズカケは、英国でアメリカスズカケとスズカケノキを交雑して作った雑種で、葉の切れ込みは両種の中間的な特徴を示します。アメリカスズカケの葉の切れ込みはモミジバスズカケの切れ込みより、はるかに深いものです。一方、スズカケノキでは、モミジバスズカケノキより葉の切れ込みが浅くなっています。


(6月撮影)

●モミジバスズカケノキは幹の表皮が剥がれやすく、たいていは斑模様をつくります。この斑模様は、よく見ると人の顔に似ていたり、動物に似ていたりします。その部分だけ写真に撮ると、面白いコレクションができあがりそうですね

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