2012年1月4日5日 学校図書館の有志5人が、宮城県、牡鹿半島の石巻市立大原小学校図書館の支援をしてきたので、報告をします。
当委員会からは、私こと中山が参加しました。石巻を中心に東北の子どもたちの学びと遊びを支援するプロジェクト結(
http://savemlak.jp/ )の方々に現地連絡、宿泊、移動とすっかりお世話になり、手伝いもしていただき、なんとか1日半でリニューアルすることができました。
大原小学校は目の前が石巻湾ですが、少々高くなっていて津波の被害は免れました。その後住民の避難所として多くの教室が使われ、12畳ほどの小さな図書館も、落ちた本をそのままとりあえず棚に戻し避難所となっていたと、校長室でお話しをうかがいました。寄贈本は何も手続きのないまま棚に出されて紛れており、既に使われている状態でした。
既存の本を全部出し、
寄贈されたものと判明したものを集めて、こちらはISBNを読みとってリストをつくり、
すべての本を分類し直しました。
また、破損本や情報の古いもの、新版の出ているものを抜き出し、廃棄候補として廊下に出しました。
既存の棚を収まりがよいように考えて移動し、絵本コーナーも確保。プロジェクト結のほうで、かわいい敷きマットを早速用意してくださいました。
あらかじめ作ってきた棚見出しをつけて、どこに戻すのか、本を分類しながら配架。
5日は始業式。その間も作業をし、
3時間目には2人が1・2年生9人に
エプロンシアターと読み聞かせ、素話のお話会をおこないました。
何人かの子どもたちが、下校の際に図書館まで来て
さようならと笑顔を見せてくれたのが、思いもかけずうれしい出来事でした。
結局、ラベルのはりかえまで手が回らず、
最後は各本に分類をえんぴつで書込み、
後の仕事はプロジェクト結にお任せをすることとしました。
図書原簿も作る予定で行ったのですが、時間もなく、
ちょうど次年度統合が決まっているということだったので、
新年度あたらめて図書原簿作成について考えることにしました。
校長先生、教頭先生をはじめ、司書教諭ほか先生方みなさんが
あれはないですか?これはどうなってますか?こうしてもいいですか?と
矢継ぎ早に出てくるあれこれにも、温かく対応してくださいました。
、また、こちらの提案もお聞きいただき、多くの部分をおかませもいただき、有難く思いました。
後日
分類・装備の覚書と
今後の購入の参考としていただくブックリストのまとめを
学校とプロジェクト結に送りました。
44人いた大原小学校の児童は、24人になっています。
小さな学校ほど、支援の必要を感じました。
その学校に必要な本を選び出し
「図書館」をつくり、使い方を教える人が必要です。
被災地への寄贈本といっても
ゲーム本や乳幼児向け家庭向けのものなど学校にはどうかと思うようなものもあり、
同じ本が複数あったり、すでに所蔵している本もあったりもして、棚の面積を取ります。
調整されるとよいのにとも思わされました。
読み物も大事ですが、むしろ図鑑や事典、自然科学や社会科学、技術、産業といった知識をひろげる分野のものが送られていたらよかったのにとも思います。
もともとの本の情報や配本のシステムも、あまりよくないであろうこともほの見えました。
学校が選択できる本が限られているようなのです。
基本の図書はセットで巡回するとか
ある地域には これぞ必要という本を一堂に集めている図書館なり
拠点の学校図書館をつくるなりして
学校図書館の選書やレファレンスに対応できるしくみが
ほしいと思いました。
地域の公共図書館、県立図書館の支援がそういうところにほしいと思います。
そう思っていたら、実際行っている県立図書館がありました。
島根県立図書館です。
「学校図書館活用教育図書」という学習で必要な本を各市町村に配布し、県立図書館の1階にも展示してあります。
こういう、学校図書館支援が今後増えていくことを願ってやみません。
★参加者
市川市立小学校司書 太田和順子さん、 高桑弥須子さん
工学院大学附属中学高等学校司書 有山裕美子さん
立教大学准教授 中村百合子さん
東京学芸大学附属小金井小学校司書 中山美由紀
★後援・仲介
国立教育政策研究所 神代浩教育研究情報センター長
プロジェクト結 中川綾さんほか
saveMLAK
宮城県立図書館
教育政策研究所教育研究情報センター長神代浩氏が仲介となって、
宮城県立図書館にも報告しての作業です。
★まとめレジメ
★関連webサイト
★本サイト
(東京学芸大学附属小金井小学校司書 中山美由紀)
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