ポップ王をご存知ですか?三省堂書店にお勤めの内田剛さんです。11月に、附属世田谷小学校に内田さんをお招きし、4年生が内田さんからポップ作りの極意について1時間話を伺い、次の1時間で実際にポップを作るという授業を行いました。
「友達におすすめの本を紹介するためにポップを作ろう。」
でも、子どもたちは、「ポップってなに?」
「本屋さんで、おすすめの本の紹介カードのようなもの見たことない?」
「あ~なんとなくわかるけど・・・」といった状態。
「ポップのつくり方をポップ王に教えてもらおう!」
ということで、各自おすすめの本を決めて、ポップ王の内田さんのお話を伺う。
【ポップ王から伺ったポップ作りのコツ】
ポップは、本の良さ
を伝える物、上手い下手ではなく、気持ちを込めて書こう!① まずは、フレームを決めよう
形や色を決めます。本と一緒に飾る時の効果も考えよう
②何を書く
ポップの前で立ち止まらせられたら大成功
印象に残るシーンは?
自分の言葉を探そう
詰め込みすぎは、禁物
③どのように書く
あっと驚かせる、インパクトのあるもの
とにかく、うまく書けるかと言うより、気持ちを込めることが大切。
それぞれの得意なこと(イラスト・コメント・デザイン)を十分に生かそう。
早速、各クラスに戻ってポップ作りに挑戦。
教室に戻った子どもたち。1組の先生は、さきほどの内田さんのお話を板書して提示。
3クラスあるので、内田さんはそれぞれのクラスをまわって、子どもたちに声をかけています。子どもたちは、内田さんのお話を伺って、「ポップを作りたい!」と意欲が増したようで、予定の時間を延長してもらい、集中して作品作りに取り組んでいました。
後日、メディアの時間に出来上がった作品を見て、友だちのポップのいいとこ探しをしました。その後、メディアルームの廊下にクラスごとに本とポップを飾り他の学年の児童にも見てもらっています。「私も作ってみたい!」と言う子がいました。もちろん、並べてある本を「借りたい」という子もいましたよ。
児童の感想:「おすすめの本を自分が作りたいように作ることができて楽しかった。」
「はじめて作ったので難しかったけど、作っていくうちに楽しくなった。」
「自分が作ったポップをみんなに見て欲しいし、おすすめした本も読んで欲しいと思った。」
「作る前は、自信がなかったけど、作ってみるとやりがいがあった。」
先生方の感想:
「これまでは、頭の中にはあったが、うまく表現できなかったおすすめの言葉をどう書けばいいのか、何を書けばいいのかをわかりやすく説明してもらえたので、子どもたちも書きやすかったようです。」
「絞って書くこと、書きすぎないことを伝えてもらったのでよかった。」
「下手でもいいんだよ、気持ちで書くんだよと言ってもらえたので、子どもたちも楽に楽しく書くことができたし、もっと書きたいという気持ちも出てきた。」
「同じ本を読んで、クラスやグループで書いても面白いなあと思った。工夫次第で、活動が広がるなあと感じた。」
内田さんのお話は、司書の私にもとても参考になりました。わかりやすく、ポイントを絞ってポップ作りの極意を教えていただきました。「上手い下手ではなく、本への気持ちをあらわそう」と言う言葉は、作ってみたいなあと思わせてくれます。とてもいい機会を子どもたちと一緒に得ることができました。
(東京学芸大学附属世田谷小学校 金澤磨樹子)
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