今月の学校図書館


2022/04/10

東京学芸大学附属世田谷中学校

Tweet ThisSend to Facebook | by 村上

 今月の学校図書館は、東京学芸大学附属世田谷中学校です。

 2020年からのコロナ禍のなかで、生徒が集う場所であった「学校図書館」に、三密を避けるために利用制限がかけられ、思うような活動ができなかったのは、本校も同じです。それでも、少しずつ制限が緩和され、休み時間や放課後、生徒の利用が増えてきて、昨年の秋以降は、「図書館」での活動が必須であるなら、換気に気をつけながらの授業利用が可能となりました。そこで、司書教諭でもある家庭科の先生が、以前から取り組んでみたいと考えていた、絵本を活用した保育の授業を思い切って行うことになりました。(写真右はNPOブックスタートの方のお話に聞き入る中学3年生)

 この授業については、昨年12月に実施した「文科省事業報告会 みんなで使おう!学校図書館VOL.13で報告し、実践事例A0400 にも掲載しましたので、そちらをご覧いただけたらと思います。今回紹介するのは、その授業から広がった教科連携の取り組みと、あらたな地域とのつながりです。(こちらの事例も、後日掲載予定です。)

 


 家庭科の授業として、各自が1歳、2~3歳、4歳、5歳~6歳という年齢の幼児のために選んだ1冊を、国語科の授業でひきとり、書店もしくは図書館に本と一緒に飾ってもらうことを想定して、POPを描くというものです。ただし評価の対象は、POPを描くにあたって書き込むワークシートのみというのが国語の先生の方針です。

 

 そこで出来上がったPOPは図書館や書店に実際に飾ってもらえる場所を司書が探しました。こんな時、頼りになるのが、司書のネットワークです。図書館としては、絵本を大量にお借りしたお隣の附属世田谷小学校の図書館と、赤ちゃん絵本を借りにいった世田谷区立深沢図書館で、全員のPOPが飾ってもらえること。書店に関しては、柏市の児童書専門店「ハックルベリーブックス」と、丸善丸の内本店の児童書売り場で、商品と並べて飾るにふさわしいPOPを選んで飾ってもらえることを生徒に伝えました。


 受験を控えた3年生ということもあり、3時間の授業時間でPOPを仕上げてもらう予定だったのですが、いざワークシートに向かうと考え込んでしまうのか、生徒が実際に描き始めたのは3時間目になってから。そこで、受験勉強の合間の気分転換に描くことを奨めて、提出は2学期の終業式となりました。(右写真は、ワークシートに向かう生徒の様子)


 展示を依頼した司書としては、どんな
POPが仕上がるのか、心配だったのですが、杞憂でした。提出された、それぞれに味のあるPOPを一同に並べると、実に楽しい雰囲気が醸し出されます。まずは、全点図書館に展示してみました。

 POP
は先生がデジタル画像に変換し、それを書店の方には送って、選んでもらいました。丸善丸の内本店児童書売り場担当の兼森理恵さんには32枚、ハックルベリーブックスの店長、奥山恵さんには11枚のPOPを印刷してお送りしました。3月に入ると、早速展示しましたよ!というご連絡と一緒に写真が送られてきました。書店にPOPを飾るということは、どの本を何冊ぐらい仕入れるかという経営に関わること、とくに平台に置く場合は、複数冊の本を注文することになります。そういう意味でも、ご厚意で置いていただけたこと、ありがたかったです。
 


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