今年度受諾した文科省事業は、附属世田谷中学校が研究指定校として、授業研究を行なっている。研究内容は大きく2つに絞った。ひとつは、国語科の先生に年間を通した読書課題を設けてもらい、それを可能な限り単元学習につなげてもらうこと。もうひとつが、学校図書館を使った授業で、教師が何を指導し、生徒が何を学んだかを可視化する取り組みだ。生徒の情報活用能力を育てるために、学校図書館や学校司書がどのような支援ができるかを、国語科教諭・司書教諭・学校司書で分析することが今回の目的である。
そこで、情報活用能力の育成を意識したオリエンテーションについて紹介したい。
本校でのオリエンテーションは、例年は司書が単独で行うか、国語科の教員と一緒に行うかのどちらかだった。しかし、今年は1年生の担任でもある国語科の教員が、同じ時間帯に、情報②の授業=PCの使い方について指導する。そこで、1年の学年担当でもある司書教諭(教科=家庭科)と一緒に、オリエンテーションをするという初の試みをした。
せっかくふたりでやるなら、何か新しいことをしたい。昨年見学した附属小金井中学校では、公開授業「情報学習のオリエンテーション」で、生徒がお題の書いてあるカードを引いて、そのお題に沿った類の違う3冊を探していた。ただ、1年生はすでにオリエンテーションは済ませていて、2時間目の情報学習として行ったものだった。そこで、本校の場合は、司書教諭が家庭科教諭であることを活かし、以下のようなオリエンテーションを行った。