今月の学校図書館


2017/10/09

東京学芸大学附属世田谷中学校

Tweet ThisSend to Facebook | by 村上

 



今月は、附属世田谷中学校図書館の2学期の様子をお伝えします。


この夏・この本・この1行!

  1年生には、できるだけ授業で図書館に来る機会を作ってほしいと考えています。国語の先生にも、そのようにお伝えしていたら、夏休みの課題として、「この夏、この本、この1行」という取組をしたいので、7月最後の国語の授業は図書館でしますと、連絡が来ました。先生からは、「この夏休み、自分を成長させるような1冊を選ぶこと」というお題が与えられ、生徒には棚をめぐり、読んでみたい本を3冊まで選んでもらいました。もちろん、借りてみたものの、ピンとこなかったら他の本に変えるのはOKです。

   夏休み明けの国語の時間は、図書館で、自分が読んだ1冊から、どんな一文を抜き取ったかをグループ内で発表しあいました。写真は、その前に交流のしかたを先生がシナリオにしたものを、演じている様子です。型どおりの発表にならず、本をめぐって会話が弾む…ことが先生のねらいでもありましたが、どうだったのでしょうか。終わったあとに、図書館にいた生徒に、感想を聞いてみたら、「面白かったよ。自分も読んだ本だったから、僕はストーリーの面白さしか考えていなかったのに、○○さんは、ああいう文章に惹かれるのかと、新鮮だった」と、司書の私が喜ぶ感想を言ってくれました。

   でも、この感想は、自分が読んでいた本について友達が話してくれたからでしょう。もちろん知らない本の話を聞き、今度はその本を自分も読みたいな…と思ってくれた生徒も多かったとは思います。次回は、短い時間でも同じ本を読んで共有するというような、ミニ読書会も授業のなかでできたらいいですね…と先生と話しました。


科学で感動しよう!

  せっかく購入した本が、ちっとも読まれない…という悲哀を味わう学校司書も多いのではないでしょうか?読めば面白いのに…と言う本が、図書館にはたくさんあります。その中でも、『科学感動物語』(学研 2013)は、その使い道をずっと考えていました。12巻からなるこのシリーズ、それぞれのテーマごとにまとまっていて、1つは20ページほどで、ルビがふってあって、さらにもっと知りたい人のための参考文献まで記載されているのです。12冊のままでは、12人しか読めませんが、これを1話ずつにすれば120人が読むことができます。このまま読まれないなら、いっそばっさり切って、冊子にしてはどうだろうと考えました。もしそうしたら、使ってもらえるかしら…と、昨年赴任された理科の先生に、相談してみました。 「何かできそうですね!考えてみます。」と嬉しいお返事。

 それから約1年後のこの夏、その“何か”が具体的に中学2年生への課題となって実現しました。生徒全員に、好きな人物または事柄を選んでもらい、夏休み中に読んで、A4サイズのポスターを書き、夏休み明けの理科の授業で、3分スピーチをするというものです。夏休みの始まる10日前から、図書館で選んでもらう時間を設けました。先を争うように少しでも有名な科学者を選ぼうとする生徒の真意は、「知っている人なら簡単にまとめられるから」というもの。「知らない科学者を選んだ方が、自分も感動があるし、聞く人も知らないからオーッて思ってくれるけれど、知っている人をやると、逆にハードル高いでしょ」というと、なるほどと納得していました。


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