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はじめに
ストリートチルドレンの勉強
国(法律)の期待すること
勉強とは?
「自分探し」としての勉強
自分を見つけるために
最後に

制作 松浦有里子,笠原健史,井部利亮,平澤李恵,武田浩明



はじめに

みなさんは,

 どうして勉強するのだろう?
 勉強って将来役に立つの?
 みんなが勉強しなかったらどうなるのだろう?

なんて思ったことはありませんか?
これから色々な視点で考えてみましょう!


ストリートチルドレンの勉強

ストリートチルドレンとは、何らかの事情で路上での生活をしなければならなくなった子どもたちのことです。

インドにあるハウラー駅では多くのストリートチルドレンが、貧しいことにより教育をうけたことがありません。長距離列車に食べ残されたものや、ペットボトル、ダンボールなどを集めて生活しています。そんな彼らの学校は橋の下の小さな黒板ひとつです。ボランティアの大人が先生をし、先生の手作り学習プリントを使い、手作りのノートには子どもの字でぎっしり埋まっています。

彼らは「勉強したい!」と思っている。
しかし、何で勉強したいのだろう?

彼らは勉強することが貧困から抜け出す近道だということを感じています。つまり、勉強することによって「よりよく生きることができる」と感じているのです。


国(法律)の期待すること

ここでは、国が私たちに勉強させる理由はなんなのか、を考えてみましょう。

それでは、各教科の持つ目標から探ってみたいと思います。

 国語…伝え合う力を高める、言語覚を豊かにする。
     → 国語を大切にする態度を育てる。

 社会…社会に対する関心を高める、わが国土と歴史対する理解と愛情を深める。
     → 必要な公民的資質の基礎を育てる。

 数学…数学的な表現、処理の習得、数学的考察の能力の向上。
     → 数学的活動を進んで活用する態度を育てる。

 理科…科学的に調べる能力を育てる、自然の理解を深める。
     → 科学的な見方や考え方を育てる。

 音楽…音楽を愛好する心情の育成、音楽に対する感性、能力を伸ばす。
     → 美しさや、優しさなどを感じ、それらを表現することができる感情を育てる。

 体育…運動に親しむ資質や能力の育成、実践力の育成と体力の向上。
     → 明るく豊かな生活を営む態度を育てる。

 美術…美術を愛好する心情の育成、美術に対する感性、能力を伸ばす。
     → 美しさや、優しさなどを感じ、それらを表現することができる感情を育てる。

 技術・家庭…生活と技術とのかかわりについて理解を深める。
     → 進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。

 外国語…言語や文化に対する理解を深める。
     → 積極的、実践的コミュニケーションの能力の基礎を育てる。

このようなことが学習指導要領というものに書かれています。

次に法律ではどうだろうか?

 法律が私たちに期待すること
    → 豊かな人間性、社会性や国際社会に生きるための自覚。
    → 自ら学び、自ら考える力と個性。
    → 基礎的、基本的な内容の確実な定着。
 
最後に国は…?

 国は私たちに人間として調和のとれた育成、生きる力を備えた子どもたちを育てていくことを
 目指しています。


勉強とは?

勉強には、生きていくための勉強と、「よりよく」生きていくための勉強の2つあります。 つまり、学校でやる勉強だけが、勉強ではないのです。

1.生きていくための勉強

みなさんは、こんな経験ありますか?

 ・お父さんやお母さんの顔を忘れてしまう
 ・とても眠たいのに、夜眠ることを忘れてしまう
 ・「鉛筆」や「消しゴム」などの名前を忘れてしまう

そんなことはないですよね?あったら大変です。 では、何でこれらのことを覚えていられるのでしょうか?

それは「脳」の働きです。

 眠たい、食べたいという身体的欲求を、どうしたら叶えることができるのでしょうか?
  →脳の一番内側の所(大脳辺縁系)が、本能的な欲求(眠る、食べる)を、どうやったら
   満足させることができるかを勉強する。

 「絶対に忘れてはいけないこと」はどうやったら忘れずにいられるだろう?
  →記憶を長くとっておける「記憶の貯蔵庫」(海馬)に記憶をしまって、しっかりと鍵をかける。

など、生きていくための勉強とは「脳」が本能的に行っている勉強であり、自分から自然とできているのである。

2..「よりよく」生きていくための勉強

みなさんは、こんな経験ありますか?

 ・あることについて「もっと知りたい!!」と思う
 ・友達に言われた意外な一言で元気が出た
 ・最初は「あまり面白くないな」と感じたのに、後からそのことがとっても役に立ったり、
  とても興味が湧いたりした

きっとあるはずですよね?

例えば…
 ・誰かに言われたわけでもないけど、好きな歌の歌詞や好きなゲームのキャラクターを
  一生懸命覚える。
 ・けんかしていた友達がかけてくれた一言で、その友達の大切さを知った。
 ・嫌々ながら勉強していた算数のおかげで、おつりの間違いに気づいたり、飴を同じ数に
  分けたりすることができた。

あれ?学校の勉強って…

そうです。 学校の勉強は、この「よりよく」生きていくための勉強に入るのです。

みなさんは、自分の好きな勉強をするとき、「やる気」が高まりどんどん広がっていって「もっと深く知りたい!!」「あんなことやこんなことまで知りたい!!」なんて思って、自分の好きなこと、得意なこと、「知っている」ってステキだな、私ってこんなこともできたんだ!意外とこんなことが得意だぞ!…なんてことに気づくときがありますよね?

でも、あまり好きではない勉強をしたときでも、そのような発見をすることってありませんか?

例えば…
 ・今まで空を見上げても何も分からなかったけど、理科で星座の勉強をしたら星座が
  わかるようになった!
 ・国語の勉強ってあまり好きではなかったけど、教科書に載っていた一個のある詩に感動して、
  それ以来詩を書くことが趣味になった。
 ・社会の勉強は得意じゃなかったけど、地図の読み方を習ったら、とたんに地図の勉強が
  とっても楽しくなった!
 ・算数の勉強自体は嫌いなんだけど、図形の所だけは得意で、楽しく勉強できた。
 ・家庭科は得意じゃなかったけど、お味噌汁の作り方を習ったからお母さんに作ってあげたら、
  とても喜んでくれてうれしくなった。

このように、「好きでもない勉強」からも、何かを発見することってありませんか?


「自分探し」としての勉強

「自分探し」…それには勉強というステキな方法があります。様々なことを経験し、知り、傷つき、喜び、本当の自分を探していく。これらすべての過程が「勉強そのもの」なんですよ。

学校での勉強を「好き!!」という人はあまりいません。でもたまに、「あ、これは面白いな。」と思うことはありませんか?このことは本当に本当に大切で、貴重な「自分探し」のための発見なんです!!

もしも、だれも勉強しなくなったら…

1.みんな原始時代やそれ以前に戻ってしまうのでしょうか?

でもやっぱり
 食べ物をたくさん手に入れ、保存、加工したい
 暖かい場所、安全な場所がほしい
 暖かくなるものを身に付けたい
などと思うでしょう。

自分だけその方法を知っていたらどうでしょう? 自分だけ上手に狩りをする方法や植物を栽培する方法などを知っていたら、周りの人たちは自分を尊敬し、もしかしたら自分の言葉が神様のような絶対のものになるかもしれません。 つまり、知識によって力を得られるのです。
 
2.生活に役立たないことは勉強しないとすれば?

知識には普段の生活で学ぶ「日常知」と教育を受けることで学ぶ「教育知」があります。もしみんなが日常知しか知らないとしたらどうなるのでしょうか?
確かにそんな時代もありました。江戸時代には、将軍の子は将軍、農民の子は農民、と決まっていました。しかし現代は、努力しだいで職業の選択が可能であるわけです。


自分を見つけるために

問題 下の図形は何でしょう?

正方形? 長方形? ただの四角形?

でも見方によってはただのでこぼこな形です。このように色々な見方があるでしょうが、どの見方もある場面では正解だし、ある場面では不正解にもなるでしょう。

学校の数学では正方形、でも他の場面では違う形でもある。

つまり、教育知はひとつの(みんなが知っているとされる)考え方に過ぎないのです。もちろん世の中にはまだまだ様々な考え方がありますが…

教育知とは日々の生活では考えないこと。つまり異質なものとの出会いであり、恐れ、違和感を抱かない“たくましさ”を学び、新しい考え方と出会い、今までの自分の知識を使って、理解し、比較し、評価することができるようになるのです!

学校知を身につける過程での“たくましさ”が様々な考え方を評価する“判断力”となり自分の中にある“自分らしさ”が成熟していくのです。

一言で言うと、学校での勉強は、みんなの「自分探し」を手助けしてくれるのです。


最後に

みなさんもステキな自分探しをはじめましょう♪
どんなものの中に、自分にあっているものが隠れているか、誰にも分かりません。
ですから…

ステキな自分探しだと思って、勉強を楽しんでみませんか☆

これを見て少しでも「勉強してみよう!」「自分にあっていることはないかなぁ?」なんて思っていただければ幸いです。あなたの興味のあることはすぐそばに眠っているかもしれませんよ☆


参考文献 資料
 国際協力,2002年9月号,国際協力事業団
 教育学がわかる辞典,田中智志 著,日本実業出版社
 フーコー 知と権力,桜井哲夫著,講談社
 中学校学習指導要領,文部科学省

 



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