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▼講義および特別研究演習
研究テーマに関する先行研究や資料を一通り把握し、各自の研究課題に臨んで下さい。論文は徹底した根拠の元で自分の論を張っていくものです。産みの苦しみはやがてあなたの自信に繋がります。積極的に自分の研究をやって下さい。なお、一次資料に出会う喜びや独創的持論の啓発も身につけましょう。
▼大学院の講義科目
「国際人権教育特論」内容
*世界人権宣言(Universal Declaration of Human Rights,1948年12月10日)第1-2条 (一部、抜粋)
第1条
すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。
第2条−1
すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別を受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。
【グローバル社会と国際人権問題の一例】
(今学期にはこの内容の詳細な事例などを確認)
1.グローバール化の美名と貧困・格差:世界が激しい格差社会化する背景と、グローバル化によって派生する様々な問題
2.児童労働:近代産業化の中で借り出された子どもの人権が問われて久しい今日でも幼い子供たちの命を脅かす労働搾取は続いている。特に人口率が高い開発途上国では貧富の格差が大きいだけに、残酷な労働現場で何も夢を持たずに働く事だけに生きている子ども達が多い。
3.Street children、子どもと世界各地の教育を考える
4.人身売買(労働・臓器・性売買など)
5.国境を越える性・麻薬・犯罪産業の巨大・拡大化とその影響による後遺症は?
6.Phillipine Tondoなど、極貧地域に住む子どもたちの実状
7.「代理母」という言葉に隠された性売買と人身売買
8.LGBTQ(性差別・性同一性、ジェンダー問題などの差別問題)
9.駆り出される子ども兵(CHILDREN SOLDIER)とその背景
10.子ども兵を利用する大人たち、子ども兵に殺される人々
11.PMC(傭兵派遣):紛争ビジネス(資源の奪い合い)の拡大化
12.軍産複合体の仕組み・世界の兵力・愛国という美名
13.国際結婚から生まれる差別(相手への差別、子供への社会的差別、対応不足など)
14.キリギジスタンの嫁誘拐習慣・インドのダウリや名誉殺人の実態
15.アフリカの割礼習慣に殺される少女たち(white massaiなど)
16.人種・マイノリティー差別、いじめ(集団的シカト)、被害・加害側の立場。隠蔽よりいじめの実態を明らかにし、免疫・対策を充分に。
17.医療事情 ハンセン病や各種病気と闘う人に対する支援策(中村哲など、国際医療・教育奉仕組織の紹介)
18.環境問題(温暖化・原子力問題・水など)
19.世界各国の環境汚染に伴う問題(インドなどの外資系企業による汚染と事故処理)
20.女性と戦争の構図、女性と教育問題(中東アフリカを考える)
21.日本政府が訴えるグローバル人材育成教育策や多文化共生社会についていけず、生活不満や憂さ晴らしなどで2020年のオリンピック開催と、留学生倍増計画を打ち出している日本の東京や京都・大阪・福岡・川崎・広島などなどで秩序を乱している一部病理現象についても法的整備問題やその実状について具体的に考える(専門弁護士らによる講演・講義あり)。
【授業の前に知っておきたいこと】
日本で棄てられる一年間の食べ物:2000万トン(約300万人分)の大量廃棄。一方、食べ物がなく餓死する人は年間1000万人以上で、一日1ドル以下で暮らす絶対的貧困者は10億を越え、一日2ドル以下で生活を繋いでいる人が地球の半数に及ぶ。貧困は国際社会における大きな人権問題の一つ。「韓国朝鮮社会教育論」「多言語多文化教育学特論」「多言語多文化教育Field研究T・U」「多言語多文化T・V」内容
近年、情報・通信技術の高度化と国際化の急速な進展に伴って、若者の社会認識も一国・一地域レベルでは止まらなくなってきている。若者達は、初等・中等・高等教育の場で、また、大衆メディアを通じて、常に国際社会の情報にさらされている。しかし、現状においては、情報の送り手であるメディアが特定の意図で情報を加工したり、一方向的に伝達するだけのケースも少なくないし、情報の受け手である学生の側にも、情報を受動的に受ける態度や、世界の出来事に対する無関心や無知といった傾向も少なからず見受けられる。このような状況を認識する際、より深化した幅広い知識を身につける機関である大学院では、ステレオタイプな国際社会観を超えて、第3世界が直面している人権状況などにも目を配りながら、世界各地の実情を性格に伝達し、その歴史的状況を考え、問題解決の方途を探求する。
例えば、韓国や日本を含めて世界的に問題化している「不登校」や「いじめ」などの教育現場の荒廃、青少年非行、障害者や高齢者の福祉問題、ジェンダー(社会的性差)および性暴力や様々な差別・暴力問題をはじめ、民族紛争や貧困・非衛生的環境等に起因する障害者や不条理、Street Childrenの増加と民間軍事会社(PMC)の台頭など、いろんな人権関連の問題が国際規模で多発している。このような現状を認識し、その原因を究め、問題解決に取り組む力量を涵養するために、世界の様々な人権問題の現状とその歴史的、文化的、社会的背景に対する認識を深めるため、国際人権教育に取り組んで行く。なお、受講方式は上記の講義内容を踏まえつつ、各自が興味を持っている社会問題や関連分野の記事などを纏めて発表し、その内容に関して多角度からdebatementを行う。
ゼミ生は上記の内容を念頭において研究テーマを設定し、原典・原書確保に尽力しつつ、オリジナルさや分析を通して本来追究しようとしている論点を極めることに努めること。教師を動かすのは諸君たちの情熱が篭った執筆作業です。限られた大学での研究の時間を、なるべく無駄のないようにして下さい。持論を展開し、研究論文を仕上げた時の快感はあなただけの特権です。