ごあいさつ ―本校の特徴について―

東京学芸大学附属特別支援学校
校長 内田賢

ひとの育ちと学びを「よこの糸」と「たての糸」から紡ぎだされる織物にたとえることがあります。ひとの育ちの過程は一本の糸のようなものではなく、子どもの発達のその時ごとに横の広がりがあります。ひとりの子どもの中には「からだ」と「こころ」、あるいは、より細かく見ると、「運動」「ことば」「認知」「社会性」「生活習慣」といったさまざまな領域があります。これらの領域をつなぐ「よこの糸」が、年齢に沿って伸びる「たての糸」でつながれていきます。「たての糸」はライフステージに沿った展開です。幼児期に培われたスキルや自信、仲間とのかかわりのスタイルは、児童期になってクラス単位の活動を行うときの土台になります。「たての糸」のずっと先には、自立した生活を送り、社会の一員として自立するという成人期の将来像があります。その途中には、責任をもって行動したり、社会のルールを意識したりする思春期・青年期の段階があります。

本校は、幼稚部・小学部・中学部・高等部の4つの学部をもつ「生涯発達支援校」です。上に述べたような人の育ちのそれぞれの段階に十分配慮しながら、授業や活動を展開させていくということが、本校の特徴のひとつです。一人ひとりがもっている可能性を引き出すように個別の対応をしつつ、グループで活動することを通して仲間を大切にし、お互いを支えあう力も育てていきたいと考えています。また、本校は東京都の中にありながら自然豊かな敷地と農場を有し、健康なからだと豊かなこころを育むには恵まれた環境にあります。大学の附属校として大学教員との連携が得られるという利点もあります。

まとめると、本校の特徴は以下の4点となります。

  1. 生涯発達を見通した、発達段階に応じた支援
    「コミュニケーション支援」「学習支援」「生活支援」「余暇支援」「就労支援」という5つの支援内容で、幼稚部から高等部までのライフステージに応じた授業や活動を組み立てています。
  2. 個別的配慮と集団での活動を通した学びの統合
    一人ひとりの育ちに応じて個別教育計画を策定し、個別的な配慮を行います。また、仲間との連帯感や参加の意欲を高め、目標とされたスキルや望ましい意識や態度を身につけることができるように、集団のダイナミクスを活かした授業や活動を組み立てます。
  3. 自然・環境資源の活用
    自然豊かな敷地を活用して自然とのふれあいを経験します。また、農場での作業や収穫を通して働く意欲をつちかい、将来の職業生活や自立に必要なことがらを総合的に学習します。
  4. 大学附属としての特別支援学校
    附属校としての利点を生かし、大学教員(特別支援科学講座や教育実践研究支援センター等に所属する教員)と連携をとりながら授業等の改善をはかり、共同研究の成果を本校の授業、活動に反映させていきます。
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