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6.まとめと今後の課題

 本プロジェクトでは、幼稚園と保育園が連携し、「預かり」を行うことを試行的に検討しました。掘越ほか(2008)の研究によると、預かり保育の実施の妨げになるものとして、行政からの補助金の有無、保育者の忙しさ、場所の確保が要因として挙げられていました。附属幼稚園では研究園という使命を持つため、研究活動や研究成果を発信していくことが職務として優先されており、預かり保育を実施することは教員の負担の面からも困難であることが考えられました。しかし、保護者のニーズとしては、預かり保育の実施の要望が高いことが明らかとなっており、隣接する施設である保育園の場所と保育士を確保することにより、幼稚園と保育園が連携して行う「預かり」が実現可能となりました。
 「預かり」の保育場所を「こどモードハウス」とすることで、NPOこども未来研究所で研究開発している玩具を使う、地域の人材の活用等、地域の資源を活用した保育内容となり、幼児にとって幼稚園とは異なる環境の中で新しい刺激を受けることができました。
 また、全学年の保護者会やこどモードハウスクラブの実施時は異年齢保育となり、異年齢同士のかかわり合いもみられました。
 保育士の観点からすると、保育所の保育士が幼稚園の子どもを預かることによって、幼稚園児の育ちを知ることができ、幼児への理解がより深まる機会となりました。隣り合う施設を共有することによって他の機会でも施設を利用し合うなど、幼保の保育者相互の関係性の構築につながる要因のひとつとなりました。
 保護者に関しては、母親の育児負担の軽減がみられました。また、利用者状況の推移を見てみると利用者が年々増加傾向にありました。また、安定して見通しを持って預けられることのできる場として定着してきたことが保護者の利用につながったと考えられます。
しかし、3年間の試行期間においては幼稚園と保育園が連携をし「預かり」を行うための体制づくりの検討が優先課題となり、保育内容の検討やカリキュラムの編成までには至りませんでした。幼稚園と保育園が連携し、幼児の育ちを考えた「預かり」を行っていくためには、幼児の実態を踏まえて保育内容を検討し、カリキュラムを編成していく必要があると考えます。今後、幼児の実態を観察し、幼稚園における日中の教育課程や保育内容、保育園やこどモードハウスの資源をどのように活かしていくかなど、保育内容を検証していく必要があります。また、幼稚園と保育園が円滑な連携するためには、幼児および運営に関する幼保間の情報共有が課題となります。共有する情報の選択やその伝達方法などについても検討が必要です。
 また、預かり保育の実施の妨げとして挙げられていた、「行政からの補助金」という点でも課題があります。本プロジェクト実施の3年間では、行政からの補助金を受けずに実施したため、利用料金が高額となりました。今後、日常的に、またより継続的に実施していくためには経済面での課題も大きいといえます。


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預かり①(保護者会時等一時的な場合)


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預かり②(こどモードハウスクラブ)

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