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1. 合同保育実施の経緯

 実際に合同保育としての取り組みを行ったのは、プロジェクト3年次の平成27年度のみですが、合同保育実施に至るまでに、幼保の関係性がつくられていくさまざまな取り組みがありました。ここではプロジェクト初年次より、どのようなプロセスを経て合同保育実施に至ったかを年次ごとに示しています。

(1)初年次:平成25年度

 幼稚園と保育園は、柵を隔てて隣接した位置関係にあります。しかし、プロジェクト開始以前はほとんど交流が無い状況でした。幼稚園児が降園した後の午後の時間に、時々保育園児が幼稚園の敷地内にある芝山(幼稚園内にある築山の名称)で遊ぶ程度でした。そのような状況の中、本プロジェクトが発足し、保育園児2名(R、H)が幼稚園へ通う試みが実施されました。このことを通して、幼稚園に通う2名以外の保育園児たちは、隣の幼稚園には保育園のお姉さん達が通っているという認識を持つようになりました。幼稚園児たちは、RとHのことを隣の保育園から通っているお友達と捉えるようになりました。
また双方の保育者は、おもにR、Hに関する情報交換の場として定期的に設けられた幼保連携会議での交流や、送迎担当の保育者等がR・Hを幼稚園へ送迎する機会等を利用して、徐々に保育者同士の交流を重ねていきました。こうして幼保の関係性がつくられはじめたことで、幼保の教職員が互いの保育場面を見学し合うようになりました。運動会や公開保育など、双方の教職員が見学し合うことは、教職員の学びの場にもなっていました。また、幼稚園が月1回程度開催する未就園児の会「にこにこふ~よん」へ、途中から保育園児も参加するようになりました。「にこにこふ~よん」の対象は未就園児であるため、幼稚園児と遊ぶなどの直接的な関わりはありませんが、保育園児は幼稚園の環境に慣れ親しみ、幼稚園をより身近な場所と感じられたようです。
さらに、初年度終盤では保育園の経営母体が運営する形で、幼稚園の保護者会時に保育園と同じ建物内にある部屋で幼稚園児の預かりの実施を開始しました。これにより、幼稚園児は隣の保育園から通ってきているR、Hが居る建物へ入る機会となり、直接そこでR、Hとは会わずとも、幼稚園児にとって保育園のある場所がより身近に感じられたようです。以上のような初年度の取り組みを経て、徐々に幼稚園と保育園の教職員間、子ども同士の交流が重ねられていきました。
 

(2)2年次:平成26年度

 2年次は、保育園から幼稚園に通う子どもがさらに2名増え、計4名となりました。初年次より継続して幼保の教職員間の定期的な情報交換会議(幼保連携会議)の場が設けられ、互いの保育を知る機会が得られたことで教職員間の関係が深まっていきました。未就園児を対象とした「にこにこふ~よん」への保育園児の参加も継続して行われました。これまで保育園内で実施していた保育園の運動会でしたが、保育園の園児数が増加したこと、幼保が互いに要望を伝えやすい関係性がつくられてきたことから、2年次は保育園の運動会を幼稚園の遊戯室で実施しました。自分たちの活動に幼稚園の場所を使用したことで、保育園児達はより身近に幼稚園を感じるようになりました。保育園児が幼稚園の芝山で遊ぶ回数も初年度より増えました。
また、幼稚園保護者会時の預かりも継続して実施され、預かりの体制が定着してきたことにより、幼稚園の保護者にとっても保育園のある施設の存在が身近なものとなっていきました。
 幼保の子ども同士の交流という視点では、日中幼稚園に通う4名の保育園児たちに限った交流が中心でしたが、この4名が幼稚園で歌った歌を保育園でも年下の児を交えて一緒に歌ったり、幼稚園の遊びを保育園へ持ち帰り、保育園内で再現して遊んだりしたことにより、間接的に幼保の子ども達の間での共通の経験がありました。この共通の経験があったことは、特に保育園児たちにとって、幼稚園という場に親近感を持つきっかけとなり、最終年次の合同保育実施につながる足掛かりとなったのではと考えられます。
 これまでの実績を経て、3年次の取り組みとして、合同保育の実施を計画することになりました。
 

(3)最終年次:平成27年度

これまでの2年間を経て、幼保の教職員同士が定期的に意見交換のできる会議の場を持てたこと、預かり事業や一部の保育園児が幼稚園に通ったり、にこにこふ~よんに参加したりすることで、幼稚園、保育園の保護者や園児達が双方の存在を身近に感じられるようになってきたことを踏まえ、プロジェクト3年目に合同保育の実施に至りました。合同保育の実施が初めてとなる平成27年度は、4歳児の1学年のみに限定しての合同保育の実施を試みました。
5月に、幼保の教職員が集まる会議の場で合同保育の実施についての具体的な提案があり、まずは合同保育としてどこまで行うことを目指すのかを確認しました。6月には幼稚園、保育園の子ども達の現状を報告し合い、実現可能な合同保育について検討しました。10月の幼稚園の運動会で幼保の子ども達が一緒に行う種目を、合同保育の中で取り組むことを中心に、お誕生日会やゲームなどに幼保の子どもたちが一緒に参加して活動することになりました。運動会で行う種目を取り上げた理由には、対象とした保育園4歳児は前年度3歳児の頃に幼稚園が主催する未就園児の会「にこにこふ~よん」に参加しており、その活動の中で幼稚園の運動会の種目の一つに参加した経験を持っているため運動会のイメージがつかみやすい点、幼保の子ども達が運動会までに数回直接かかわる機会を持つことができ、共通のダンスを踊るという活動の期間が確保できるという点が挙げられます。

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