■ 2. 合同保育の取り組みの実際

具体的な合同保育の実施スケジュールは下記のとおりです。

合同保育実施スケジュール

註：網掛けは合同保育実施日。

１）合同保育 実施前
　5月28日に合同保育についての具体的に話が出てから7月8日の第1回の合同保育の実施までには、およそ1ヶ月強の期間がありました。この間、保育園児は幼稚園内を散策するなどして遊びました。また、定期的な会議とは別に、実際に合同保育の中心となって活動する幼保それぞれの担任同士で話し合う機会を設け、具体的な合同保育での活動内容の詳細を詰めていきました。両園では、各担任の指導のもと合同保育での実施が決まったリズム「ぼよよん行進曲」の振りの確認を数回行い、その後第1回目の実施に至りました。

２）第1回 合同保育　→合同保育①［PDFデータ］
実施日：2015年7月8日
実施場所：附属幼稚園中央テラス
観察記録より抜粋
　この日、はじめて幼保の子ども達が出会いました。当初はけやきの庭で保育園児が遊んでいる横で幼稚園児がぼよよん行進曲等を踊りだし、自然と一緒に踊るようになることを活動内容として考えていましたが、雨が降ったため、テラスで保育園児を簡単に紹介して、一緒にダンスをするという流れになりました。保育園児は、最初は少し緊張していた様子でしたが、すぐに元気にダンスをしていました。じゃんけんをする場面では子ども同士や子どもと先生の間で幼稚園児（幼稚園教諭）と保育園児（保育士）とのかかわり合いが見られました。幼稚園児の間に入って一緒にダンスを踊っている保育園児の様子も見られました。

３）第2回 合同保育　→合同保育②［PDFデータ］
実施日：2015年7月15日
実施場所：附属幼稚園4歳児保育室（ゆり組、もも組）
観察記録より抜粋
　この日は2つの組に分かれて、各クラスでお誕生日会を行いました。保育園児は4人ずつに分かれ、幼稚園のゆり組・もも組それぞれのクラスに保育者が付き添いました。活動内容は両クラスで一部内容が異なりましたが、7月・8月うまれのお誕生日会、ゲーム、絵本の読み聞かせといった内容でした。ゆり組では、保育園児の中にもお誕生日月の児がおり、そのことが本人も嬉しかったようでした。もも組では、初めてでも子どもが参加しやすいゲームが取り入れられていたため、保育園児も遊びに楽しく参加していました。誕生日を祝ってもらった保育園児は緊張しながらも嬉しそうな様子で、保育園に戻った後に「緊張して、ドクドクしちゃった！」と笑顔で嬉しそうにお誕生日会のことを話していました。

４）第3回 合同保育　→合同保育③［PDFデータ］
実施日：2015年9月24日
実施場所：附属幼稚園けやきの庭（園庭）
観察記録より抜粋
　運動会当日に向けて、幼稚園の園庭での合同保育を実施し、実際の種目の動きと流れを行いました。
　前回の合同保育時よりも幼稚園に来てからの時間の経過が短い段階で保育園児の表情がほぐれていま
した。保育園児たちは幼稚園という場にも慣れてきたようです。幼稚園児も保育園児も、鈴割りやぼ
よよん行進曲の活動を楽しんでいました。先生の声かけによって、相手のチームを応援したり、保育
園児が園へ帰る際に声をかけ合う子どもの姿がありました。お互いにとって合同保育が楽しい経験と
なっていることは、子ども達の「またくるね」「またきてね」というやりとりからも読み取ることができました。

５）第4回 合同保育　→合同保育④［PDFデータ］
実施日：2015年10月2日
実施場所：附属幼稚園けやきの庭（園庭）
観察記録より抜粋
　運動会を一週間後に控え、幼稚園全体の予行を行いました。幼稚園児・保育園児ともに、入場のしかたや席への戻りかたは前回よりもスムーズでした。特に保育園児は競技の流れについて、この日の活動を通して当日のイメージがつかめたようでした。

６）第5回 合同保育　→合同保育⑤［PDFデータ］
実施日：2015年10月8日（運動会当日）
実施場所：附属幼稚園けやきの庭（園庭）
観察記録より抜粋
　前週の予行の経験から、幼稚園児も保育園児も全体の流れに沿って活動していました。保育園児と幼稚園児が一体感を持って掛け声を言っていました。
これまでを振り返り、合同保育開始当初は保育園児同士で先生の近くに固まっていることが多かったのですが、運動会の日は、ダンスをしている間に保育園児が幼稚園児の間に入って踊っていました。種目を終えた後の退場の場面では、幼稚園児一名が保育園児の列の間に入って歩いていましたが、子ども達はお互いに気にしていない様子で席まで戻りました。