東京学芸大学・OECD 共催ワークショップ「さんかく(三角・参画)で共に創り奏でるコレクティブインパクト~レジリエンスのある未来を創るため、「守破離」をエコシステムで体験する~」を開催しました
2022 年 3 月 28 日(月)・29 日(火)に、東京学芸大学、経済協力開発機構(OECD)の共同開催(後援:文部科学省、外務省、内閣府)による、オンラインでの国際ワークショップを開催しました。
日本を含む世界23か国から、300名を超える多様なメンバー(生徒、教師、研究者、企業・団体、行政機関、国際機関など)が参加し、生徒の声を中心に、未来の教育・社会について、立場を超えて対話しました。また、ろう学校の生徒さんたちも登壇、グループ対話にも参加いただき、多くの参加者とともにインクルーシブな体験を共有しました。
本ワークショップは、自然災害や紛争・戦争に苦しむすべての人々に捧げるための一分間の黙とうから始まりました。本学國分充学長によるオープニングスピーチでは、震災などの⾃然災害を繰り返し経験し、また唯⼀の被爆国でもある⽇本が、国際会議をホストする意義、そして⽇本の教育やその研究活動が、今後求められるであろうウクライナの復興プロセスにも貢献できるものであること、更に東京学芸大学が、「教員養成フラッグシップ⼤学」として、全ての⼦供達に Well-being を実現する教育の実現に向けて、国内外の多様なメンバーと共に、未来の教育について共同研究を⾏い、学び合い、そして共創することが、⼤きなミッションの⼀つであると、宣言しました。
オープニング対話では、「児童の権利に関する条約」に関する活動を推進していますローレンティンオランダ王子妃がモデレーターを務め、震災や紛争を経験した東北、熊本、イスラエルの生徒たちとの対話を行いました。その後、アンドレアス・シュライヒャーOECD教育・スキル局長、兒玉和夫元OECD日本政府代表部大使も対話に加わり、大人も子供も一人の人間として尊重され、個人の尊厳としてのAgencyを尊ぶ社会・教育の実現、そして共にAgencyを発揮できる(Co-Agency)社会と、そのための教育基盤を築くことの大切さが、改めて確認されました。
2日間のワークショップ全体を通して、国内の生徒たちが、海外のパートナー、国内の大人と共に、△(三角)パートナーを構成し、生徒の声に寄り添う形で、多様な視点からの問題提起や未来へのビジョンを示し、健康や個性、格差などの点も含めて、すべての子供の声・権利を尊重し、新しい教育の在り方を模索するための、守破離の場を提供しました。
参加者からは、「日本の生徒、外国の生徒、そして研究者や教員、地域の大人などが対等な立場で参加でき安心して話し合うことができることに感動しました。」「今日の議論が未来の教育にどのような形で繋がっていくのか、とても楽しみですし、心強いです。」など、前向きなフィードバックを多くいただいています。
今後は、OECD・日本共同研究の枠組みのもと、限られた生徒・学生ではなく、誰もが国境をこえて共感をする体験ができるグローバルなプロジェクト学習のモデルづくりに挑戦し、また国際的な共同研究を強化して参ります。
プログラムの詳細はこちら(日本語) (英語)プログラム(PDFファイル)を参照ください。
写真上段:東京学芸大学國分充学長によるオープニングスピーチ
写真下段:総合司会を務めた東京学芸大学4年山本詩央理さん(左)とポルトガルのManuel Ruizさん(右)
オープニング対話の様子:モデレーターのローレンティンオランダ王子妃(中段中央)と、イスラエル、熊本、福島の生徒たち。
オープニング対話の様子:シュライヒャー局長(上段右)、兒玉元大使(中段左)と生徒たち
詩の朗読を、手話、英語、日本語で行った東京都立立川ろう学校(東京都立立川学園)、インドネシア、東京の生徒・学生