正式には、僕はここのゼミ生ではなかったのですが,色々あって参加させていただいて今もここに載せてもらっています。

 ゼミの皆さん,ゼミでやった曲線についてなんですが僕は自分のゼミでやっていたときにも出てきたメビウスの帯について話していこうかと思います。ゼミでやったわけでもないのになぜ選んだかとゆうと,Mathmaticaでメビウスの帯をかけると知ったとき,好奇心がむくむくと出てきて、書いてみたら面白かったので、これに決めました。では,始めます。

まず,知らない人がいたら困るのでメビウスの帯とは下のような形のものを言います。

下の図のような細長い紙を用意して,矢印の向きを合わせて張り合わせれば上の図のようになります。

パラメーター表示としては

x=a (Cos[u]+v Cos[u/2] Cos[u])

y=a (Sin[u]+v Cos[u/2] Sin[u])

x=a (v Sin[u/2])

aは定数。u,vはパラメーターです。

さて、ここで質問ですが、定数a,パラメーターu、vは紙で作ったメビウスの帯で言うところの何を表しているでしょうか?

正解は,aが大きさ,uが長さ、vが幅をあらわしています。

一番初めに書いたメビウスの帯は、

だったのですがこれを変えていき,確認します。

まず、a=8 にしてみて対比を見ると

となり、のときは

パラメータの範囲通りに半分しか描かれなく

のときは 目に見えて幅が変わります。

よって,当然vの範囲が大きすぎるとしたの図のように,紙で言う「ねじれない状況」になったりします。

 ここから話は変わります。

 皆さんが気軽に紙でメビウスの帯を作れると思うのですが、ではその出来たメビウスの帯を中心線に沿って切るとどうなるでしょうか?

皆さんの予想としては下のような感じでしょうか。

1,二本の輪になる

2,一本の大きな輪になる

正解を言うと2番なのですが,それではその一本の輪はどんな形,要するに何回ねじられた形になっているか考えてみてください。

1,ねじりがなくなる

2,2回ねじられる。

3、4回ねじられる。

この正解は3番の4回です。普通は1回の倍の2回ねじりになると思うところなのですが、なぜか4回になります。

これは,メビウスの帯が「輪」であるからこそなのです。

メビウスの帯を中心線に沿って切ると,渕だけを考えると下のような始まりと終わりが結ばれているねじれた螺旋が考えられます。

上のからは部分的には2本の輪に分かれることが分かります。

この二本の輪はメビウスの帯から切り出したものですから当然それぞれがメビウスの帯と類似した形を取っているのが分かり,これでねじれは2回分。では、あとの2回がどうして出来るかというと、この2本の輪がポイントなのです。中心を切ったあと,当然一本の輪になったことを確認するために広げて伸ばしますがその時にねじれが追加されるのです。

ピンとこない人は下の図を見て,細長い紙で自分で試してみてください。

上の図のように,輪を作って左右に引っ張るとそれまで輪だった部分が,ねじれとなる。よって、(元からのねじれ)×2+(輪が伸ばされたことによるねじれ)×2=4と、なっています。

また、ここでこの4回ねじりの輪をさらに中心線沿いに切ってみるとどうなるでしょうか?

1、 さらに大きな輪になる。

2、 2本の輪になる。

正解は2の2本の輪になるのですがこれもさっきのように淵だけを取って図にすると下のようになります。

この図を見れば分かると思うのですが2本の輪が絡み合っている状態になります。ゆえに中心線に添って切ると2本の輪が出来るということです。

ここまで考えると,では2回ねじったもの,3回ねじったものなどを切るとどんな形になるかに興味がわき、実際に試してみたところ,2回ねじったものは2本の輪,3回ねじったものでは一本でかつ、結び目が生じるという面白いことになりました。

上と同じように淵を取って考えてみると,2回ねじりでは

2本の輪になっていることが分かる。

3回ねじれの場合,

これを切ったと想定して3箇所のねじれを一箇所に集めると

一見違う図のようにも見えますが良く見ると同じ図で部分的に長さが違うことが分かると思います。

こうしてみると結果的に,ねじれが奇数回のときは一本の輪になり,偶数回ねじると2本の輪になることが分かります。

それは、細長い紙でいう上下の淵だけ考えて下のような線を取り出したとすると、

奇数回も偶数回も,螺旋を描くのは確かなのですが、奇数回は@とAが一致し始まりと終わりが一致する螺旋を描き,偶数会のときは@同士、A同士で2重螺旋構造を描くのです。

これらのことは自分で紙などで実際にやってみたほうが感動は大きいので,興味がある人は試してみてください。

いつのまにか,結び目理論のような話になってしまっていますが気にしないでください。

参考文献

・Mathmatica 曲線と曲面の微分幾何 (株)トッパン