■ザイフリボク
 ■バラ科


花(4月撮影)

● 細長く、そしてわずかに波打つ白い花びら5枚からなる花が枝上に密生します。ザイフリボクの「ザイ」は采配の采に由来しています。采配とは戦場で大将が指揮するときに用いた、何枚もの細く切った紙の房を棒の先につけた道具です。現代では、戦場でなくとも陣頭に立って指図するときに「采配を振る」を使いますね。風に揺れるザイフリボクを見ていると、確かに采配を振っているようでもありますね。


花(4月撮影)

●ザイフリボクには、シデザクラという別名もあります。シデ(紙垂)とは、しめ縄、玉串、祓い串など神道で用いる、白い長い紙をジグザグに折ったもののことです。シデザクラもザイフリボク同様に、花の形状に由来するネーミングなのです。

●5枚の花弁、多数の雄しべ、そして、葉の縁には細かなギザギザ(鋸歯)がありますが、これは多くのバラ科の植物に見られる特徴です。ザイフリボクは主に本州中部より西の地域に生育するので、大学構内に植わっている木は珍しいものなのです。


(4月撮影)

●近年、アメリカザイフリボクという輸入種が園芸で流行っています。花は在来種によく似ていますが、開花時に葉はなく、白い花が枝に付くだけですので目立ちます。花が終わった後に葉が開き、6月頃に黒っぽい果実が熟します。このため、ジューンベリーの名があります。実には汁が多く、鳥が好んで食べます。大学構内には自然棟の西側に数本、植えられています。

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