理科のありか

教員なるなら知っておこう!
放射線の話
【担当】
新田英雄
TOPページへ > 潜入特別講座 > 第5回 理科特別講座
 日時: 2008年3月28日(金)
誰でもできる野外学習:講座様子

 放射線や放射能という言葉を知らない人はいないでしょう。特に,日本は世界で唯一の被爆国です。原子爆弾によって,大変多くの人命が失われました。最近では,放射性元素のずさんな取扱いのために超臨界事故が起き,やはり人命が失われました。一方,最先端の医療現場では,放射線は無くてはならないものになっています。X線CTやPETを始めとする放射線を利用した検査や放射線によるがん治療などによって,多くの人命が救われています。
このように放射線は人の命を奪う道具にも救う道具にもなるのです。どうしてそのような両面を持つのでしょうか。残念ながら,現在の学習指導要領では,放射線に関する教育の機会がほとんど設けられていません。これでは,また無知による悲惨な事故が起きないとも限りません。そこで,放射線に関して正しい判断ができる最低限の知識を身に付け,折にふれ子どもたちや生徒に話してあげられる先生になってもらうために,この特別講座を設けました。
放射線はどちらかというと堅苦しい内容なので,最近はやりのサイエンスカフェ風に,参加した学生さんたちとコーヒーを飲みながら,気楽な雰囲気でお話をしました。
話の内容は,放射線の単位,原子核,放射線の種類,半減期といった基本的な知識から,放射線の生態への作用,医療への応用方法,原子力発電の原理,原子爆弾など,社会人として身に付けて欲しい知識を盛り込みました。
実験としては,風通しの悪い部屋の空気中の塵を掃除機でコーヒーフィルターに集めて簡易ガイガー計数管で測ってみました。自然放射能の3倍にもなって皆ビックリ!でした。