理科のありか

香りの科学と接着剤
【担当】
新田英雄
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 日時: 3月29日(土)13:00~15:00
誰でもできる野外学習:講座様子

本講座は、薬品や器具の正しい取り扱い方を習得し,実験の安全対策が確実にできることを目的として行った。小学校教員採用試験に合格(名簿登録)した小学校教員養成課程(A類)4年生を中心とする希望者4名を対象に行った。実験・観察の内容として,エステルの合成と生成した化合物のにおいの嗅ぎ方、接着剤についての講義、実験の研修を行った。終了後にアンケート調査を実施した。

1 実験・観察
1-1 香りの科学
配布した資料を参考に、種々のアルコールとカルボン酸を試験管に取り、濃硫酸を加えて試験管をよく振り、溶液を均一にしてホットプレート上の湯を入れたビーカー内で15分ほど加熱を行った。試験管を湯から出し、室温まで放冷し、水2ml加え、よく振り混ぜて、2層に分離させた。分離した2層の上層を別の試験官に移し、細く切ったろ紙を試験管に入れ、湿らせてにおいを嗅ぎ、どのような香りがするか調べた。実験では、ガラス器具の正しい使い方、電子天秤の使い方、攪拌の仕方、においの嗅ぎ方等について指導した。また、今回は濃硫酸等を使用したため、保護メガネ、手袋の着用を義務付けたが、薬品が手などの皮膚に付いた場合の対処についても言及した。
  1-2接着剤
  接着剤の歴史、長所・短所、種類、過程、理由等の講義の後、酢酸エチルに発泡スチロールを溶かし、接着剤を作成した。これを、プラスチック板と紙に付け、接着剤として利用できることを確認した。最後に、なぜくっつくのかを説明した。

2 アンケート結果
 実験終了後にアンケートを実施した。以下に受講生の感想を記す。
・化学の実験は小学校以来でした。器具の使い方など基本的な指導事項の大切さを知りました。また、接着剤や様々なところに化学の知恵が応用されていたり、大変勉強になりました。また、化学について難しいイメージがありましたが、接着剤の原理等を知り子どもたちに興味を持って化学の実験ができるような指導ができそうです。
・今回の実験は非常に面白かったです。自分で合成したものから様々な香りがしていて私自身も楽しかったし小学生に今後教えていく際にもとても役に立つと思いました。小学生も楽しみながら実験できる内容だったと思います。
・本日の講座で、エステルの芳香性を学び、臭い酢酸とアルコール類を混ぜると全く異なるにおいがして驚きました。
・アルコール、カルボン酸というものを使って様々な匂いを作り出すという実験はとても面白く、子どもたちの興味をひくものと思います。接着剤は、身近な発泡スチロールを使って作れるというところから、子どもたちもひきつけられると思います。接着の原理等もわかって楽しかったです。