理科のありか

発芽はかせ先生になろう!
【担当】
中西史
TOPページへ > 潜入特別講座 > 第7回 理科特別講座
 日時: 3月1日(土)10:30〜11:30
誰でもできる野外学習:講座様子

 「植物の発芽」は小学校5年生の理科で学習する単元です。この単元は植物の発芽とその条件についての考えをもつようにすることを目標とすると同時に,後に学習する「植物の実や種子のでき方」へと発展することにより,植物の連続性についての見方や考え方を深める意義もあります。本講座では発芽に必要な条件を植物の生活環における発芽の位置づけから見直すとともに,マメ科植物の多様性,条件制御のポイントに関する講義を行い,インゲンマメの種子のつくりや温度・光・肥料・空気の条件を変えて吸水発芽の様子を観察しました。また発芽中のインゲンマメを密封したフラスコ中の空気の酸素・二酸化炭素濃度を気体検知管により測定し,大気や受講生の呼気との比較も行いました。これは,6年生の「人,動物の呼吸」「ものの燃え方と空気」の授業で活きる実験技術の習得と,発芽に必要な空気の意味を「人,動物の呼吸」の単元で再度考察し,呼吸の植物と動物における普遍性,さらには「生物間の相互作用」の理解につなげることを期待したものです。参加者数は10名で実験・観察は4班に分かれて行いました。インゲンマメの種子の形態観察では,前夜から吸水させたインゲン(金時豆)の外部形態を観察した後,種子を縦に半分に割り,2枚の子葉の内側に存在する幼根,胚軸,幼生葉,幼芽を観察しました。「実際にキントキマメの幼生葉を見ると、しっかりとした葉の形をしていて驚きました。資料を見るだけでなく実物を見ることを子供達にもしてあげたいと思いました。」「実際にインゲンを手に取って、中身を割ってみたり触ってみたりした事で、子供が実験を行なう場面を想像することができ良かった。」と参加者に喜んでもらいました。発芽の条件検討では,温度,水分,空気,肥料,光の条件を変えて予め5日間おいたインゲン(黒種衣笠)の種子を観察し,発芽に対するそれらの影響を考察しました。条件設定を実際に行ってもらうことはできませんでしたが,「発芽の実験・観察についても準備していただき,短い時間で効率よくエッセンスを学べたような気がします。」との感想にホッとしました。気体検知管を用いた酸素,二酸化炭素の濃度測定はほとんどの参加者が初体験で,とまどう場面も見られましたが,TAの学生のサポートで楽しく実験を終えることができたようです。