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アサガオの生活環と環境応答
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2007年12月11・18日火曜日
アサガオの生活環と環境応答

 「アサガオ」というと小学生のイメージが強いようですが,みなさんはいかがでしょう?今回は 2週連続で中西がアサガオについての講義と観察実習を行いましたが,アサガオのおもしろさを伝えるにはまだまだ時間が足りず,欲求不満気味です。
 第1週目にはまずワークシートに記入する形でアサガオクイズに答えてもらい,どれだけアサガオについて知っているか,知らないかを考えてもらいました.その後,小学校でのアサガオの扱いを紹介し,1ヶ月前から育てた植物体や,前日から吸水させた種子を各人に観察してもらいながら生物学的な分類や日本へ渡来した経緯,子葉に含まれる下剤成分,蔓の巻く向きや,生えている毛の向きについて解説しました。最後に吸水してふくらんだ種子の皮を一人一人丁寧に取り除き,種皮をつけたままの種と一緒に試験管の中に播種し,恒温槽の中において発芽の様子を班ごとに1週間観察してもらいました(上の写真は授業の翌日早速観察している学生さんの様子です)。

2週目は,まず1週間育てた芽生えを観察し,大きさ,形,色の変化について確認した後,発芽に必要な条件について考えました。真っ暗な中で育った芽生えの様子にはみんなびっくりしていました。 芽生えを携帯電話のカメラで熱心に撮影する姿も多くみられました。

後半は,種子,さらには花の意味を考えながら,夏草1年草であるアサガオが,冬の到来前に確実に種子をつくるために備えた「知恵」について,花芽分化における短日性や開花時刻の制御機構,自動受粉の話を中心に解説を行いました。
 最後に短日処理によりちょうど開花時期を迎えた植物体から花やつぼみを切り出し,雄しべや雌しべの観察を行いました。小さなつぼみの中に,すでにしっかり雄しべと雌しべが準備されていている様子は感動ものです。
最後の観察は時間が不足気味でしたが,私の期待以上にアサガオに熱心に向き合ってくれた学生さんが多く,とても嬉しく思いました。鉢植えの植物体や,試験管にピンセット,ルーペ,両刃のカミソリ等多くのものを配ったのですが,各人が良く考えて後片付けに協力してくれたのでとてもスムーズに授業を終了することができました.岡﨑恵視先生には,学生さんに対する観察の指導や授業風景の写真撮影にご協力いただきました。 準備には,中西研の学生さんがいろいろ協力してくれました。
皆さんに感謝!感謝!
(文責 中西 史)