理科のありか

化学実験および有機化学実験
担当:吉原伸敏
TOPページへ > 発見授業改革 > 化学実験および有機化学実験
実施日:2007年10月〜2008年2月

 初等教育教員養成課程(A類)理科選修の学生は,小学校理科の中核教員となることが期待されており,そのために,1年次に4つの理科実験(物理学,化学,生物学,地学実験)を必修としている。さらに,3年次には各分野の専門実験が用意されている。ここでは,化学実験および有機化学実験での実験改革について述べる。

1. 化学実験  化学実験のねらいと目標は,以下の通りである。
「化学の基礎的な実験と化学分野でのコンピュータの活用について実習し,化学実験の基本的操作,実験廃液等の廃棄を含めた取り扱いや実験中における事故防止対策等の安全教育の実際的知識を習得する。」実験の内容としては,中和滴定,アセチルサリチル酸の合成,過酸化水素の分解反応速度測定など,分析化学,有機化学,物理化学分野の基礎的実験を行い,基本的操作,コンピュータを用いたデータ処理,レポートの書き方について学んでいる。
 実験廃液等の破棄に関しては,オリエンテーション時に,本学で発行した「有害廃棄物取り扱いの手引き」を配布し,自然科学系廃棄物について,有害廃棄物分類・受付・搬入・処理について等の解説を行っている。また,実験の最後には,実際に廃液処理を行っており,環境に対する配慮についても学生に対して教育している。
 化学実験では,多くの試薬や器具を使用しているため,事故が起こる可能性がある。そのために,特に事故防止対策等の安全教育には力を入れており,オリエンテーション時に,実験にふさわしい服装や実験に対する心構えなどを指導している。さらに,薬品の安全な取り扱い方や,器具等の基本的な操作法を各実験時にきめ細かく指導している。

2. 有機化学実験
 化学分野に配属された学生は,3年次に専門実験として,物理化学実験,有機化学実験,無機分析化学実験の3実験を行っている。これらの実験は,1年次の化学実験を基礎とし,より高度な実験および演習を行っている。ここでは,実験改革の一例として有機化学実験で行った実験の学校教育における有効活用についての報告を行う。  すべての実験終了後,7つの実験から班ごとにそれぞれ1実験をテーマとして割り振り,以下の課題を課した。

 

個人での課題
 学んだ実験や実験操作を,学校教育において有効活用(授業・実験・発展的学習への応用展開等)をし得るアイデアをレポートせよ。実際に現場で活用することを前提とし(小・中・高等学校に限定),できるだけ具体的に,かつ多くのアイデアをあげることが望ましい。配布資料,指導案,板書計画等の形式でまとめても良い。

 

グループとしての課題
 個人での課題をグループ討論し,より実践的な教材としてまとめ,そのアイデアを発表する。発表はプロジェクターを用いて行う。