理科のありか

サカナの繁殖戦略
担当:狩野賢司
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基礎理科A(2008年6月3日)
基礎理科C(2008年5月20日)
サカナの繁殖戦略

 サカナの飼育に先立ち,生命科学分野でサカナの繁殖行動について研究を行っている狩野賢司先生に,効率よく自分の遺伝子を残すためにサカナたちがいかにシビアな目で配偶者を選んでいるかについて,ご自身の研究成果も交え,豊富な写真を用いて紹介していただきました。「ディズニーの映画で有名なカクレクマノミは小さいときはみんなオスで,大きくなるとメスに性転換します。ニモのお父さんは,大きくなるとメスになります。」との説明には,学生の間から笑い声が起こっていました。メスに寄生し,消化管など精巣以外の器官を退化させて「精子製造器」と化すチョウチンアンコウのオスや,小さくて縄張りを持てないオスがあの手この手で子孫を残そうとする多様な戦略に,男子学生,女子学生ともども真剣な顔をして聞き入っていました。「グッピーでは,メスは配偶相手を選ぶ際に地味なオス(図1)よりも、オレンジ色の斑紋が鮮やかなオス(図2)を選り好みます。オレンジ 色の鮮やかなオスは餌の藻類を探す能力が高く、子はその能力を受け継ぐことができるからです。」といった,狩野先生が実際に行われている研究では,具体的なデーターも見せていただきました。また,学生の多くが飼育するアカヒレとメダカ,グッピーの卵や稚魚の大きさを比較した写真も提供して下さり,学生はそれぞれのサカナの特徴を実感を持って理解することができたようです(図3-アカヒレの孵化後2日の稚魚,図4-ヒメダカの孵化後2日の稚魚)。
(文責 中西 史)