理科のありか

身近な生物多様性とその重要性について
担当者: 真山茂樹
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基礎理科C(1月8日)
基礎理科A・C(5月13日)
身近な生物多様性とその重要性について

 最初に生物の多様性とは何かを概説し、それがなぜ重要なのか学生に発言してもらった後、国際多様性条約の観点から言及される重要性について解説を行いました。こうして、学生が生物の多様性が重要であるとの認識をもたせた上で、改めて、生物の多様性をどの程度理解しているかを問い,例として、大学構内にある樹木の種数の変遷を1960年代以降の写真を交えて解説しました。その結果、学生は樹木の種数が減少したことを理解し、多くの学生は、それを好ましくないと思ったようです。しかし、減少した種数であっても、それら全部を識別できるかとの問いかけに対しては、識別できると答えた学生はいませんでした。そこで、彼らの親以上の年齢の日本人は、彼らよりはるかに植物について詳しいことを、ドイツ文学が専門である本学学長が書いたエッセイをもとに解説し、彼らが年長者と比べ、植物の多様性を理解していないことに気づかせました。しかし、生物多様性を理解することを、単に生物名を覚えることと捉えたのでは、それはほとんどの場合つまらない活動となってしまいます。重要なことは、生物名を覚えることでなく、生物のもつ多様な性質を理解することであり,そのプロセスで、いつの間にか生物名とも親しくなればよいのです。植物は理科の授業で扱われることが多いのですが、我々の生活の中では、理科以外の場面でもしばしば登場します。そこで、さまざまな分野での植物との関わりの事例を示した小本「学芸の森 私の植物」を配布しました。今年度前期の授業では3ヶ月かけて各人がオリジナルな「私の植物」を完成させるという課題を出し,インターネットの掲示板機能を使った課題作成のためのサポートを行っています。個性豊かな小本が出来上がることと今から楽しみにしています。
(文責 真山茂樹・中西 史)