理科のありか

「大学構内の生物の観察と分類」の試行
担当者:高森久樹・岩元明敏
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生物学実験
「大学構内の生物の観察と分類」の試行
2008年4月〜2008年7月
「大学構内の生物の観察と分類」の試行

 「生物学実験」は、これまでも種々の生物に接し生物の多様性とその中にある共通性を理解し生命現象を科学的に観察する能力を習得することによって教師となった際の授業実践力を獲得することを目指して実施してきました。平成20年度前期は、小学校理科や生活科との結びつきを意識した内容の「大学構内の生物の観察と分類」の実習として昆虫などの小動物の観察と分類を行いました。
 最初に実験室において昆虫などの小動物の野外観察と採集方法の説明を行いました。また、昆虫の体のつくりと進化について生物試料ライブモニター装置を用いて説明しました(図1)。次いで実際に捕虫網などの採集用具を持って野外に出かけ、東京学芸大学構内の農場と自然科学系棟1号館中庭で観察と採集を行いました(図2)。一人1個体以上を採集し実験室に持ち帰り、体の作りの観察とスケッチを行いました(図3)。今回の実習では、昆虫を殺さないで観察するために軟質カードケースやチャック付き小物用ビニール袋の中に昆虫を入れる方法を実践しました。どうしても昆虫の動きを止めたい場合には、人体には麻酔作用がないトリエチルアミンによる麻酔を施しました。そして観察が終わった昆虫などは、野外へ戻しました。最後にアンケートを実施した結果、今回の授業が教員になって野外生物の観察や採集を行う場合の参考になると答えた回答が93%となり、この実習の効果があったことがわかりました。

 今回の野外観察と採集は、おもに附属環境教育実践施設が管理する農場で行いましたが、多くの種類の昆虫を観察することができました。農薬を極力使わずに環境に配慮した農場管理されている職員の皆様に深く感謝申し上げます。