プロジェクト(2019年度)

教員養成における実践的プログラムの運営に関する研究
(担当:岩田康之)

2020年度からいくつかの在外・日本人学校において本学の「教育実地研究Ⅱ」が新たに行われることを踏まえ、その指導体制やプログラム内容についての検討を行っています。当面、日本人学校(香港及びバンコク)の教員たちを対象としたニーズ調査等を行い、実習の指導内容やカリキュラムにおける位置づけ等を検討していく予定です。

教員養成における教科内容学習の相互連関―理科と社会科の間―(担当:金子真理子)

社会科と理科は、社会科学と自然科学という異なる学問体系を背景とし、しばしば相補的なものとして位置づけられます。しかし私たちが生きているこの世界のありようを発見し、理解し、それに主体的にかかわっていこうとする資質を育てるという目的は共通しているとも言えます。これらの教科を通しての学びは、学習者のいかなる知識、能力、生きる上での糧になるのか、対比的な、また統合的な観点から研究を進めています。

中途入職教員に対する研修と処遇(担当:前原健二)

民間企業等での勤務経験のある者を学校現場へ引き入れるための施策は様々に行われています。しかしそうした「中途入職教員」の経験の活かし方、入職後のキャリア形成のあり方はほとんど知られていません。本研究では中途入職教員に対するインタビュー調査と教育委員会に対する質問紙調査を通じて、それらの課題を具体的に探究していきます。

学校と外部機関の連携と教育の公共性に関する研究(担当:上杉嘉見)

学校は、公教育の成立以来、私的な利益の追求から中立的であることが前提とされてきました。しかし近年の教育政策は、学校に対して民間企業を含む外部機関との連携を促しています。本プロジェクトでは、こうした政策を相対化して分析する視点を得るために、諸外国において学校と企業等の連携関係がいかなる問題を孕むものとして認識され、どのようなルールのもとで構築されてきたのかを解明することに取り組みます。最終的には、日本の教育行政および教員と企業等の外部機関が、学校の公共的性格を守るために共有すべき行動指針を提案することを目指します。

教員養成大学・学部における大学教授職の在り方と組織開発(担当:下田誠)

教員養成系大学・学部には教育科学・教科教育・教科専門の教員が配置されています。長年課題とされてきた教科専門教員の研究志向等について、少し広い文脈から検討しようとしています。第一に歴史的経緯、第二に一般大学・学部との比較、第三に大学教授職の在り方についてです。大学教授職の在り方から教員養成系大学・学部の特色を導き出し、その現実認識を基礎に、教員養成系大学・学部の組織開発を考えています。

大学で附属学校の教員が学生に支援する,基礎実習における実験授業の検討と指導(担当:宮内卓也)

理科教員養成においては、観察・実験に関わる指導力の育成が不可欠ですが、一般に高等学校における観察・実験の実施頻度は低い傾向にあり、本学においても高校時代に十分な数の実験を経験していない学生が少なくありません。本研究では教育実習前に観察・実験を構想するための予備実験の充実に注目し、夏季休業中に本学の実験室で附属学校の理科教員から実験の進め方や指導方法について助言を受ける機会と実験環境を提供し、その効果を検討します。そこから大学における理科実験実習の指導のあり方、教育実習指導における附属学校と大学の連携のあり方を考えていきます。

教育実習プロジェクトチーム(担当:櫻井眞治、宮内卓也、松崎尚文)

本プロジェクトチームでは、これまで東京学芸大学に在籍する学生の教育実習の指導、実習校への事前の連絡・実習生についての情報共有、実習期間中に生じた問題への対応・現地での指導、課題が指摘された実習生への実習後の指導、及び関連する調査研究を行ってきました。2018年度までは教育実践研究支援センターの教育実習指導部門として職務を進めてきましたが、2019年度の組織再編にともなって、次世代教育研究センターに活動の場を移しています。

近年の教育実習に関わる検討課題としては、資質・能力の育成をはかることができる実践的な指導力の育成、課題を抱えた学生への支援といったものがあります。本プロジェクトチームは学生と教育実習校の実態を踏まえ、より豊かな教育実習経験の場を生み出すことで次世代の教育に貢献していきます。


以上に挙げたものの他、次のような研究プロジェクトにも取り組んでいます。

  • 教員養成における実践的プログラムの運営に関する研究(担当:岩田康之)
  • 教員養成の構造変容に関する研究(担当:岩田康之)
  • 教員養成カリキュラムの検証―創成期の東京学芸大学卒業生に対するインタビュー調査をもとに―(担当:金子真理子)
  • 在外教育施設の地域環境に即した理科教材の開発(担当:真山茂樹)