プロジェクト(2021年度)

在外教育施設における教育実習プログラムの開発
(担当:岩田康之)

2020年度からいくつかの在外・日本人学校において本学の「教育実地研究Ⅱ」が新たに行われることを踏まえ、その指導体制やプログラム内容についての検討を行っています。当面、日本人学校(香港及びバンコク)の教員たちを対象としたニーズ調査等を行い、実習の指導内容やカリキュラムにおける位置づけ等を検討していく予定です。

学びの目的に関する研究(担当:金子真理子)

学校教育における教科の学習は、学習者のいかなる知識、能力、ものの見方、生きる上での糧になるのか。本プロジェクトでは、現在の社会状況、これからの社会像、多様な子どもの認知、実態、成長といった点を踏まえながら、主に社会科と理科を中心に、学びの目的を検討します。社会科学・自然科学の両分野から共同研究者を迎え、各教科の学習を通してどんな世界像を描けるのかを比較検討することを通して、対比的な、また統合的な観点から、研究を進めています。

中途入職教員に対する研修と処遇(担当:前原健二)

民間企業等での勤務経験のある者を学校現場へ引き入れるための施策は様々に行われています。しかしそうした「中途入職教員」の経験の活かし方、入職後のキャリア形成のあり方はほとんど知られていません。本研究では中途入職教員に対するインタビュー調査と教育委員会に対する質問紙調査を通じて、それらの課題を具体的に探究していきます。

学校と外部機関の連携と教育の公共性に関する研究(担当:上杉嘉見)

学校は、公教育の成立以来、私的な利益の追求から中立的であることが前提とされてきました。しかし近年の教育政策は、学校に対して民間企業を含む外部機関との連携を促しています。本プロジェクトでは、こうした政策を相対化して分析する視点を得るために、諸外国において学校と企業等の連携関係がいかなる問題を孕むものとして認識され、どのようなルールのもとで構築されてきたのかを解明することに取り組みます。最終的には、日本の教育行政および教員と企業等の外部機関が、学校の公共的性格を守るために共有すべき行動指針を提案することを目指します。

教員養成大学・学部における大学教授職の在り方と組織開発(担当:下田誠)

教員養成系大学・学部には教育科学・教科教育・教科専門の教員が配置されています。長年課題とされてきた教科専門教員の研究志向等について、少し広い文脈から検討しようとしています。第一に歴史的経緯、第二に一般大学・学部との比較、第三に大学教授職の在り方についてです。大学教授職の在り方から教員養成系大学・学部の特色を導き出し、その現実認識を基礎に、教員養成系大学・学部の組織開発を考えています。

大学と附属学校が連携した理科の授業づくりの指導を通した教育実習指導教員の資質に関する検討(担当:宮内卓也)

教育実習は単なる教育現場の体験やスキルの先取りではなく、教育実習が終了した後や、教職に就いた後も成長を続けることができるような方法を学ぶ場であるとも言われています。そうした教育実習を実現するために、教育実習の指導者に求められる資質・能力に注目することには意義があると考えられます。
本プロジェクトでは、理科を事例として大学と附属学校が連携しながら、観察、実験を核とした授業づくりを学ぶ学生向けプログラムを開発・実践することを通して、教員養成段階の学生に対する指導のあり方に注目しています。

教育実習プロジェクトチーム(担当:櫻井眞治、宮内卓也、林正太)

本プロジェクトチームでは、これまで東京学芸大学に在籍する学生の教育実習の指導、実習校への事前の連絡・実習生についての情報共有、実習期間中に生じた問題への対応・現地での指導、課題が指摘された実習生への実習後の指導、及び関連する調査研究を行ってきました。2018年度までは教育実践研究支援センターの教育実習指導部門として職務を進めてきましたが、2019年度の組織再編にともなって、次世代教育研究センターに活動の場を移しています。

近年の教育実習に関わる検討課題としては、資質・能力の育成をはかることができる実践的な指導力の育成、課題を抱えた学生への支援といったものがあります。本プロジェクトチームは学生と教育実習校の実態を踏まえ、より豊かな教育実習経験の場を生み出すことで次世代の教育に貢献していきます。


以上に挙げたものの他、次のような研究プロジェクトにも取り組んでいます。

  • 教員養成の構造変容に関する研究(担当:岩田康之)
  • 創成期の東京学芸大学のカリキュラムと学生生活(担当:金子真理子)