フランス語の魅力

フランス語の魅力

フランス語は国際的な言語であり、外交語としての長い歴史を持つばかりか、文化、思想、芸術分野では欠かすことのできない言語です。
ですのでフランスは、国際的な関係や政治においてばかりか、文化、思想、芸術、ファッションにおいて卓越した国として認められてきました。
また忘れてはならないのは、国際連合( l'Organisation des Nations-Unies )やオリンピックなど、数多くの国際機関で公用語としても使用されていることです。

マンガ・アニメ:

フランスはまた映画文化の非常に発達した国ですが、最近は日本の漫画の大ファンたちがいる国ともなってきています。日本のかなりの量の漫画が翻訳されているばかりではなく、非常に質の高い漫画やアニメへの評価が生み出されている国でもあります。アングレームで毎年行われる国際マンガ・フェスティバル (Le Festival International de la Bande Dessinée d'Angoulême : bdangoulemepro.com)で見られるマンガへの関心の高さには、他所では見られない盛り上がりがあります。それだけ日本への関心を持ち、親近感を感じている若い人々の層も実に厚く、パリで毎年行われるJapan Expo(japanpromotion.org)では、日本のマンガやアニメへの熱い想いを感じることができます。  
フランス映画:http://www.allocine.fr/

グルメ:

 フランスは16世紀以来、イタリアからもたらされた宮廷料理の発達を通して独得の高級な料理文化(レストラン文化)を作り出してきた国ですが、その背景には非常に多様な地域文化・風土の存在がありました。特産物として各地に見ることのできる産物や地方固有の料理も大変豊富です。チーズの種類、赤、白、ローゼのワインの種類は数百種にも及びます。

チーズ(http://www.meg-snow.com/cheeseclub/knowledge/world/place)

ワイン(http://winespiral.com/france/index.html)

人道援助活動:

 フランスはまた国際的に展開する人道援助のための活動が非常に活発な国でもあります。代表的なものとしては「国境なき医師団」がありますが、その略号 MSFはもちろんフランス語のMédecins Sans Frontières から来ています。他にも「国境なき教師団」、「世界の医師団」など多くのNGOの拠点となっています。とりわけアフリカとは歴史的なつながりが強く、今日多数の移民の受け入れを通して絆をさらに深めています。
  国境なき医師団:http://www.msf.or.jp/

EU(欧州連合) : Union européenne

 フランスはドイツとともに欧州統合の中核をなす国であり、今日の欧州連合EUを現在の姿にするまでに多くのイニシアティヴを発揮した国であり、今後も発揮し続けるでしょう。フランスのストラスブールには欧州議会や欧州人権裁判所が置かれています。国家の枠を越えてヨーロッパを統合しようとするこの大プロジェクトが今後どのように進展するかは世界にとって非常に大きな意味を持っています。 欧州連合:euinjapan.jp

豊かな歴史

 フランスは文学、思想、藝術、文化の豊かな歴史を持っている国です。数多くの優れた文学者や思想家を生み出し、絵画、音楽、建築などの領域で非常に高い評価を受ける歴史を持っています。モン・サン・ミシェルをはじめとする魅力的な世界遺産が数多く存在するのもそのためです。現在指定されている世界遺産はその一端に過ぎませんが、ヨーロッパの歴史と深く関わってきた歴史の厚みを実感することができるでしょう。宮崎駿の「ラピュタ」のモデルとなったモン・サン・ミシェル、百以上の古城を有するロワール河流域、カルカッソンヌやプロヴァンなどの中世都市、さらに各地に大小さまざまな美術館、博物館があります。ルーヴル美術館はもっとも有名ですが、オルセー美術館、フランス国立近代美術館など国際的にも超一流の評価を受ける美術館の存在はフランスの魅力のひとつと言えるでしょう。

モン・サン・ミシェル(http://matome.naver.jp/odai/2137654222804261501)

カルカッソンヌ(http://bonzoblog.exblog.jp/21507218/)

プロヴァン(http://4travel.jp/os_travelogue_list-city-provins_j.html)

フランス世界遺産:http://4travel.jp/overseas/area/europe/france/sekaiisan/
           :http://home.att.ne.jp/wave/TABIPLUS/sub3-5france.htm

吟遊詩人とフランス音楽

地中海全域にまたがる大帝国を誇ったローマ帝国が、ゲルマン諸民族の大移動によって分裂し、西ローマ帝国が崩壊へと向かうのが5世紀末のことです。この時、ヨーロッパの極西地域に三つの勢力がせめぎ合う、いわば三国志状況が出現します。現在のベルギーを含むその北部をフランク族のクロヴィスが率いるフランク王国が占め、南東部にはリヨンを中心にキルペリク2世が統治するブルグント王国、そして現在のトゥルーズを拠点とするアラリック2世の西ゴート王国の鼎立がそれです。実は今日のフランスが成立したのは、この三つ巴の構図が出現した地域においてだったのです。この三者の戦いはフランク王国の勝利に終わり、いわゆるメロヴィング朝フランク王国の成立となりました。このメロヴィング朝は、その後徐々に勢力範囲を東へと拡張し、800年頃にはシャルルマーニュ(カール大帝)がほぼ現在のフランス、ドイツ、イタリアにまたがる地域を統治することになります。このシャルルマーニュの王国はカロリング朝と呼ばれていますが、この王国も間もなく西フランク王国と東フランク王国に分裂していきます。そして西は現在のフランスに、東は現在のドイツとイタリアへと分かれて行くことになります。
さてこの西フランク王国に、1000年頃にはカペー朝が誕生し、フランス王国の原型が形作られる時代となります。そんななか西ゴート王国の領土であったフランス南西部のオック語文化圏に、吟遊詩人のトルバドゥール(Troubadour)が出現してきます。貴族文化のなかで現れた詩人かつ作曲家そして歌い手でもあるトルバドゥールのスタイルは、1100年代に入るとオイル語文化圏であった北フランスの宮廷文化の中に次第に浸透していくのですが、そこに姿を現したのがトルヴェール(Trouvère)でした。時代はまさにフランス南西部のアキテーヌ公領の跡取り娘アリエノール・ダキテーヌとパリを拠点とするフランス王ルイ7世の婚姻が成立する頃だったのです。騎士道物語の吟遊詩人クレティアン・ド・トロワもそんなオック語文化とオイル語文化の融合のなかから生まれたトルヴェールの一人であったのです。
https://youtu.be/ujdZuJXlbEs)(https://youtu.be/46vKafx5Fvg
ところで、ゴシック建築の傑作とされるパリのノートルダム大聖堂がその威容を誇るようになるのは1200年前後のことですが、この時代になるとノートルダム楽派が形作られ、単旋律のグレゴリー聖歌の響きにポリフォニーの豊かな広がりが付け加わるようになります。14世紀のギヨーム・ド・マショーにはその成果を明瞭に聴き取ることができるでしょう。
https://youtu.be/J5U8p5W-Srw)
さらに時代が下り1500年前後のルネッサンス期に入る頃までには、ブルゴーニュ楽派からジョスカン・デ・プレで有名なフランドル楽派へとつながる音楽の伝統がベルギーを含むフランス北部に形成されていくことになります。
https://youtu.be/GlpyCoXFh_U
次いでイタリアの影響がさらに密になっていく17世紀には、フランスは王制の強化拡大とともに宮廷音楽家としてリュリやクープラン、そしてラモーを輩出した絶対王制の時代を迎えます。
https://youtu.be/Lxw5Z99L0O4) (https://youtu.be/-K0yYa9KsmI)
( https://youtu.be/v1ItcF7PWRM) (https://youtu.be/fllWNGDWhI4)
フランス革命後の19世紀には、ベルリオーズ、サン・サーンス、フォーレ、デュパルクらに代表される音楽家たちがフランス音楽の方向性を模索することになります。
(https://youtu.be/tI_ccB7N7vo) ( https://youtu.be/3qrKjywjo7Q)
(https://youtu.be/VrAQfVewD4c) ( https://youtu.be/Gq0KMrFJDSQ)
そして20世紀にはドビュッシーやラヴェル、さらにはサティ、オネゲル、プーランク、 ジョリベ、メシアン、ブーレーズなどの作曲家たちが活躍し、21世紀の今日に至るフランス音楽の歴史を創り出して来たと言えるでしょう。
(https://youtu.be/OUx6ZY60uiI) ( https://youtu.be/r30D3SW4OVw)
(https://youtu.be/wbT9DeULzU4) ( https://youtu.be/cdBPZvHg9C0)
https://youtu.be/OG_pMHOF8ME?list=PLyYkjjW9yFZ7Wl99wq8_swv5VKaXJ_YQ1
https://youtu.be/Ykc4LqDb_w0)(https://youtu.be/fKaktrFIYfs)
https://youtu.be/4Qd1CgV8zSE

ルネサンスと啓蒙思想

16世紀ルネサンスの時代、フランスでもイタリアからの影響を受けユマニスム(人文主義)の時代を迎えることになります。中世からのカトリック教会の束縛から解放され、地上に新たな人間の世界を築こうとするその試みは、宗教改革の時代をも連動して生み出すことになるのです。フランスでは「ガルガンチュア物語」で有名なフランソワ・ラブレーに代表されるユマ二ストたちが、カトリック教会を批判することになります。また16世紀後半、宗教戦争が激化していく状況の中で哲学者のミシェル・ド・モンテーニュが「 エッセー」によって寛容を説き、正義を掲げ狂信へと導く人々に対する懐疑を語ったことは有名です。
さてフランス革命を経験することになる18世紀には啓蒙思想の時代がやってきます。シャルル・ド・モンテスキュー、ドゥニ・ディドロ、ジャン=ジャック・ルソーなどはよく知られた哲学者ですが、とりわけ百科全書派のヴォルテールはカラス事件で、宗教的な偏見による冤罪を糾弾したことで評価されています。この不正を糾弾する知識人の価値は、フランス革命を経た19世紀には、「レ・ミゼラブル」のヴィクトル・ユゴーや「居酒屋」、「ジェルミナル」のエミール・ゾラなどの文学者によって受け継がれることになります。
19世紀末のドレフュス事件では、文学者のエミール・ゾラが、軍による冤罪事件を批判し「 私は弾劾する 」と題する大統領への質問状を新聞に公開することで世論を動かし、冤罪を覆すきっかけを作りだしたことは特筆に値するでしょう。「失われた時を求めて」の作家マルセル・プルーストが、その若き日に、この事件と遭遇して大きな影響を受けていることは、フランスの文学者たちの生き方を知る上で忘れてはならない事柄であると言えます。
さらに20世紀中葉、「帰郷ノート」のエメ・セゼールは、植民地主義の批判を展開する詩人であり劇作家であるとともに、フランス本国に対して故郷マルチニックの平等を求めて闘う政治家でもありました。
フランスにはこのように公正さと人道の擁護を求める知識人の運動を思想と文学において育んできた歴史を見いだすことができます。実はフランスは非常に活発な国際人道援助活動を行ってきている国ですが、それもまさにこのような思想と運動の歴史を背景としたものであることを理解することができるでしょう。


このような歴史と文化を持つフランスですが、そこで話されているフランス語は、フランス本国ばかりではなく、世界の各地で話されている国際語でもあります。フランスの海外県であるカリブ海のグアドループ(Guadeloupe)、マルチニック(Martinique)を始めとして、インド洋マダガスカルの近隣レユニオン(Réunion)、マイヨット( Mayotte )、さらには南太平洋のタイチなどのフランス領ポリネシア、ニュー・カレドニアなどの海外領でも話されています。
またフランス以外の国としては、ベルギーの南部ワロニー(Wallonie)地域、ルクセンブルク(Luxembourg )、スイス西部のジュネーブ、ジュラ地域で話されているとともに、カナダ・ケベック(Québec)州、カリブ海のハイチなどでも母語として話されています。
さらにはアフリカの旧フランス領、旧ベルギー領でもフランス語は使用されています。北アフリカのマグレブ(Maghreb)諸国: アルジェリア、モロッコ、チュニジアなどで広く話されているとともに、西アフリカ( コート・ジヴォアール、マリ、セネガル、ニジェール、ブルキナファソ、ベナン、トーゴ )、中部アフリカ ( カメルーン、ガボン、チャド、中央アフリカ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、 ルワンダ、ブルンディ)、そしてマダガスカルなどでは公用語として位置付けられ、学校での教育言語として使用されています。

このように世界の広い地域、多くの国際機関で話される国際語であるフランス語は、多くの人々をつなぐ絆ともなっています。いまや漫画の大好きなフランスですが、文学、芸術、思想、映画、ファッション、料理、旅行など趣味や生活との結びつきも強く、楽しく学ぶことができます。


フランス語で世界を広げてみませんか。フランス語を話す世界を通して新たな自分を見つけてみませんか。


ではクラスでお会いしましょう。A très bientôt !