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連続講演会<第十六回>
多摩川エコミュージアム・ネットワーク・シンポジウム
We Love Tamagawa  いのちをつなぐ138

 学生・市民が一緒になって多摩川をめぐるエコミュージアムに蓄積された知恵を共有し、流域住民に広く伝え、上・中・下流の環境学習活動をつなぐことを目的として、シンポジムを行ないました。

 開会の挨拶には、多摩源流の村である山梨県小菅村より村長にもお越しいただきました。

 全体会では、全国レベルでの環境教育活動に加え、地元の小金井市狛江市での環境まちづくり活動、また多摩川源流域における地域と大学連携によるプログラムなど、多彩な実践報告がなされました。

 分科会では「多摩川流域の生き物と川遊び」「山村の暮らしとむらづくり」「多摩川流域のまちづくり」「エコミュージアム・ネットワークづくり」の4つのテーマに分かれ、それぞれ講師の話題提供をもとに、流域の活動やビジョンを語り合い、活発なディスカッションを行いました。その結果を再び全体会で共有し、総合的な話し合いを行ないました。

 シンポジウム終了後は、会場を環境教育実践施設に移しての交流会を実施し、多摩の産物に舌鼓を打ちながら、楽しいネットワーキングの時間を参加者相互で持ちました。

 また本学職員による記録映像「多摩川流域の生き物」の上映や、各流域自治体及び市民団体などの関連組織による展示・資料コーナーの設置も併せて実施しました。さらに昼食時には、“ヤマメ炭火焼き”などの「小菅村を味わおう!」企画が環境教育実践施設農場で開催されるなど、盛りだくさんの内容での市民参加型シンポジウムとなりました。

 参加者からは、流域の多くの参加者と出会うことができ、ネットワーキングの場として有効であったとの評価をいただきました。また生産者と消費者との交流の促進や子どもを中心とした農林漁業体験活動の促進、地産地消の推進、食文化の継承といった地域の食育の推進の場ともなりました。

 また、本シンポジムは、本学教職員及び流域の市民合同による実行委員会形式で開催されました。 本学学生も委員会に加わり企画・準備段階から関ったほか、当日の運営や司会進行などでも、環境教育専攻の学生はじめ他学科・他専攻の学生も多く活躍し、学生にとっても大きな学びの場となりました。

【予告ページ】

日時 2007年11月17日(土) 10:00開演
[開演の30分前開場] 17:30終了
(終了後、交流会)
会場 東京学芸大学 講義棟(S410 ほか4階全フロア)
環境教育実践施設多目的室、彩色園など
[アクセスマップ]
参加費 無料
参加者数 130名
プログラム

開会の挨拶 
実行委員長:古橋 源六郎(財団法人森とむらの会会長)
東京学芸大学地域と連携した環境学習推進委員長:
村松 泰子(東京学芸大学副学長)
山梨県小菅村長:廣瀬 文夫(全国源流の郷振興協議会会長)

全体会1
1.シンポジウムの趣旨説明
木俣 美樹男(東京学芸大学教授)

2.多摩川をめぐるエコミュージアム活動の現場からの話題提供

事例報告1:野川と市民活動
講師:平井 正風(小金井市環境市民会議代表)

事例報告2:子どもと大人、まちとむらをつなぐ環境情報の学習ツール
講師:大前 純一(NPO法人ecoplus理事)

事例報告3:多摩川を生かした中・下流域のまちづくり
講師:横山 十四男(狛江水辺の楽校運営協議会会長)

事例報告4:多摩川源流大学の現状と今後
講師:宮林 茂幸(東京農業大学教授)

展示 12:00〜13:30
個人や団体の活動や研究をポスターなどで展示発表し、人々の出会いと活動交流の場をつくりました。

上映 終日
記録映像「多摩川流域の生き物〜浅川、谷地川を中心として〜」
制作:井上 録郎(日本自然保護協会 観察指導員・ESD日野 会員)

分科会
多摩川の自然をめぐって展開されているいろいろな文化活動の経験を交流し、じっくり話し合いました。

分科会1:多摩川流域の生き物と川遊び
講師:柴田 隆行
(多摩川の自然を守る会代表)
川や川原での遊び、河川敷の利用の仕方、多摩川流域で生きる生物やこれをめぐる生物文化多様性の保全、外来生物の制御などについて話し合います。

分科会2:山村の暮らしとむらづくり
講師:土肥 英生
(NPO法人グリーンネックレス代表)
農林水産業をめぐる山村の生活について経済の実情をふまえて話し合います。

分科会3:多摩川流域のまちづくり
講師:神谷 博
(法政大学講師)
環境保全、災害防止、景観を考えたまちづくりについて体験に基づいて考えます。

分科会4:エコミュージアム・ネットワークづくり
講師:本木 紀彰
(川崎市役所まちづくり局市街地開発部長)
多摩川流域住民や市民活動団体の連携、エコミュージアム活動の協働組織づくりについて話し合います。

全体会2
各分科会のまとめ報告を聞いて総合的な話し合いを行ないました。   

交流会
講義棟でのプログラム終了後に開催しました。
(会場:環境教育実践施設多目的室)

テント村
学内外の学生向けに、16・17・18日はテント村を設営しました。
(広域避難所体験を兼ねて)

 
講師プロフィール
高野 孝子(たかの たかこ)
NPO法人 ecoplus 代表理事
早稲田大学 客員准教授
新潟県在住。92年から団体を立ち上げ、「人と自然と異文化」をテーマに、 体験を重視した地球規模の環境・野外教育プロジェクトを企画運営。近年はグ リーンランドを舞台に気候変動に関する調査、アラスカ、カナダの少数民族や 英国の各種環境教育プログラムを題材に、土地とひととのつながりに注目した 研究活動を行う。「オメガアワード2002」受賞。自身の活動歴には、グレート バリアリーフでのサンゴ礁調査、北極点パラシュート降下やシベリア犬ぞりの 旅、犬ぞりとカヌーによる北極海横断、アマゾン川下り、マダガスカル島での サバイバルレースなど、零下50度からプラス60度の中での数多い遠征が含まれる。
平井 正風 (ひらい せいふう)
小金井市環境市民会議 代表
北海道奥尻島生まれ。56歳 昭和59年6月小金井市の野川のほとりに転居。子どものころから生きもの大好き。専門は海洋プランクトン学、水生生物学。趣味はなかなか行けない渓流釣り、アウトドア。 現在、居酒屋の店主。小金井市環境市民会議、野川第一・第二調節池地区 自然再生協議会、野川流域連絡会、わんぱく夏まつりの会、海洋学会海洋環境問題委員会などに所属。
大前 純一 (おおまえ じゅんいち)
NPO法人 ecoplus 理事
特定非営利活動法人ECOPLUS理事・事務局長。元朝日新聞記者。中央省庁やハ イテク企業などを対象とした20年来の取材、asahi.comを設立運営したデジタ ル分野での経験を元に、持続可能な社会の構築に向けた市民の動きを支援する。
横山 十四男(よこやま としお)
狛江水辺の楽校運営協議会 会長
1955年から狛江市多摩川べりに住む。筑波大学、東京家政学院大学を定年退転。82才。NPO多摩川センター代表理事をはじめ多くの環境市民運動の役員を歴任。現在狛江水辺の楽校運営協議会会長。
宮林 茂幸(みやばやし  しげゆき)
東京農業大学 地域環境科学部 教授
1953年長野県生まれ。専門は林業経済学、森林政策学。主な研究テーマは「地域 振興と森林レクリエーション」、「市民参加による森林管理」、「森林体験と環 境教育」など。 NPOとよあしはら理事長、せたがやトラストまちづくり協会理事、多摩川自然再生 協議会会長、野外文化教育学会理事。著書に「森林レクリエーションとむらおこ し・やまづくり」(全国林業普及協会)、共著に「森林教育のすすめ方」(全国 林業普及協会)、「森林・林業教育−実践ガイド−」(全国林業普及協会)、「 みどりの環境デザイン」(東京農業大学出版会)等がある。
柴田 隆行(しばた たかゆき)
多摩川の自然を守る会 代表
小学生時代世田谷区の多摩川で泳ぐ。南アルプス・スーパー林道建設反対運動 をしていたとき、都会で快適な生活をしながらたまに山に来て勝手なことを言うなと地元民に非難され自分のふるさとである多摩川に目覚める。
土肥 英生(どい ひでお)
NPO法人グリーンネックレス 代表理事
財団法人都市防災研究所 主任研究員
NPO法人日本都市計画家協会 事務局長
地域おこし、都市防災などの分野で、地域とともに まちづくり活動を実践。
神谷 博(かみや ひろし)
(株)設計計画水系デザイン研究所 代表取締役
一級建築士
法政大学兼任講師
1974年以来、野川の湧水保全運動に携わり、1988年からは湧水の先の地下水を調べる水みち研究会の活動を始めた。多摩川の河川整備計画づくり、多摩川源流の再生活動にも携わっている。1949年、東京都生まれ。法政大学兼任講師、水みち研究会代表、東京都野川流域連絡会座長、小菅村自然再生協議会景観部会長ほか。本業は建築家。主な仕事に、環境共生住宅ルミナス武蔵小金井、早川町野鳥公園、米子水鳥公園ほか。
本木 紀彰(もとき としあき)

川崎市まちづくり局 市街地開発部長
小杉駅周辺総合整備推進室長

昭和47年川崎市役所入所、多摩区役所、まちづくり局、総合企画局などに勤務。最近の20年は市内の拠点形成及びまちづくり関連業務を一貫して担当。
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