幼稚園メンタリングプロジェクト
   
東京学芸大学 白梅学園大学
 
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メンタリングプロジェエクトとは
 
目的 特色 内容 実施計画 組織・構成員 用語・マーク 規定・規約
内容
1.教育プロジェクトの内容
教育現場は複雑で多義的であり、学生が大学で学習した科学的な知識・技術を単純に当てはめることはできません。このため、多くの学生が現場で戸惑い、教育の理論と実践を結びつけることに困難を感じています。こうした状況を打開するため、本プロジェクトでは、長期にわたる教育プラクティスとメンタリングを通して、学生と現職教員が共に教育の今日的課題に対応する高度な力量を形成することのできるシステムの開発を目指します。

1)メンタリング
「メンタリング」とは、経験を積んだ専門家が新参の専門家の自立を見守り、援助することです。ここでは、教員が学生に対して行う指導・助言のコミュニケーション過程、あるいはそのあり方を言い、その役割を担う教員を「メンター教員」と呼びます。
このメンタリングの機能は、近年、専門家の成長にとって重要な意味を持つものとして、各種専門家の教育の分野で注目されています。図1に示すように、教職を志す学生の専門的な成長にとって、メンタリングは重要な意味を持つばかりでなく、メンター教員にとっても自らの創造的な実践を支える意味を持つものです。このような相互的関係に基づくメンタリングは、我が国においては未だ普及していませんが、アメリカでは教育施策としてメンタリング・プログラムが広く展開されています。

図1
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2)教育プラクティスとメンタリング
本プロジェクトにおいて、学生は半年から1年間の教育プラクティス(週1回程度)を実践し、参与観察、記録、保育等を行い、メンター教員とのケースカンファレンスの中でメンタリングを受けていきます。このメンタリングにより、学生は、指導技術の学びはもとより、幼児理解、カリキュラム等に関する新しい概念的枠組みや保育内容、指導法の知識を獲得し、自らの実践を反省・評価して修正するためのメタ認知的意識、意思決定力、コンピテンスなどを高めることができ、自ら学び続ける教員としての資質を形成していきます。
また、学生は、これらの基礎的学びにとどまらず、大学のプロジェクトチームが持つ複合分野の資源を利用して、拠点園・小学校が直面する今日的課題(例えば小1プロブレム、幼小カリキュラム開発、子育て支援、特別支援等)の解決に現職教員とともに関与します(詳細は以下の3)参照)。
学生は、こうした教育実践の結果を文字・写真等の記録(ドキュメンテーション)としてまとめ、大学教員・メンター教員の指導を受けて自らの学習成果を検討し、課題レポートを作成して、自己評価を行います。メンタリングのプロセスにおいて獲得され、学生・教員各々の専門的成長に寄与する知識の具体的内容が図2です。

図2
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3)今日的課題に対処する協働的問題解決
プロジェクト運営機構において、教育の今日的課題ごとに複合分野の大学教員からなるプロジェクトチームを組織し、メンター教員に対するコンサルテーションを行うことによって、課題の解決を目指します(図3)。この協働の枠組みを通して、学生、メンター教員、大学教員各々の学びを生み出すことを目指しています。

図3
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2.大学教員の役割
大学教員は、プロジェクトチームにおいてメンター教員のメンタリングを支援し(図4)、現場の課題解決のアプローチについて助言します。また、学生の教育プラクティスにおける学習を指導するとともに、教育委員会・指導主事と協働でメンター教員研修プログラムを開発・実施します。この研修により、学生に対するメンタリングの質をより一層高めることができます。この研修プログラムは、次の3つで構成されています。

図4
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1)プレ研修
この研修は、メンタリング実施以前年度末または年度当初の1日間で行います。内容は、学生に対する有効なメンタリングを行うために、@教員の成長過程と新任期の特徴、Aメンタリングの意義、Bメンター教員の役割と専門性、Cメンタリング・プロセスにおける具体的方略等について、メンタリングハンドブックを用い、講義、演習、ロールプレイなど多様な方法を用いて行います。

2)リアルタイム研修
メンタリング・プロセスにおいてメンター教員からの質問に回答するために東京学芸大学で稼動中のe-ラーニングシステムを用いたQ&A、フィールド・コーディネータを活用したメンタリング相談等を行ないます。

3)ポスト研修
メンタリング・ケース検討会、メンタリング・シンポジウム(国内的及び国際的規模で開催する)などを通してポスト研修を行い、実践結果を総括します。なお、ポスト研修ではプロジェクト運営機構からプロジェクトの実施状況報告及び実施結果報告を行います。

このような重層的な研修を行うことによって、現職教員の持続的・発展的な学びの機会が生み出されます。大学教員は、これらの研修を開発・調整・実施・評価することを通して、現職教員の力量形成を継続的に支援していきます。
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3.ドキュメンテーションのデータベース化
メンタリングおよび教育実践記録や研究の成果を迅速に活用できるようにするために、東京学芸大学のe-ラーニングシステムを利用し、プレ研修教材のデジタルコンテンツ、メンタリング実践記録の永続的なe-アーカイブを構築し、拠点園・小学校が必要に応じてアクセスでき、メンタリングおよび園内・校内研究に役立てられるようにします。大学および教育委員会もメンタリングの把握、および教育実践研究・調査に活用します。

図5
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