環境教育リーダー養成講座

2012年度(平成24年度) 環境教育リーダー養成講座

各々の受講者が継続的に各フィールドと関わることができるよう、主に大学近辺の多摩地域を対象としていますが、被災地支援として東北地方のフィールド訪問も組み込んでいます。2012(平成24)年度の登録者は、環境教育専攻の学部生を中心として30名、延べ参加者数は96名でした。

【第0講】(キックオフプログラム)

<平成24年7月28日(土) 東京学芸大学環境教育研究センター>

武蔵野うどん作り体験  第1講で訪問する相模湖周辺で、森林保全活動を展開しているNPO法人緑のダム北相模の石村黄仁氏(同法人代表理事)と宮村連理氏(杉並区立高井戸中学校教員)に、活動の内容についてお話頂きました。宮村氏は高井戸中学校に地球環境部を創部し、部活動として森林保全に関わる様々な活動を行っており、実践現場に基づいた内容のお話でした。
 その後、喜多征子氏をはじめとする小平郷土研究会の4名の方を講師に迎え、郷土食である武蔵野うどん作り体験を行いました。通常の小麦粉のほか、農場で収穫した小麦を精麦した小麦粉も使用し、食べ比べをしました。うどん作りの合間には、農場にて野菜の収穫体験を行い、収穫した野菜はその後の試食会でうどんと共に参加者で味わいました。

講座案内①(PDF:約118KB)

【第1講】「森を体験しよう −森林保全ボランティア−」

<平成24年8月19日(日) 若柳嵐山の森(相模湖畔)>

下草刈り風景  第0講で学んだことをもとに、NPO法人緑のダム北相模の定例活動に合流・参加しました。午前中は、スタッフの方に森の中を案内して頂き、森林の持つ機能や植生について、解説して頂きました。午後は、活動に参加している高井戸中学校の生徒と一緒に下草刈りを行いました。中学生とグループを組み、交流を深めながら作業しました。草木のなかには刈らずに残していくものもあり、お互いに連携をとりながら作業を行うことができました。この定例活動には、様々な団体・グループが関わっており、複数の大学から学生が集まっている森林総合活動サークルの活動も、見学することができました。

【第2講】「ふゆみずたんぼを知ろう」

<平成24年8月25日(土) 東京学芸大学環境教育研究センター>

生きもの調査の実習  環境配慮型ライフスタイル推進協議会主催の「生物多様性フィールドワーク」に合流・参加しました。まず「ふゆみずたんぼ」でラムサール条約湿地の保全活動を展開しているNPO法人田んぼ代表理事の岩渕成紀氏にふゆみずたんぼについて講義をして頂きました。つづいて、共に活動をされている東京農業大学の舩橋玲二氏に、折り紙を使用したワークショップを交えながら、生物多様性についてお話をして頂きました。休憩をはさみ、農園にある田圃で生きもの調査の実習を行い、全体を通じて、水田や湿地環境で生物多様性を再生する方法―「ふゆみずたんぼ」について学びました。

【第3講】「南三陸町へ学ぶU−ふゆみずたんぼで再生・復活をはかる−」

<平成24年11月3日(土・祝)〜11月4日(日) 宮城県南三陸町>

田圃の整備風景  コカコーラ教育・環境財団寄附講義「環境マインドを持った次世代の指導者」養成プログラムの公開講座として、南三陸町を訪ねるスタディツアーを開催しました。津波で被害に遭った田圃を、「ふゆみずたんぼ」で再生・復活をはかる取組みに参加し、被災地を支援しながら、持続可能な地域づくりについて学びました。夜間の講義では、ふゆみずたんぼが、生物多様性に配慮した農法であるとともに、文化的にも持続可能な地域づくりを担うものであることを学びました。フィールドでの活動では、脱穀後の稲わらが散乱した田圃の整備などを行い、同時期に支援活動をしていた他団体と交流する機会も得ることができました。田圃での活動前後には、津波の爪痕がそのまま残る区域を歩き、被災状況を確認しました。これらを通して、自然への畏れを感じながら自然と共存する持続可能な地域をつくる意義を学ぶ2日間となりました。
 なお、第3講の補講として、現地で収穫した米を味わう「ふゆみずたんぼ米試食会」を12月21日に行いました。

講座案内②(PDF:約686KB)

【第4講】「コミュニティ:トランジション,住まい:エクセルギーハウス」

<平成24年12月22日(土)>
○午前 東京学芸大学 環境教育研究センター ○午後 小金井市環境楽習館

環境配慮住宅型研修施設を見学  午前は、コミュニティを学ぶ機会としてトランジションをテーマとしました。まず、世界のトランジション活動をまとめたドキュメンタリー「In Transition2.0日本語版」を鑑賞し、その後、トランジションタウン小金井事務局長の梶間陽一氏の講義を行いました。午後は、住まいをテーマに、エクセルギーハウスとして建てられ、本学の近隣にある小金井市環境楽習館(環境配慮住宅型研修施設)に足を運びました。設計に関わった建築家の黒岩哲彦氏を講師に迎え、エクセルギーという用語の説明や自然エネルギーを有効利用する暮らし方についてお話頂いた後、実際に建物を案内して頂き、エクセルギーハウスの仕組みを解説して頂きました。

講座案内③(PDF:約332KB)

【第5講】環境教育One-Day Field Trip

<平成25年2月2日(土) こぶた畑(神奈川県南足柄市)>

フィールドトリップ
こぶた畑で作業体験

 神奈川県南足柄市にある循環型有畜複合農場「こぶた畑」を訪問するフィールドトリップ企画に合流・参加しました。こぶた畑は、家畜とヒト、ヒトと土との当たり前の関係を地域の協同で創り直していきたいと考えている相原ご夫妻によって営まれており、地域の資源や畑の残さを餌に抗生物質を使わずに豚を飼い、堆肥を畑で使い野菜を作り、それらを地域で宅配しています。はじめに、ご夫妻に農場を簡単にご案内頂き、養豚について説明を受けました。その後はグループにわかれて作業を体験し、単純作業にみえるものが実際は全てが連関していることを解説して頂きました。さまざまな作業が循環の一角を担うものであり、そのひとつひとつに大きな意味があることを、体験を通じて学ぶ機会となりました。

【第6講】小金井・国分寺・小平「環境教育実践フォーラム」

<平成25年2月15日(金) 東京学芸大学環境教育研究センター>

環境教育実践フォーラムの様子  毎年、当センターが主催している、第4回小金井・国分寺・小平「環境教育実践フォーラム」に合流・参加しました。今回は、他地域の学校における学習支援をテーマに、杉並区と日野市の事例をとりあげ、杉並区からはNPO法人すぎなみ環境ネットワークの境原達也氏、杉並区立井荻小学校教員の住谷陽子氏に、日野市からは「ひのどんぐりクラブ」の谷汎氏と井上録郎氏ほか皆さんにお話頂きました。また、大学生による授業支援の取組みについて、国分寺市立第八小学校での学習支援に参加した学生が自ら報告しました。

【第7講】第32回環境教育セミナー

<平成25年3月9日(土)東京学芸大学環境教育研究センター>

第32回環境教育セミナーの様子  当センター主催の第32回環境教育セミナーに合流・参加しました。都市農業をテーマとし、それぞれの地域で、それぞれの取組みをしておられる4名の講師の方にご報告頂き、都市農地の保全、有機農業、自給農耕、市民農園、家族や地域での食料安全保障について話し合いました。

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