タイトルイメージ(教育学部 環境教育課程 自然環境科学専攻)
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物理科学分野概略

1 「熱エネルギーを全て仕事に変換する装置に投資しませんか」と言われたら投資しても良いのでしょうか?
2 サウナの温度は約80℃もあるのに,サウナに入っても火傷をしないのは何故なのでしょうか?
3 光はどうやって発生するのでしょうか?
4 「風が吹くだけで橋が飴のように曲がり,最後には崩壊したことがあった」と言われて信じられますか?
5 積木を積むように分子や原子を積んで新しい材料を作ると,どの様な材料ができるのでしょうか?

と言うことに答えられますか? 物理科学分野で学習すると,上の答えを得られるかも知れません.

物理科学分野では,物理学もしくは工学を中心として学ぶことにより,最先端科学や自然現象を理解できるような学生を育てることを目指します.

最先端の研究の世界は言わば「ボーダレス」の世界です. 皆さんの考える物理・化学・生物・地学の垣根はありません. たとえば物理科学分野の教員が行っている研究には,プラズマやカーボン・ナノチューブと言った物理の王道を行くような研究から二酸化炭素回収の研究と言った毛色の変わった-- 物理? -- と言ったものまであります.

物理科学分野は皆さんが高校で習っている「物理」とは異なるものです.


教育目標

上で述べたように,最先端の研究の世界では物理・化学・生物・地学と言った垣根が壊れボーダレスとなっています. ある意味,「私は物理しか(化学しか,生物しか,地学しか)知りません」と言う状態では研究を行い難くなっていると言えるでしょう.

しかしながら,一方,4年間で全てに精通することには無理があります.先ず一つに精通することが重要であるし,将来,他分野を学ぶ際の自信となるでしょう.

物理科学分野では,物理学もしくは工学の知識を中心として学ぶことにより,最先端科学や自然現象を理解する力を養います.

例えば,必修科目以外に物理数学(基礎,応用),力学,統計力学,量子力学,電磁波・光の科学等を中心として学ぶことにより最新の物理学を学ぶ素地を作ることができるでしょう.

また,流体力学,移動速度論,エネルギー変換論等を学ぶことにより,自然エネルギーの利用法やエネルギーの有効利用法の基礎について学べることでしょう.

高等学校における数学や物理に自信が無くても臆することはありません.各授業科目に精通した教員が基礎から説明します. あとはやる気努力です.


卒業研究について

卒業研究は下記の担当教員もしくは関連教室所属の教員の何れかの下で行われます. どの指導教員の下で卒業研究を実施するかは,2学年次の2月頃,学生の希望をもとに決定されます. したがって,それまでに希望する卒業研究指導教員を決めることが必要となります.

※ 3年次,4年次の研究活動は卒業研究指導教員によって異なります.
※ 関連教室の教員の研究内容については,「関連教室の紹介」欄からご覧下さい



担当教員&研究内容紹介

教員がwebページを開設している場合は,教員名をクリックすると各教員のwebページを見ることができます.

担当教員名 研究内容概略
金沢 育三

(教員紹介)
陽電子消滅および低速陽電子ビームによる準結晶の研究
低速陽電子ビームによる表面吸着水素の研究
佐藤 公法

(教員紹介)

人間が安全に生活できる環境を実現する理想的な材料を設計・開発するためには,信頼性の高い先端計測技術が必要不可欠です.私たちは,種種の環境保全材料,環境低負荷型材料について,電子線,陽電子線,X線を相補的に組み合わせながら原子レベルで研究を進めています.

新田 英雄

(教員紹介)
(研究室)
(担当授業のページ)
光(電磁波)は,どうやって生まれてくるのでしょうか.私達は,コヒーレント光や粒子対の生成に関する理論を,素粒子レベルから宇宙サイズまで,スケールにこだわらないスタイルで研究しています.このような研究は,自然界の解明だけでなく,未来の病院や工場で活躍するコンパクトながら高輝度な光源や粒子源の開発に役立ちます.
物理教育に関する研究を,主に附属学校と連携しながら,実践的に行っています.高校物理や中学校第1分野における教材の開発や,Excelなどを利用したシミュレーションの開発を手がけています.
村上 英興

(教員紹介)
炭素同素体−グラファイト、C60、炭素ナノチューブ−がどのような物質と反応するか、反応するとどのような物質に変わるか、等の物理的化学的性質の研究をしている。
望月 高昭

(教員紹介)
高圧・低温環境下においてメタンやCO2等と水とを接触させると,メタンハイドレートやCO2ハイドレートと呼ばれる結晶性物質(総称:クラスレート水和物)が生成します.このクラスレート水和物の生成・分解挙動に関する研究を行っています(但し,メタンやCO2ではなくHFCもしくはHCFCと呼ばれる物質を使用しています).
CO2排出削減方法の一つとして,現在,工場等から排出されるCO2を回収し地中や海中に投棄することが提案・検討されています.本研究室では,排気ガスとCO2吸収液とを接触させることによるCO2回収方法の研究を行っています.


太陽をはじめとする星からの光や生物体からの光など, 自然界に見られる殆どの光は位相のそろっていない(インコヒーレントな)光です.電球や蛍光灯から発せられる光も,やはりインコヒーレントな光です.それに対してコヒーレントな光とは,位相のそろった光です.代表的なものにレーザー光があります.(新田) HFC(気体)と水からなるHFCクラスレート水和物

容器内圧力:約2.5気圧,温度:1.5℃.微細なHFCクラスレート水和物結晶と水の混合物であるため,白濁している様に見えます.水分の多いシャーベット状といった感じでしょうか.(望月)


カップ積層型カーボン・ナノチューブの透過型電子顕微鏡像

カップ積層型カーボン・ナノチューブは,燃料電池用の水素吸蔵材等,多数の応用分野が期待されている.グラフェンシートの格子像が見えます.(村上)
Sn-Bi系環境低負荷型低融点合金中で観測された2次元同時係数ドップラースペクトル

物質中の内殻電子運動量を評価するために,高純度ゲルマニウム半導体検出器を2台用いて陽電子消滅ガンマ線エネルギーを同時計測します.図はSn-Bi系環境低負荷型合金中で観測された2次元スペクトルです.(佐藤)


関連教室の紹介

上の5教員のみでは,授業科目や卒業研究の内容の多様性を確保することができません. 自然環境科学専攻では,他専攻の協力を得て授業科目や卒業研究の多様性を確保しています. 関連教室とは選択科目や卒業研究を担当している専攻のことです. 物理科学分野の関連教室には理科専攻(物理科)および技術教育専攻があります.

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Last update January 24, 2006
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