自発的な表現を重視した保育プログラムが幼児の実行機能を育てることを証明

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本学教育学講座幼児教育分野の水﨑誠准教授、直井玲子研究員及びその共同研究者らが、自発的な表現を重視した保育プログラムを通して、幼児の実行機能(自分の行動をコントロールする能力)を育めることを明らかにしました。自発性に焦点を当てた保育プログラムを通じて実行機能を促進することを初めて示した成果です。

幼児期の実行機能は、児童期の学力や友人関係、成人期の社会的成功を予測することが示されており、現在世界で最も注目されている研究領域の一つです。幼児期の実行機能を高める方法は様々に提案されていますが、どの方法も子どもへの負担が大きく、さまざまな道具が必要など大がかりで実施が難しいなどの問題点が指摘されています。

水﨑誠准教授らは,実行機能が十分に発達していない3-4歳の幼児を対象に、自発的な表現を重視した2種類の保育プログラム(音楽プログラムと劇プログラム)を2か月間実施し、このグループの幼児と通常の保育プログラムを実施した幼児の実行機能を比較しました。その結果、前者は、後者よりも、実行機能の課題の成績を著しく向上させることを示しました。本研究成果は、実行機能に問題を抱える子どもへの応用が期待されます。

本研究は,宮城教育大学 香曽我部琢准教授、浜松学院大学短期大学部 永岡和香子教授、愛知学泉短期大学 本多峰和准教授、 常磐短期大学 鈴木範之准教授、京都大学 森口佑介准教授と共同で行ったものです。

本研究成果は,2021年7月30日(米国東部時間)に米科学誌「Trends in Neuroscience and Education」のオンライン版で公開されます。

※ 詳しくはこちらのプレスリリース資料をご覧ください。