第26回日本サンゴ礁学会において湯浅智子特任准教授(広域自然科学系生命科学分野)の共生渦鞭毛藻に関する論文が論文賞を受賞しました

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 2023年11月24〜26日に東北大学で開催された第26回日本サンゴ礁学会において,本学広域自然科学系生命科学分野の湯浅智子特任准教授の共生渦鞭毛藻に関する論文が論文賞を受賞しました.

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 サンゴやクラゲなどの細胞内には微細藻類が共生しており,本論文の対象生物である放散虫(Radiolaria)においても,その細胞内に共生藻として渦鞭毛藻を共生させています.それら様々な生物に共生している渦鞭毛藻は,細胞内共生時には黄褐色の丸い形態を持っており,いずれもその形態が似ていることからzooxanthellae(ゾーザンテラ)として一括総称されていました.本論文では,放散虫に共生している渦鞭毛藻Zooxanthella nutriculaの分子系統解析,走査型および透過型電子顕微鏡による微細構造観察をおこない,サンゴやクラゲに共生している渦鞭毛藻であるSymbiodinium属との相違を議論し,これまでzooxanthellaeとして総称されていた共生渦鞭毛藻類について整理をしました.

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 この研究は,北海道大学理学研究院堀口健雄名誉教授および本学広域自然科学系高橋修教授との共同研究でおこなわれたものです.また,本研究を遂行するに当たって,琉球大学熱帯生物圏研究センター瀬底研究施設の皆さまにも大変お世話になりました.

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Ultrastructural observation of a symbiotic dinoflagellate Zooxanthella nutricula from radiolarians collected off the northwestern coast of Okinawa Island, Japan.

Galaxea, Journal of Coral Reef Studies 24: 105-117 (2022).

https://doi.org/10.3755/galaxea.G2021_S5O

Tomoko Yuasa, Takeo Horiguchi, and Osamu Takahashi