【開催報告】12月17日に「探究の共創 in Winter」対面開催しました!(高校探究プロジェクト)

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高校教員の「探究的な学びの実践コミュニティ」の創出を目的とする東京学芸大学「高校探究プロジェクト」では,12月17日(日)に、今年4月から開催してきた「探究ミニセミナー&交流会」の第7回として、本学にて、「探究の共創 in Winter」を実施しました。
対面開催にもかかわらず、53名の中・高校生に加えて、先生方、一般企業等から、合わせて100名以上のお申込みをいただきました。当日は、関東圏はもちろん、兵庫や金沢からポスターを抱えて来てくれた高校生をはじめ、青森、高知、広島等、全国各地の先生、指導主事の皆さまにもご参加いただきました。

第1部(午前)のオープニングでは、本プロジェクトの西村リーダーから「探究の共創に込めた想い」として、「学校って何をするところですか?」という投げかけからスタートしました。学校での学びが、「与えられる学び」から、「共に考え創り出す学び」に転換していけるよう、まずは、この場を多様な考えや価値観にふれあう共創の場を、ご参加いただいたみなさまと創り出したいとお話いただきました。
その後、対話したいテーマ(教育旅行 ・地域課題・企業等との連携・不登校生や小規模校での探究・性教育・探究が楽しくなる問い・同調圧力) が似た人たちどうしで、高校生、教員、一般の方などごちゃまぜのチームを結成し、ワークに取り組んでいただきました。また、「高校生による教育研究」のルームでは、日本0ECD共同研究国際共創プロジェクトで活躍されている学生によるファシリテートのもと、「あなたにとっての『教育』とは?」という問いでスタートしました。立場を越えて、「高校生が教育を語る意義」についての対話が深められました。
第2部(午後)のポスターセッションでは、兵庫県立柏原高等学校の酒井はなさんから「探究活動を通して、一つのことが思っている以上にたくさんのことにつながっていること、自分たちの生活に関係していることに感じることができました。これは、自分一人の力では気づくことができなかったことだと思うので、今日の発表でも、質問やアドバイスをもとに、みんなで探究を続けていきたいです」、また森田慧志さんから「これまでの探究活動では、他者との協働や対話を大切にして、設定した課題に向き合い、解決に向けて取り組んできました。今日の『探究の共創』は、各々が取り組んできた探究に、新たな価値を見いだすことができる場所です。他者の探究活動の発表を聞いて、自分が感じたこと、興味をもったことを伝え合って、お互いが新たな発見ができるようなセッションにしましょう!」と開会宣言していただきました。
ポスターセッションは、探究しているテーマへの想いや現在までの経緯を伝えて、発表者の発想をふくらませることや探究活動の方向性を明確にすること、また、立場を越えた人との対話を楽しみ、自分自身のこれからのマイストーリーを創り出すことが目的であることを共有して、ポスター発表を4サイクル実施しました。
ポスターセッションは、20分間の持ち時間の中で、5分程度発表して、残り時間は質疑応答を通して交流する流れでしたが、回を重ねるごとに、発表&交流のバランスがよくなり、その結果として、お互いの今後の探究活動につながる対話となり、発表者の表情が生き生きしてきたことが印象的でした。
クロージングでは、この「探究ミニセミナー&交流会」のファシリテーターを務めてくださっている国際基督教大学の小松万姫先生より、「今日参加したみんなが楽しそうだったことに気づき、すごくうれしかった。『発表することによって学ぶ』ためにも、楽しいということが大切だと改めて感じた。また、学校に帰ったら、ここでの学びや今日楽しかったこと、感じたことを、ここに来れなかった友達や後輩たちに伝えてほしい。」とメッセージをいただき終了となりました。
終了後には、新しくできた友達とともに、「参加証明書」を手に、笑顔で写真を撮る姿や、来年の春か夏に開催されれば必ず参加します!と声をかけてくれる高校生がいました。また、引率の先生方からも、「生徒たちは多様な考えに触れることが出来たようで充実した表情をしています。また、昨年から引き続き参加している者もいて、関東の友達が出来たようで楽しそうでした。私自身は、教師の都合でフィルターや限界を作ってはいけないなと改めて考えさせられました。これからも生徒の可能性や明るい将来を支えられるよう頑張ります。素敵な時間を過ごした満足感で帰路に向かっています。」といった嬉しいメッセージをいただき、「共創に込めた想い」をしっかり受け取っていただけましたと実感するイベントとなりました。

当日のワークショップやポスターセッションの様子については、以下の高校生や参加者のお声をご覧ください。また、2024年第1号のニュースレターにて、詳細をご紹介いたします。 

以下、参加者から頂いた感想です。
<高校生の声>
・第1部のワークショップでは、普段話せない企業の方たちと話すことができた。そのおかげで高校生の目線だけでなく、企業に勤める人たちが、どのように学生と関わっていきたいのかも知れた。とてもよい経験になったし、とても楽しかった。
・第1部では高校生による教育研究に参加しました。同年代だけでなく、先生方と意見を交換することで、過程での学びを考えることができて良い探究活動をすることができました。
・取り組んできた探究の内容を深めるいい機会になった。都会と私たちの住んでいる地域では地域活性化の定義やイメージがかなり違うということがいい収穫だった。今後に生かしたい。
・学校では味わえない空間で、質問やアドバイスをもらえ、私の何倍もの経験と知識のある大人の情報とか経験を教えていただき、これからの探究がすごく楽しみになりました。
・いつも考えていた「探究って何だろう」という疑問や探究に対する考えも共有することができた。今まで探究に対して前向きに取り組めていなかったが、探究に対して疑問を持ち、行動できている事が探究だと考えを改めることができた。

<参加者の声>
・すごく楽しかったです。生徒たちの研究に対する熱意と深さを感じられました。そこに大人たちがさまざまな観点で率直な意見(助言ではなく)を出し、結果として生徒と大人との間に自然と対話が生じていたと感じました。(高校教員)
・本校からは高校生が数名参加したが、過去のイベントにも参加していたことから、このイベントの空間をホームのように捉えているように見えた。家庭、学校以外の空間を手に入れることができているのだとすれば、「探究」の成果としてはかなり最上位になるのではないかと感じている。(高校教員)
・発表してくれた生徒は緊張していたかもしれませんが、全員キラキラしてました。私は、その問いをクリアしたときにどんな理想を描いているのか、といったことを生徒から聞き出したいと思い質問させていただきました。高校生よりも大人の方が学びがいがある場だったと感じました。(指導主事等)
・第1部では学校って何をするところ?からスタートしたことに非常に驚きました。そのことを頭の中において、ワークショップが出来たことで、聞く姿勢が出来たように思います。高校生の未来に向かう発言や言葉に、非常に元気と勇気を頂けました。高校生が望む未来を大人が実現出来たらカッコいいなぁと、探究を支援する側のあり方も考えさせられました。(一般)

今後、3月に、「探究ミニセミナー&交流会」の最終回を開催いたします。詳細は、Webページにてご案内いたしますので随時ご確認ください。https://g-tanq.jp/miniseminar

【問い合わせ先】
東京学芸大学
先端教育人材育成推進機構・高校探究プロジェクト事務局
e-mail: g-tanq@ml.u-gakugei.ac.jp

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