アマチュア無線クラブが、月面反射通信実験の見学会を学内関係者向けに開催

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 東京学芸⼤学アマチュア無線クラブは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)アマチュア無線クラブと共同で、NICT本部(東京都小金井市貫井北町4-2-1)にある口径11mの電波望遠鏡を利活用した月面反射通信実験を続けています。
 これは、Wi-Fiや電子レンジ等と同じ周波数帯(2.4GHz)のアマチュア無線機から発射した電波を、月の表面(レゴリス)で反射させて、往復約77kmを光速で約2.5秒かけて地球に戻ってくる微弱な電波を受信するチャレンジです。送信された電波は、1兆分の1の、1兆分の1の、そのまた3千分の1に減衰して地球に戻ってくるため、受信には非常に高感度なアンテナを必要とします。
 本共同実験は、ICT人材育成への寄与を目的としているため、教員養成大学である東京学芸大学の関係者を対象とした見学会を、524日に開催しました。
 当日は、学芸ポータルのお知らせに応募した10名が午前9時に集合し、NICT本部北側敷地にある電波望遠鏡の制御室に入り、茨城県水戸市内のアマチュア無線局(コールサインJJ1NNJ)から月に向けて発射された電波を、月面経由で受信するデモを見学しました。見学者は、予め申告した自分のハンドルネームが、微かなモールス符号音として月から届く神秘的な実験に、見入っていました。

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実験の概要を見学者に説明する滝澤修客員教授(理科教員高度支援センター)

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無線機を操作する伊藤陽杜部員(B類音楽1年)  
     
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月から受信中のモールス符号を解読して示す石川幹大部員(A類理科4年)

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 同電波望遠鏡は老朽化のため、間もなく解体される予定になっています。東京学芸大学アマチュア無線クラブ員は、最後の日まで、難易度の高い月面反射通信を教材にして、専門家の指導を受けながら、高周波技術の習得を続けています。 
 この共同実験は、日本無線(株)アマチュア無線クラブ、アンリツ(株)A-SKILLsNTT武蔵野通研アマチュア無線クラブ、ほか多数の技術者の方々のご指導を受けて、実施しています。