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連続講演会<第九回>
多摩川流域の今と昔
〜上流域山林地域の水環境と涵養林保全〜

 「多摩川流域の今と昔〜上流域山林地域の水環境と涵養林保全」をテーマに、2名の講師による講演が行われました。

 講演1「河川絵図にみる江戸時代の多摩川」では、江戸時代の河川絵図の作成目的や、当事の多摩川流域での筏流しに関わる河川絵図、また、当時の文化人による絵図作成の経緯や、多摩川の名前の由来などが紹介されました。

 講演2「奥多摩町における森林のシカ被害現状と対策」では、東京都民の水と言われる小河内ダムを有する奥多摩町が現在抱えている問題として、少子高齢化と人口の減少、林業の衰退と鹿の食害について紹介されました。また、これらの問題から学んだことを活かした町おこしについても紹介されました。

 講演後には、質疑応答とフリーディスカッションが行われ、講師と本学学生との間で、学生や若者の参加や、受け入れ側での対応についてディスカッションされました。

【予告ページ】

講演記録
講演「河川絵図に見る江戸時代の多摩川」(pdf:1.33MB)
講演「奥多摩町における山林のシカ被害現状と対策」(pdf:1.29MB)
質疑応答・フリーディスカッション(pdf:1.32MB)

日時 2006年10月25日(水) 13:00〜17:00
[開演の30分前開場] 
会場 東京学芸大学 環境教育実践施設 1F 多目的教室
【アクセスマップ】
参加者 21名(一般 19名、学生 2名)
プログラム

■13:00〜
挨拶/多摩川エコモーションプログラム紹介
多摩川流域の俯瞰図データの紹介

■13:20〜
講演1:「河川絵図にみる江戸時代の多摩川

講師:小野寺 淳
(茨城大学教育学部・教授)

■15:00〜
講演2:「奥多摩町における森林のシカ被害現状と対策」

講師:河村 文夫
東京都奥多摩町 町長)

■16:30〜
質疑応答・フリーディスカッション

■17:00 終了

参加者の感想

・ 河川図の成立ちが様々な目的に従っていることがわかり、又、先人の遺産のすばらしさを実感させていただきました。

・ 自然保護の結果による鹿に被害増加・外国産材木輸入による山林の荒廃等、人災の後始末を現在大変な税を投入しているという事が、大変理解出来ました。唯、町自体の財政状況ではどうする事も出来ず、東京都に大部分を頼っている事に今後への課題があると考えられます。

・ 大変興味深かったです。私も、奥多摩に登りシカとシカの死体を見かけことがあります。ヒトを生態ピラミッドに組み込みシカを減らすころがとても素敵ですが、日本ではまだ銃の筒を痛めるという理由で鉛玉を使い、生態被害が出ているので気になります。良いシステムが確立されるといいです。

 
講師プロフィール
小野寺 淳 (おのでら あつし)
 1955年,東京都文京区生まれ。筑波大学大学院歴史・人類学研究科単位取得退学,文学博士。著書:『近世河川絵図の研究』古今書院,1991年。共編著:国絵図研究会編(編集委員)『国絵図の世界』柏書房,2005年など。院生時代に多摩川流域の河川絵図を調査した経験があり,多摩川の絵図2点を中心に,江戸時代の多摩川についてお話しいたします。
河村 文夫 (かわむら ふみお)

 平成9年1月より奥多摩町収入役。12年7月より同助役。
 平成16年5月24日より奥多摩町長。現在、東京都治山林道協会長、東京都市町村林野振興対策協議会長、東京都自然環境保全審議会委員も努め自然環境部門に精通。
 「生涯健康で自立してともに生きる奥多摩町」を実現するため「第4期奥多摩町長期総合計画」「人・森林(もり)・ふれあい三重奏〜森(しん)世紀(せいき)ふるさとづくり奥多摩〜」《おくたま森(しん)世紀(せいき)計画》をスタート。
 また、町制施行50周年を記念して、生涯健康で生きられるまちづくりの推進と新たな森林空間の利用を図るため、「奥多摩町型森林セラピー」の整備の検討をしている。
 今後、森林環境と林業の融和、そして担い手の育成確保を図りたい。

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