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連続講演会<第十三回>
地域誌とまちづくり
〜森まゆみさんと語る、環境・文化の地域づくり

 「地域誌とまちづくり」 〜森まゆみさんと語る、環境・文化の地域づくり〜をテーマに、東京国際大学教授で、作家でもある講師による講演が行われました。

 講演「地域誌とまちづくり」では、谷中・根津・千駄木での講師自身の地域誌づくりの取り組みや、都市の開発からまちの歴史や文化、建物などを守るために一市民として闘ってきた経緯について紹介されました。公の歴史や文化ではなく、市民の人々が地域の中で築いてきたものをいかに残してゆくか、また、現代の傾向としてバブルの時代に歴史的建造物を破壊し開発したのにも関わらず、建物の復元に力を入れている行政への矛盾について提言されました。

 座談会「環境・文化・まちづくり」では、講師と本学教員2名とで、地理学の研究を交えながら講師のこれまでの取り組みについて対話されました。谷根千が人を惹きつけるのはなぜか、地域の人々の多様性について、誰にとってのまちづくりであるかなどが話題になりました。最後に講師から、地域の人々が自分の住んでいる場所に誇りを持つことについての意義が示唆されました。

【予告ページ】

講演記録
講演「地域誌とまちづくり」(pdf:1.40MB)
座談会(pdf:1.42MB)

日時 2007年1月13日(土) 14:00〜17:00
[開演の30分前開場] 
会場 東京学芸大学 北講義棟(N棟) 4階410教室
[アクセスマップ]
参加者 72名(一般 53名、学生 18名、大学職員 1名)
プログラム

■14:00〜
開会・主催者あいさつ

■14:15〜
講演「地域誌とまちづくり」

講師:森 まゆみ
(東京国際大学 国際関係学部 教授、作家)

■15:45〜
座談会「環境・文化・まちづくり」

森 まゆみ
椿 真智子(東京学芸大学 地理学分野 助教授)
小川 潔(東京学芸大学 環境科学分野 助教授)

■17:00〜
終了

参加者の感想

・ 地域誌づくりについての体験を話していただき、普段勉強している概念的なコミュニティに関することだけでは分からない苦労、また、実際の活動についてお話を聴くことができ、大変勉強になりました。

・ 外部から地域の魅力を伝えることが地域のアイデンティティ作りに役立つことの構造のおもしろさを感じます。

・ 東京の街並みなんてたいしたことないと思っていたが、今日、森さんから谷根千地域の様子を教えてもらい驚いた。長屋や築地堀があったり、お寺が多かったりと“東京”のイメージからは大きく異なり新鮮だった。

・ 実践的なお話を多く聞ける点、行政との関わりなど様々な視点でお話を聞ける点がよかった。今後の勉強のため、NPOの話などいろいろと参考になりました。

 
講師プロフィール
森 まゆみ(もり まゆみ)
東京国際大学 国際関係学部 教授、作家
 1954年、東京都文京区動坂生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社で企画・編集の仕事にたずさわった後フリーとなり、1984年に地域雑誌「谷中・根津・千駄木」(通称「谷根千」)を友人とともに発行。同雑誌の編集を続けながら、地域研究、紀行、文学などに関する著作を発表する。
 著書に『「即興詩人」のイタリア』(講談社、第12回JTB紀行文学大賞)、『鴎外の坂』(新潮文庫、平成9年度芸術選奨文部大臣新人賞)「かしこ一葉」(筑摩書房)、「小さな雑誌で町づくり」(晶文社)など。
  サントリー地域文化賞、日本建築学会文化賞受賞。文化庁文化審議会委員。
椿 真智子(つばき まちこ)
東京学芸大学 地理学分野 助教授
 専門分野は文化地理学。研究テーマは「日本おける北米におけるフロンティア景観の成立と近代的表象」。近代以降のグローバリゼーションと人口流動に伴う都市とフロンティア、多民族社会の形成・変化について、日本とアメリカを対象に比較研究をすすめている。
 また景観・風景をキーワードに、写真や画像資料を用いた調査方法の検討ならび実践も行なっている。
 また、2005年には東京学芸大学オープンカレッジ「武蔵野の自然・歴史・文化」の講師もつとめている。
小川 潔(おがわ きよし)
東京学芸大学 環境科学分野 助教授
 専門分野は環境科学。「タンポポ類の種生物学および保全生物学」をテーマに、在来種、外来種およびそれらの雑種の生活史を明らかにする研究を行なっている。
 上野・谷中の公園づくり・まちづくりにも長年携っており、地元では「しのばず自然観察会」を主宰。学内のプロジェクト学習科目においても、上野・谷根千地域でのフィールドワーク授業を展開中である。2005年より、国分寺市廃棄物の減量及び再利用推進審議会委員(会長)も務めている。著書に「日本のタンポポとセイヨウタンポポ」(どうぶつ社)。
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