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連続講演会<第十四回>
多摩川の自然史
〜生物とそれを育む大地〜

 現代GP参加プロジェクト学習科目を担当する本学の自然科学系の教員4名が自然と生物に関する講演を行ないました。地域の市民のみなさん中心に約40名の参加を得ました。

 それぞれの研究分野に沿って、「多摩の災害」・「鳥類の繁殖」・「植物(シモバシラ)」・「多摩川の古代生態学」などのテーマが専門的見地からわかりやすく解説されました。講演1「多摩の自然と災害〜自然との共存をはかる」 においては、多摩地域の災害の基本的パターンについて解説がなされました。講演2「動物の繁殖戦略」では、鳥類の繁殖とオスとメスの役割、子育てについて解説されました。講演3「植物雑学」 では、シモバシラに関する緻密な探究実態について研究報告がなされました。講演4「100万年ほど前の東京の自然と生態系」では、多摩川の古代生態学の様相に加え、学芸大学の内の生態系についても解説がなされました。

 科学的な生態学の知識を、地域の方々および学生にわかりやすくコンパクトに提供する機会となり、参加者からは “大変おもしろく有益だった”、“もっと多くの人に聴かせたかった”、などの感想が寄せられていました。

【予告ページ】

講演記録
講演「多摩の自然と災害−自然との共存をはかる−」(pdf:1.28MB)
講演「動物の繁殖戦略」(pdf:1.32MB)
講演「植物雑学」(pdf:1.30MB)
講演「100万年ほど前の東京の自然と生態系」(pdf:1.30MB)

日時 2007年1月31日(水) 14:30〜17:30 (17:30〜18:30 交流会)
会場 東京学芸大学 環境教育実践施設 1F 多目的教室
参加者 39名 (一般 30名、学生 8名、大学職員 1名)
プログラム

■14:30〜
開会・主催者あいさつ
松川 正樹
(東京学芸大学 環境科学分野 教授)

■14:45〜
講演1「多摩の自然と災害〜自然との共存をはかる」

講師:高橋 修
(東京学芸大学 宇宙地球科学分野 助教授)

講演2「動物の繁殖戦略」
講師:狩野 賢司
(東京学芸大学 生命科学分野 助教授)

講演3「植物雑学」
講師:犀川 政稔
(東京学芸大学 環境科学分野 教授)

講演4「100万年ほど前の東京の自然と生態系」
講師:松川 正樹
(東京学芸大学 環境科学分野 教授)

■17:30 終了

★ 17:30〜18:30 交流会

参加者の感想

・ 久々に大学での講演会を開くことができましたが、昔の講義とはちがい映像もあり大変わかりやすくお話を頂くとっても参考になりました。自然と災害も忘れることの出来ないもので考えさせられました。

・ 多摩川で色々な野鳥をみてきましたが、子育てのことについては初めて知らされました。これから又、別の見方もしてきたいと思いました。

・ 大変興味深かった。この後も研究を進めていただき、その成果もお聞きしたい。

・  100万年〜300万年前の東京での化石の調査から深海の変化、諸動物の変化の話は実に面白かった。参加者が一部の人たちだけでは、もったいないと感じた。

全体のまとめ
(今後の活動に向けて)

 これまで外部から研究者や地域づくりの実践者をお招きしての講演会を行なってきましたが、今回始めて学芸大の教員のみによる講演会でした。その結果、参加した地域の方々より高度な内容をわかりやすく提示してもらい大変役立ったとの感想をいただき、地域貢献に一定の成果を上げることができたのではと感じました。いっぽう、この内容をより広く一般に聞かせたかったとの感想もいただき、今後は地域への広報および学内での広報をより一層充実させていくことの必要性を感じました。

 
講師プロフィール
高橋 修(たかはし おさむ)
東京学芸大学 宇宙科学分野 助教授
 専門分野は地質古生物学で、放散虫化石およびそれを用いた日本列島付加体の造構層序を研究しています。近年は、現生放散虫のDNA解析を試み、化石と分子の双方の情報から放散虫や真核生物全体の進化を明らかにしようと研究に取り組んでいます。また、野外学習等を通して、自然災害から身を守るための科学的素養(リテラシー)を育成する実践研究も行っています。
狩野 賢司(かりの けんじ)
東京学芸大学 生命科学分野 助教授

学歴・職歴
1994: 学位・博士(農学)取得(九州大学大学院)
1995〜1997:  琉球大学熱帯生物圏研究センター中核的研究機関研究員
1997〜2000: 東京学芸大学教育学部講師
2000〜現在: 東京学芸大学教育学部助教授

主な研究分野
 動物の繁殖生態、とくに雌の配偶者選択を中心とした性淘汰に関する研究。その他に、雄の代替繁殖戦略・戦術、親による子の保護、性転換に関する研究など。近年は、雌の配偶者選択とそれに対する雄の騙し戦術、及び親による適応的な子の性比調節などがメインの研究テーマ。

犀川 政稔(さいかわ まさとし)
東京学芸大学 環境科学分野 教授

 大学に就任以来野外実習を担当してきました。肉食菌類が専門ですが、最近実習の資料が蓄積し高等植物の論文も書くようになりました。今回はその一部を「植物雑学」として話題提供したいと思います。去年、今年と学芸大学の紀要に以下のような植物に関する論文を書きました。タイトルは、「桜.その歴史と教科書での扱われ方」と、「シモバシラによる霜柱形成におけるいくつかの新知見」です。

松川 正樹(まつかわ まさき)
東京学芸大学 環境科学分野 教授
 化石と地層を基に,失われた過去を復元している.陸上の生態系の中に生息できる動物の個体数や動物種の出現,繁栄,絶滅の道筋を考察している.
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