司書研修の報告

司書研修の報告
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2021/03/11

「読めるのに読まないイマドキの若者たち」について考える学習会

Tweet ThisSend to Facebook | by 村上
令和2年2月27日(土) 上記の学習会をオンラインで開催しました。

 対談形式で行ったこの日の学習会は、自由の森学園司書 大江輝行氏と、埼玉県立浦和第一女子高等学校司書 木下通子氏をお招きし、オブザーバーして慶應義塾大学非常勤講師 汐﨑順子氏にもご参加いただきました。
 
 3時間に及ぶ学習会でしたが、参加した方の誰もが、長さを感じることなく、充実した時間を過ごすことができ、多くのヒントを得たと感想を寄せてくださいました。

 報告をこの場に載せようと思ったのですが、あまりに長文になってしまうため、PDFファイルの形で、アップしました。ダウンロードして、じっくりお読みください。

  写真 自由の森学園図書館 シンボルのコウノトリ

              
読めるのに読まないイマト゛キの若者たち 学習会報告.pdf

 (尚、こちらの報告に関しては、著作権は発言者、およびこの会の主催者にあります。公的な研修等で配布されるときは、当サイトにご一報いただければ幸いです。)
  
 企画した側としては、「読めるのに読まない」という言葉ではくくれない実態をあらためて知ることになり、また、何をもって「読書」とするのかについても、多くの気づきを得た学習会となりました。講師を務めてくださった3人の皆様にあらためて感謝したいと思います。

 当日寄せられた質問で、答えきれなかったものを、当サイトに掲載しますとお伝えしましたので、すでにいただいた木下さんからの回答を以下に載せます。大江さんからの回答は、大江さんにお時間ができるまでいましばらくお待ちください。

 写真 埼玉県立浦和第一女子高等学校図書館 3年かけてつくってきた多読コーナー

 

  【木下さんからの回答】 続きを読むをクリックしてください。


15:20 | 投票する | 投票数(3) | コメント(0)
2020/08/31

No.10 令和2年度 みんなで学ぼう!学校司書講座 2020 オンライン研修

Tweet ThisSend to Facebook | by 松岡(主担)
 東京学芸大学の学校図書館運営専門委員会司書部会では毎年夏に研修を行ってきたが、例年と同様に実施することは難しいと考え、今年度は2020年8月1日に初めてオンラインでの研修「みんなで学ぼう!学校司書講座2020オンライン研修」を実施した。

 附属各校は3月から休校となり、再開するまでの間は司書部会も手探りの中オンラインでの会議を行い、
それぞれの学校の様子を共有したり、休校期間中にできることはないかと情報交換をしたりして活動を模索していた。その中で(株)カーリルが無償で提供している学校図書館支援プログラム「COVID-19:学校向け蔵書検索サービス」を知り、各校も順次この支援グラムを受けることでそれぞれの学校図書館に合った形でサービスの提供を行ってきた。

 自校の取り組みでこのサービスから気づいたことやさらに深めて知りたいこと、検索についての現状についてなど司書部会の中でも関心が高まったことを受け、カーリル代表の吉本龍司氏を講師に迎えてオンライン研修を開催する運びとなった。
 オンラインでの開催ということもあり、全国各地から参加申し込みがあり、当日も99名の参加があった。
















 研修は講師の吉本氏と本学附属世田谷中学校司書の村上との対話形式で行われた。吉本氏は「この研修で
どんなOPACをつくるかを参加している全員で話し合い、みんなで考えていきたい」ということを大きなテーマに、カーリルの「COVID-19:学校向け蔵書検索サービス」を開始した経緯をお話しされた。

 また、これからこのサービスを利用したい人に向けて具体的なサービスの提供方法や、実際に検索や予約連携の方法も紹介してくださった。このサービスを利用しているケースとして本学附属の国際中等教育学校のデモ画面を提示しながら、連携することで広がる可能性についてご提示いただいた。国際中等教育学校での利用の様子は司書の渡辺より報告があった。
  ●7月から使い始めて、生徒からは大好評。
 ●教室からスマホで探せる、予約できる。
 ●国際中等は多言語資料をもっているので、言語ごとの検索ができ、検索が難しくても一覧で探せるのがとても便利。
 ●Googleフォームでレファレンスも受け付けることで丁寧なサービスが可能になった。
 ●学校という場にいるので、最初の検索結果は自校のみのほうが使いやすいかもしれない(電子書籍は最後でよい)。
 休校で学校へ行けない、図書館に来館できない、という状況下においてカーリルの蔵書検索サービスは自宅のPCやスマホから検索や予約ができるという使いやすさや、青空文庫の検索と連携することで探している本を電子書籍で読むことができる、という利便性も多くあるサービスだということが分かった。

 吉本氏は「今回をきっかけにカーリルが今までアクセスできなかったオフラインの学校図書館にアクセスできるようになった。逆にアクセスできなかった部分に取り組んでみると一番自由にサービス設計ができることに気づいた。」とお話しされていた。
 既存のサービスと今回の新たな取り組みによってさらなる可能性を見出し、動き出している現状を様々な角度から伺うことができた。

10:12 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0)
2020/01/30

No.9 令和元年度 東京学芸大学公開講座

Tweet ThisSend to Facebook | by 井谷(主担)
学校司書応用講座ver.9 授業に活かす学校図書館
□2019年11月30日(土)10:00~16:00
□東京学芸大学附属小金井中学校図書館

【3-A 学校教育概論 教育方法論 

● 教育学講座「情報教育最前線を聞く:ICTを活用した学びがめざすもの」

 

 講師 東京学芸大学教授 森本康彦先生


 
 










 午前中は、情報教育の第一人者でいらっしゃる東京学芸大学教授森本先生から、貴重なお話を伺った。

私たちは、教育が大きく変わる転換点に立っている。ICTの活用についても、単純な技術の習得などではなく、そもそも教育とは何か、学校で教えること、育てる能力、育てたい人材に対するイメージが変わってきていることをまずとらえる必要がある。ICT技術は、上手に活用できれば、その新しい教育を実現する上で便利に使えるツールにすぎない。

したがって、ICT技術をわざわざ活用しなくても、十分良い授業は行えるし、すでに行われてきてもいる。児童、生徒の学びよりも技術の利用に焦点をあてたような、「ICT技術を活用するための授業」をするのでは本末転倒である。

新しい教育が目指すものは、新学習指導要領に「主体的・対話的で深い学び」という言葉で表現されている。教師が教え込もうとする知識を無理やり暗記するのではなく、学習者が「学びたい」という意欲のもとに自ら考え(主体的)、見通しをもって粘り強く取り組むことで気づきを得て、自分の言葉で説明ができるようになっていくことである。また、「正解」をただ頭に詰め込むのではなく、トライアンドエラーを繰り返しながら、議論を通して(対話的)「納得解」を共同して探っていくことである(ちなみに、プログラミング教育の焦点は、プログラミング技術ではなく、この、トライアンドエラーを繰り返すプロセスを通して「やり方」を学ぶことにあたっている)。教師は指導者ではなくファシリテーターである必要があるし、図書館は、このような学びを支える基盤となる施設である必要がある。

なお、このような「主体的で対話的」な学びのためには、メタ認知(気づき)を導くために、プロセスを記録、保存し、振り返ることが必須である。e-portfolioは、そのためのツールであり、学びのプロセスを電子媒体に記録していくことで結果的にできあがるもので、特に形式はない。これについても、球児がつけている野球ノートに代表されるように、すでに紙媒体で「ポートフォリオ」と呼べるものは多数存在するので、必ずしも電子媒体である必要性はないが、電子媒体には、検索性の向上と、動画等のビジュアルな素材の保存のしやすさ、というメリットがあるので、より良い学びにつながる可能性がある。

ところで、このような新しい学びのなかで、「一人一人をどう評価するのか」という問題が浮かび上がってきた。「評価」という言葉についても、優劣をつける(evaluation)という発想から、その児童、生徒にそった足場かけのための判定をする(assessment)という意識への転換が必要であろう。

 

e-portfolio、プログラミング教育、そしてICT技術の活用を話題にしながらも、表面的にその紹介と取り入れ方などのノウハウを解説するのではなく、より深く、その活用の背景に迫り、教育そのものについて本質的なことを追求する、大変濃い内容だった。それだけに、難しい内容でもあったが、具体例を示しながらの巧みな話術に引き込まれ、2時間半があっという間だった。「図書館にとっては、ある意味でのチャンスがきているのではないか」というお言葉が印象に残ったが、図書館の存在価値は、教育のありかたに大きく左右されるものだと改めて感じるとともに、その真価を発揮できるようにするためには、私自身の「学び」についての意識改革もまだまだ進めなければいけないのだと実感した。

(文責:東京学芸大学附属大泉小学校司書 富澤佳恵子)




11:45 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0)
2019/08/05

No.8 みんなで学ぼう! 学校司書講座 2019

Tweet ThisSend to Facebook | by 岡田(主担)
   令和元年度 東京学芸大学学校図書館運営専門委員会 司書部会
        「学校司書講座」


□令和元年7月29日(月)•7月30日(火) 10時〜16時
□東京学芸大学附属世田谷小学校集会室
□プログラム 2019年度学校司書研修プログラム.docx

令和元年729日(月)第1講 (参加者  23名)
【2-B 図書館情報資源概論 子どもの本・メディア論】

□レジメ みんなで学ぼう!学校司書講座2019(配布資料)DB.ppt

電子書籍と電子図書館

         ~これからの学校図書館を考えるために~

講師:専修大学教授 野口武悟先生

学校図書館も、ICTを活用できる環境づくりが必須の時代になりつつある。その中でも、特に今、注目されている「電子書籍」について、その可能性と課題、電子図書館との関係、及び、学校図書館が今後目指すべき方向性まで、具体的な事例を交えつつお話いただいた。

   すでに広く普及している電子辞書は、「電子書籍」という言葉が生まれる前の1970年代に登場した、「専用端末(内蔵)型」の電子書籍といえる。また、マルチメディアDAISYのような、通常のパソコンでCDCDROMのデータを再生する「パッケージ型」の電子書籍は、これまでも学校図書館は資料として扱ってきた。しかし、最近の主流であり、特にこれから考えるべきは、インターネットを介して利用する「クラウド型」の電子書籍である。これは、「電子書籍サービス」または「電子図書館サービス」という名で大学図書館や公共図書館での導入、サービス提供が急速に進んでいる。しかし、学校図書館での導入は、まだ緒についたばかりである。導入実績があるのは、LibrariERakuten OverdriveSchool e-Library3種のみである(詳細は資料参照)。

   電子書籍には、①中・高校生の読書のきっかけづくりや、②紙の本での読書に困難のある人の読書機会拡大の可能性がある。①については、不読とされる層に、電子書籍ならば読んでいる中高生もおり、紙の本の読書のきっかけになる可能性がある。②については、20196月施行の「読書バリアフリー法」により、整備が進む方向が明確になりつつある。

 一方、課題もまた山積みである。子どもの視力の低下などへの影響が懸念されることに加え、学校向けのコンテンツ(作品)が充実しているとは言い難いことなどが挙げられる。

 加えて、「クラウド型」の場合、物としての実体がないその特性上、予算執行、館内での取り扱い、専門的知識・技能の習得といった面で、今後、新たな対応が必要である。また、「学校図書館」のイメージが、未だ紙の本を提供する場所との認識に留まっていることも課題である。校務分掌上、コンピュータ室等を管理する「情報」分野と学校図書館が切り離して考えられる傾向も強い。両者が統合されぬまま「電子書籍については情報分野で対応」となれば、学校図書館はますますICTから取り残されてしまう恐れがある。

 従来の図書館機能を、電子メディアによって、とりわけネットワークを介して提供しようとするのが「電子図書館」である(資料参照)が、日本で、図書館機能の全てが電子的に提供されるようになる可能性は当面低そうだ。紙か電子かの議論になりがちだが、そうではなく、今後目指すべきは、紙とデジタルの両方の資料を提供できる「ハイブリッド型」の学校図書館である。

 講義を通し、「電子書籍」について、現状と可能性、そして課題が整理されただけでなく、学校図書館そのものがもつ課題と、その「情報センター」としての役割も改めて確認することができた。

(文責  東京学芸大学付属大泉小学校  富澤 佳恵子)

 


10:04 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0)
2019/07/31

No.7 令和元年度東京学芸大学公開講座

Tweet ThisSend to Facebook | by 井谷(主担)
「学校図書館入門講座Ver.10;使える学校図書館を作ろう」

□ 令和元年629日(土)10時~16時     

□ 東京学芸大学附属大泉小学校 ランチルーム&マルチメディア室
           (参加者 38名,帝京大学サポーター&司書12名)

□ プログラム

2019.6.29学校司書入門講座プログラム.doc
□レジメ
学校司書配布資料(改訂分).pdf

●初めのことば   東京学芸大学 前田稔准教授

この入門講座も、今年で10年目となった。学校司書の方にとって、学芸大学の教員による最先端の教育学を学べる貴重な場と思う。今日も有意義な一日にしていただきたい。

 

 3-A 学校教育概論  5-A 学校図書館連携・協働論 小学校編

●学校司書のための教育学入門

   「学校図書館と子どもの学びとのつながり」

 

 講師 東京学芸大学講師 大村龍太郎先生


 午前中は、福岡で18
年間小学校の教員をされていた大村先生より、学校図書館と子どもの学びとのつながりを、各教科の特質を踏まえて具体的に伺った。

 教員は常に授業で使えるネタ()はないかと探しており、子どもがその素材に興味関心を示すと、深い学びにつながる。そのため、学校図書館は子どもにとっても教師にとっても「素材」の宝庫である。図書館の本に詳しい司書が授業に貢献するための可能性を、来年度からの学習指導要領に即した実践事例を基に提示していただいた。


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