今月の学校図書館


2014/04/11

埼玉県立新座高等学校図書館訪問記

Tweet ThisSend to Facebook | by 村上
   新座高校は、1973年に創立された、生徒数553名(H24.4月現在)の全日制普通科高校です。司書の宮崎健太郎氏は、「みんなで使おう!学校図書館 Vol.1」の報告会での実践発表、データベースへの事例提供、そして資料エトセトラのコーナーに「教職員向け図書館利用の手引き」もアップしていただき、日ごろから大変お世話になっています。今回、初めて勤務校の図書館を見学させていただきました。写真を織り交ぜながら、専門性の高いその仕事ぶりの一端をお伝えできたらと思います。



その1 マイナスをプラスに転ずる発想法!

みはらし図書館へようこそ
   管理棟から生徒棟へ通じる3階の渡り廊下の途中で立ち止まり、宮崎さんが、指さしました。「向こうに見えるのがこれから行く生徒棟で、最上階(5階)が図書館で、その下の1階~3階が生徒の教室です。」ということは、管理棟2階にある教員室からは、はるかに離れた場所に位置する図書館。(きっと、開校当時、図書館は静かな場所がいいと考えての設計だったのでしょう。)そして生徒棟にあるとはいえ、1階に入る学年から見たら、図書館は遠い存在。でも、最上階からのみはらしは最高!そこで、命名したのが「みはらし図書館」。晴れた日には富士山が、冬至の前後にはダイヤモンド富士も見ることができるそうです。とはいうものの、5階は遠い。そこで図書館の随所には、生徒の目線で楽しいコーナーが工夫されています。
 右下の畳のあるスペースは、新座高生のお気に入りの場所のひとつだそうです。このスペースの周りには、コミックやケータイ小説など、身近な読み物が並んでいるので、気分転換には持ってこいです















その2 「授業を積極的に支援する図書館」にシフト

 赴任当時は、授業利用がそれほど多くなかったそうです。そこで戦略的に動きました。まずは、授業で図書館を使ってもいいんだ、と先生方に思ってもらえるよう、図書館からの働きかけを始めていきました。ぜひ、「教職員向け利用の手引き」をご覧ください。このマニュアルは、年度初めの職員会議で必ず配布します。また新しく着任した先生向けにオリエンテーションを実施します。その時に役立つのが、この日見せてくださったポートフォリオです。これは、図書館を活用して行われた授業について、その打ち合わせの段階のメモにはじまり、用意した資料、ワークシートはもちろん、具体的な授業の様子が伝わる資料をファイルしたものです。このようなファイルは、翌年度司書にも役立つものですが、新任の先生はもちろん、異動してきた先生方先生に見せることで、学校図書館の司書がどのような支援をしてくれるか、そして生徒がどのような学びを展開していくのかが、とてもよくわかります。初めての生徒に向かい合う新任の先生にとっては、図書館が強い味方となり、司書の宮崎さんを頼りにするようになるのも当然…という気がしました。 

 

      新座高校は「学力向上推進校」の指定をうけ、平成20年に「授業改善プロジェクトチーム」を組織しました。司書である宮崎さんもその一員となっています。コミュニケーションを重視する授業のひとつの方法として、図書館を活用して、調べて、発表する授業に先生方も関心を持ち始めています。しかし、教科の専門家である先生方は、図書館を使った授業の経験は少ない。そこで①授業利用の相談に丁寧に応じる。②授業で図書館を使う目的を共有する。③生徒の調査をシュミレーションする。という対応をとっているとのこと。 生徒の取り組みは予想以上で先生たちも手ごたえを十分感じており、学年末のまとめや3年生の選択授業などを中心に利用が定着しているそうです。




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