学長室だより

授業開始!

 緊急事態宣言が延長され、大学閉鎖を続ける中、本学では、5月7日より、遠隔での授業を開始しました。これは、実際に授業に出て選ぶという期間をもてない中で、履修登録を締め切り、授業をいきなりスタートさせたというもので、緊急事態宣言を受けて、急遽大学を閉鎖せざるを得なかったことと、これ以上授業開始をずらすことは、年間の授業暦上できなかったからです。
そうした中で、われわれがもっとも心配したのは、実際に授業に出て選ぶという期間がないままに履修登録を、全員が、しかも、遠隔でできるだろうかということでした。というのは、遠隔ということに慣れていないだろうし、また、授業の中には、履修制限などがあって、履修者の確定が対面でないと難しいと思われるものもあり、特に、1年生は、そもそも高校までと全く違う"履修登録"なる手続きを、よく理解できるだろうかなどと思ったからでした。
結果として、5000人を越える本学学生のうち、ほとんどすべての学生が履修登録を完了してくれました。内訳をみると、1、2年生は、全員が履修登録してくれました。情報不足のなか、よくやってくれたと思います。特に、1年生は、履修登録の仕方を相談する友だちも、聞くべき先輩もない中でほんとによくやってくれたと思います。きっと一生懸命に理解に努め、やってくれたんだと思います。こうした生真面目さがうちの学生の気質なのだとあらためて感じ入りました。
また、本学教職員たちも、こうした学生たちによく寄り添ってくれたと思います。一般教育科目、語学や体育実技などでは、履修制限などもあり、複雑となりがちな履修者確定を、担当の教員がネット上でやれるよう工夫をしてくれました。また、新入生ひとりひとりに、メールや電話を使って丁寧な履修指導をしてくれた教室もありました。
学務系の職員は、4月当初から電話での履修相談にのり、履修登録の締切の迫った5月5日と6日は休日ですが、締切間近ということで学生からの最後の、緊急の相談もあるだろうということで、出勤体制をとり、電話での履修相談を受けました。やはり、相当のニーズがあり、両日とも100件近くの相談が寄せられました。また、過年度の学生(留年生)は、大学との関係が切れがちなので、特別に注意を払い、履修に関わって大学から送っている連絡メッセージ(学芸ポータル)を読んでいるかどうかチェックし(学芸ポータルはメッセージを開封したかどうかが確認できます)、開けていないことが判明した学生には、すべて電話連絡を試み、履修登録を促すという作業をしてくれました。そうした結果、連絡がつかなかった学生はごくごく僅かで、ほとんどすべての学生と電話で話をすることができました。これは、上にも記したように、過年度の学生とは、大学との関係が切れがちなことを思うと、とても大事な仕事であったと思います。
遠隔授業は今のところオンデマンド型が主となっていますが、これから双方向型も本格的に始まります。こうした状況が学生の学修に不利に働くことのないよう気をつけたいと思います。また、今後は、生活支援の必要な学生も増えていくことが予想されます。こうした問題に対しても、必要な対策を、時期を逸することなくとっていきたいと思います。