学長室だより

ワクチン接種の今...。

「新型コロナウィルス感染症の予防のためにワクチンを打ちましょう」という政府広報をテレビでみました。この状況で、こういう広報というのはどういうものかと思いました。というのは、打ちたくとも打てない人が、まだまだいるからです。

大学は接種をすすめる「拠点」となりましたが、6月末にはワクチンが足りなくなって申請受付が休止となりました。政府が、接種が進んでいるところに傾斜をつけて余計に配分するようなことを言っていた直後だったと思います。

本学は、近隣の大学に声をかけていただき、主に教育実習を行う学生を対象として、8月末に接種を行う予定でしたが、やはりワクチン供給が間に合わないとのことで、予定していた日の前の週末に急遽中止となりました。

また、8月末の渋谷の接種会場での混乱は記憶に新しいところで、用意していたワクチン数が300本というのにはなんとも驚かされますが、炎天下、並んだ(そして、挙句に打つことのできなかった)若者がなんとも気の毒です。

今週初めテレビで、東京のある区では、10月以降ワクチン供給の見込みがないので、ワクチン接種を中止することにしたというニュースを見ました。地域住民がいるのに、自治体がそれでいいのかとも思いますが、一方では、ワクチンが余っている自治体もあると聞きます。なぜ自治体間でかくも事情が異なるのか、余っているところと足りないところの調整を行えばいいように思いますが、そんなことは行われないのでしょうか?

教育評論家の尾木さんが、少し前になりますが、若者はワクチンを打ちたくも打てないのだと言っていましたが、まだそうした状況だと思います。大学は、いうまでもなく多くの若者の集うところです。みな行動制限ない学生生活をおくりたいと思っています。そのためにワクチンを役立てようと考える学生も沢山います。緊急事態宣言は9月末まで延長され、ワクチンの接種状況によって、緊急事態宣言や蔓延防止措置の地域での行動制限や酒類の提供制限などを緩める等の変更も予定されているようですが、議論の前提となる条件をちゃんと担保してほしいと思います。学生がワクチンを打つか打たないかを選べるような状況に一刻も早くしてほしいと思います。