学長室だより

2021年の年末にあたって

ちょっと古い話で恐縮ですが、11月8日の教育新聞に、"高校生のなりたい職業で「教員」が男子1位、女子では2年連続2位"という見出しの記事が載っていました。これは、通信アプリ大手のLINE社が「LINE」を使ってアンケートをとったものだそうで、高校1年から3年の男子517人、女子527人が回答したそうです。回答人数が限られており、また、答えたのはこうした調査に積極的な学生という点でバイアスがかかっているとは思いますが、しかし、何にしても1位は1位。まことにうれしく思います。

それよりは少し後ですが、本学教職特待生との懇談会がありました。本学独自の制度である教職特待生(経済的に厳しい中で教員になることを強く希望する学生を支援する制度)のことやこの懇談会のことは昨年の学長室だより(2020年12月17日)にも書いたところです。

今年の懇談の中で、「教師という仕事がブラックと言われていることは知っていたと思うけど、それは、君たちの大学選択には影響しなかったか?」と尋ねたところ、ほとんどの学生が、「知ってはいたが、入学してから教育実習の際に自分で見たり、現職の先生の話をなどから判断してみたいと思っていた」というような答えをしてくれました。情報を鵜呑みにするのではなく、自分自身で判断したいと考えていることは、たいへん頼もしく感じました。

これまでこの学長室だよりにも書いてきましたように、教師の仕事が負担過重となっていることは事実です。が、教師という職業のブラック・イメージが広がっているなかで、こうした高校生や学生の反応には、大いに励まされます。教育者の養成はやりがいのある仕事です。昨年も年末に記したことですが、そうした仕事に携わることができて幸せだと思います。来年もこの仕事に力を尽くしたいと思います。

今年もお世話になりました。来年も引き続きよろしくお願いします。