「チーム学校」時代の教員・教育支援職の養成・研修のための講義支援

チーム学校時代の教育支援職養成

倉持伸江(東京学芸大学)

〇基本的な考え方
チーム学校時代の教育支援職養成は、それぞれの専攻・コース等の特色に応じた専門的な学びとともに、教育支援人材としての基礎理論と教育支援の専門知識、ならびにチームアプローチ力・協働力・ネットワーク力などの習得を目指せるよう、カリキュラムを組み立てる必要がある。

〇カリキュラム
 教育支援職の養成においては、一定の学問領域や目指す職に基づく「専門的な学び」、教育支援職・人材として必要な「教育支援の学び」のそれぞれについて、基礎的・発展的な知識の獲得と実践的な資質・能力の育成をはかれるような、体系的なカリキュラムを作成していく必要がある。
 「専門的な学び」の授業においては、専門的な学問領域の学習をすすめつつも、その専門領域からとらえられる教育支援の意義や可能性、他の領域・職との連携・協働のあり方などについて理論・実践の両面から取り上げるのが望ましい。
 「教育支援の学び」の授業においては、基礎的な知識の獲得を着実にすすめつつも、チームアプローチ力を育成するために、授業方法を工夫する必要がある。また様々な教育現場をフィールドにして高度な実践力を身につけるために、実習やフィールド系科目、具体的な教育課題にチームで能動的に取り組み、解決に向けて考えを深め、活動することを通して学ぶ科目を設置するなどの必要がある。

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〇方法
 変革期にある教育現場のさまざまなニーズに応え、理論と実践を架橋し、教育課題を解決する高度な専門性を育成するために、次のような意欲的・能動的に学習できる方法を積極的に取り入れるのが効果的である。
・教育支援職によるゲスト講義
・見学・体験
・調査
・グループディスカッション
・シミュレーション
・事例研究
・アクティブラーニング
・プロジェクト型学習(PBL)
・サービスラーニング

 なお、グループ活動などの際には、同質的な学生だけでグループを組むのではなく、専門領域、年齢や学年、ジェンダー、地域など異なる学生同士で構成したり、教育支援職を目指す学生と教員を目指す学生の混合グループにするなどすると、チームアプローチの困難さと意義を体験を通して学ぶことができるようにするとより高い学習効果が見込める。

〇内容(教育支援の学び)
・教育支援協働とチームアプローチ
・地域学校協働活動とコミュニティ・スクール
・さまざまな教育支援職の役割
・地域・コミュニティ形成と学校・教育支援
・現代における子ども・若者の現状と課題
・学校・家庭・地域の連携など