「チーム学校」時代の教員・教育支援職の養成・研修のための講義支援

教員・教育支援職養成のカリキュラム①教育課程の考え方

鈴木聡(東京学芸大学)
松尾直博(東京学芸大学)

教育支援人材を育成する教育課程

1.はじめに

 教師とは違う立場から、教育という営みに積極的に関わる人材、教育のために多職種で協働できる人材が強く求められる時代になってきている。そうした中、いくつかの大学では、教育支援・教育協働人材(以降、基本的には教育支援人材と表記)を育成する課程を新設している。このような先行する大学の教育課程(カリキュラム)を検討し、その特徴を考える共に、どのような課題があるかも検討していきたい。加えて、教育支援人材が活躍するためには、教師のあり方も極めて重要になる。したがって、「チーム学校」時代の教員養成についても考えていきたい。

2.カリキュラム・ポリシーの例

 近年、大学はそれぞれのポリシーを策定し、公開している。多くは、「ディプロマ・ポリシー」「カリキュラム・ポリシー」「アドミッション・ポリシー」という形でまとめられている。ここでは、東京学芸大学、愛知教育大学、大阪教育大学の教育支援人材を育成する教育課程に関するカリキュラム・ポリシーを例として示す。

(1)東京学芸大学

https://www.u-gakugei.ac.jp/01gaiyo/policy/cpolicy.html

東京学芸大学 教育支援課程カリキュラム・ポリシー

教育支援課程(E類)のカリキュラム・ポリシー

 本課程は、教育の基礎理論と教育支援の専門知識、ならびに協働力・ネットワーク力・マネジメント力を習得することを通じて、学校現場と協働して様々な現代的教育課題の解決を支援できる有為な教育支援人材の養成を目的とする課程であることから、以下のような特色を持ったカリキュラム構成となっています。

なお、学修の成果の評価にあたっては、客観性、厳格性を確保するため、学生に対し評価基準をあらかじめ明示し、その基準に従って適切に行っています。

1.課程共通科目を設け、7コースが一体化したカリキュラム構成になっています。

2.コースの特性に応じて、グローバル化や情報化の進展、心の教育の必要性、表現やコミュニケーションの重要性などを踏まえ、学校現場と協働して様々な現代的教育課題の解決を支援できる人材を養成するカリキュラムであり、「卒業研究」をその集大成として位置づけています。

3.選択により、中学校教諭一種免許状及び高等学校教諭一種免許状取得が可能なカリキュラムとなっています。(ただし、指定されたコースに限ります。)

4.コースごとに初年次向け専門基礎科目(入門セミナー)を設けるなど、新入生の大学における学修への導入を円滑・効果的に進めるためのカリキュラム。

(2)愛知教育大学

https://www.aichi-edu.ac.jp/intro/outline/policy.html

■教育学部(教員養成課程,教育支援専門職養成課程)

教育課程の編成及び実施に関する方針【カリキュラム・ポリシー】

愛知教育大学は,広域の拠点的役割をはたす教育大学として,人間理解と真理探究に努め,教育が直面する現代的課題への対応力を有し,子どもたちの未来を拓くことができる豊かな人間性と確かな実践力を身につけた専門職業人の養成を使命としています。

この使命を達成し,ディプロマ・ポリシーに基づいた学生を育成するために,以下の科目等で教育課程を編成・実施します。

◎大学での学びの入り口として,深い教養を身に付ける必要感や目指す教師及び専門職の価値を認識し,主体的な問題発見及び問題解決能力を育成するための基礎教養教育科目

・多様な学修歴をもつ入学者に対応できるように,大学生活や社会に出る準備段階としての学修意欲を高め,学習規律を身に付ける【初年次演習】を設定します。

・学校現場で求められている「課題を発見する力」「情報を読み取る力」「複眼的に物事をとらえる力」「他者と協働する力」「解決に導く力」等の主体的な問題発見及び問題解決能力や能動的な学修活動能力を育成する【課題探究科目】を設定します。

◎教師及び教育を支える専門職等に必要な資質・能力の基礎を育成するための教師教養科目

・教師教養科目として,特別支援教育,外国人児童生徒支援教育,危機管理等に関する【現代的教育課題対応科目】を設定します。

・子どもの生活実態を知ったり,子どもとのコミュニケーション能力を養ったり,感性を磨くなど,教員等としての実践力を高めることを目的に,附属学校や国内外の連携協力校,地域社会等の協力を得て実施する【実践力育成科目】を設定します。

◎各課程において教職または教育支援専門職としてのキャリアの形成及びその専門性を高めるための専門教育科目

・学校教育とそれを支える分野の理論と実践に関わる知識と経験を修得する【専門教育科目】

(「教科研究科目」「専攻科目」「教職科目」「教科又は教職に関する科目」「教育学基礎科目」「教育支援科目」等)を設定します。

◎大学での学びと実践を結びつけるための実習科目

・教員養成課程では,身に付けた専門性を試す場,自らを振り返る場として,3・4年次に【主免実習】【隣接校実習】等を設定します。

・教育支援専門職養成課程では,支援の実際を学び,知識と技術を統合する場として【心理臨床・実践領域科目】【社会福祉実習】【学校・自治体インターンシップ】等を設定します。

◎大学での学びの集大成としての卒業研究

・専門分野に関わり,自ら研究テーマを設定し,文献調査,実地調査,質問紙調査,実験,制作などを通して学術的に探究し,まとめ,発表する【卒業研究】を設定します。

(3)大阪教育大学

https://osaka-kyoiku.ac.jp/faculty/kyomu/policy_kyodo.html

大阪教育大学 教育協働学科

教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

豊かな教養と知性とともに,教育的視点から学校・家庭・地域・社会と連携・協働することによって,グローバル時代における多様な課題の解決を図る人材と認められる者として共通に必要とされる資質・能力を育成することを目的として,カリキュラムは以下のとおり編成し,実施するものとします。

(1)豊かな教養と広い視野

教養教育では,人文,社会,自然,芸術,スポーツ等の学術的・実践的な基本知識・理解や,キャリア形成に向けた,ICTスキル,言語運用能力,コミュニケーション力,および論理的・批判的思考力からなる汎用基礎力を育成するとともに,世界の多様性を理解し,異文化・多文化を受容できる寛容な態度を身に付けることを目的として,「基盤教養科目」と「多様性理解科目」から構成する総合科目と7つの領域にわたる分野別科目とともに外国語科目,体育科目,ICT科目を体系的に編成します。

(2)教育理解

社会のグローバル化に対応し,学校や地域等と連携の上,協働して課題解決にあたる教育協働人材としての基礎である教育の理念や教育の歴史及び思想,子どもの発達と心理の理解,教育制度全般や学校の組織と役割の理解などの教育の基礎理論や,学校安全の学修を通して,学校や地域における諸課題に対して教育的視点から解決を図ろうとする意欲や態度を醸成するため,教育基礎科目における「教育基礎セミナー」や「教育総論」,「学校の役割と経営」や「学校安全」などにより体系的に編成します。

(3)協働力

他者と協働して問題を分析のうえ整理し,課題解決に向けてのプランを策定することができる能力や課題解決プランを他者と協働して実行するための実践力を育成するため,専門教育科目に教育協働科目を開設し,「教育協働概論」,「教育協働デザイン演習」などの協働共通科目,各自が所属する専攻に対応する専攻共通科目を体系的に編成します。

(4)専門的知識・技能

所属する専攻・コースの分野に係る専門的知識・技能を備え,専門分野に関する内容やその意義を社会に向けて的確に伝達,表現することができる能力や,主体的に物事を考え,行動することに専門的知識・技能を活用できる能力を育成するため,専門教育科目において各自が所属する専攻に対応する専攻分野科目を体系的に編成します。

(5)教育協働実践力

教育的視点から学校・家庭・地域・社会と連携・協働することで,グローバル時代における多様な課題を解決するために実践的に行動できる能力を育成するため, 専門教育科目における教育協働科目「教育コラボレーション演習」,「外国語実践演習」,課題解決型学習(PBL)科目であるプロジェクト演習科目などにより体系的に編成します。

(6)その他

・各授業は,講義・演習・実験・実習などの方法により展開します。

・成績評価は,プレゼンテーション,レポート,試験など,多様な方法により行うものとするとともに,どのように成績に反映されるか,シラバスに明記するものとします。

・指導技術を向上させるための研修や教員同士での授業参観などを定期的に開催し,授業改善に取り組むものとします。

 愛知教育大学は「教員養成課程,教育支援専門職養成課程」でひとつのカリキュラム・ポリシーを示している。それに対して、東京学芸大学は「教育支援課程」、大阪教育大学は「教育協働学科」で教員養成の課程とは独立したカリキュラム・ポリシーを示している。当然ながら、各大学のカリキュラム・ポリシーには大学の理念や特徴が反映されており、大学によって異なる面も多い。一方で、教育支援人材を育成する課程においては大学を越えて共通している特徴もみられる。

3.教育支援人材を育成する課程におけるカリキュラムの特徴

 教育支援人材を育成する課程のカリキュラムは、ある程度の共通性が見られる。大学によってカリキュラムの構造や科目の名称は多少異なるが、ここでは「一般教養的科目」「教育基礎・教師教養科目」「教育支援・協働基礎科目」「専門科目」「実習・フィールド研究科目」という5つに分けて考えてみたい。各科目の内容については、東京学芸大学、愛知教育大学、大阪教育大学の科目を参考にしてまとめている。

shien_zu01.png
図1 教育支援人材を育成する教育課程のカリキュラム

*下から学問的に積み上げていくイメージで描いているが、専門科目の一部を初年次より行う大学も多いため、必ずしも下から上への学年進行を示しているわけではない。

(1)一般教養的科目

教養科目、初年次教育、語学、体育、情報、キャリア教育などの科目群である。教養科目においては、大学全体のポリシーを反映した特徴のある授業を開設したり、履修の仕方に特徴を出したりしている。新しい時代において、専門性のみならず、豊かな教養を身につけることが求められており、それは教育支援人材においても当てはまる。また、教養科目の履修の際に、教員養成課程の学生と同じ授業を履修することもあり、教育支援職を目指す学生と、教師を目指す学生との交流や関係性の構築も期待される。入学時の興味や強みを伸ばすような学びをしつつ、自らの専門分野とは異なる学びも行うというバランスが重要となる。

(2)教育基礎・教師教養科目

教育の基礎について学ぶ科目である。教育学の基礎に関する科目、発達や学習の心理学に関する科目、さらに特別支援教育、外国人児童生徒への支援、学校経営、危機・安全管理に関する科目などが設置されている。教員養成課程の学生と、教育支援課程の学生の双方が共に履修する科目である。教員養成課程の学生と混合のクラスで学ぶ授業もあれば、教育支援課程の学生向けのクラスが独立して編成されている授業もある。教育支援人材は、多くが教師ではない立場から教育を支援する、あるいは教師と協働する人材である。教員免許を取得しない(あるいは教員免許を取得できない)学生が多くを占める。自らが「教育」支援人材である、教師と協働する人材であるというアイデンティティを形成するためにも重要な科目である。こうした科目の履修が位置づけられていることが、教育支援人材を育成する教育課程の特徴のひとつと言えよう。教員養成の課程と、教育支援人材を育成する課程のカリキュラム構造が異なるため、双方の学生が共に学ぶ科目を時間割りの中に設定することが難しい場合もあり、今後検討していく必要がある課題であろう。

(3)教育支援・協働基礎科目

 教育支援・協働に関する基礎科目・共通科目である。教育支援人材の養成課程は、さらに細かなコースや専攻に分かれているが、コースや専攻に関わらず、教育支援人材として共通して必要なことを学ぶ科目である。教育支援・協働とは何か、どのような分野から構成されているのか、教育支援人材にはどのような分野・職種の人がいるのかなどについて学ぶ科目であり、講義、演習等の形式で行われている。ゲストティーチャーの話を聞いたり、現場での見学実習等も行われたりしている。教育支援人材は、教師と協働する人材であるが、同時に教育支援者同士で協働する,協働できる人材でなければならない。したがって、異なる専攻やコースの学生が同じクラスで授業を受けたり、専攻やコースの混合チームを形成し、グループワークを行ったりする授業も多く見られる。異なる専門性を持った教育支援人材がコラボレートすることにより、革新的で優れた実践や研究が生まれることが期待される。異なる専門性が協働することによって生まれる問題解決、イノベーションを学生時代の模擬的でもよいので経験しておくことが大切であり、そうした活動をコーディネート、ファシリテートする大学教員の力量も求められる。

(4)専門科目

 専攻やコースの専門性を高める科目である。教育支援人材を育成する課程は、心理、福祉、芸術、多文化、多言語、芸術、スポーツ、情報、自然科学、生涯学習、文化財、ガバナンス等を専門としている専攻やコースがある。専門性を高めることが、教育現場から、多職種連携の現場から求められる人材になるために不可欠なことである。協働や連携のためのスキル(チームビルディング等)を学ぶことも大切であるが、期待される専門性に応えられることが協働や連携をするために必要な信頼を生むからである。専門性を高める際にも、支援や協働の対象(相手)を意識することができれば、学生は自らが学びや研究を深めていく意義や社会的役割を感じることができるであろう。

(5)実習・フィールド研究科目

 教育支援や教育協働を学ぶ上で、直接体験による学びは非常に効果的である。教育支援人材を育成する過程では実習やフィールド研究科目を設けている。心理や福祉に関する専攻やコースでは、資格取得のために実習が位置づけられている場合が多い。カリキュラム構造の中では、「専門科目」あるいは、「教育支援・教育協働基礎科目」に含まれていることが多い。専門分野によっては、支援対象者と直接かかわることが難しく、見学実習が中心になる場合もあるが、それでも実際の現場を見学して、職員やスタッフの話を聞くことは極めて重要な学びになる。単発の見学実習、短期集中の実習、週に1度長期間にわたり行う実習等、様々な形態での実習・フィールド研究が考えられる。実習やフィールド研究は、平日の日中に行う必要がある場合が多い。平日の日中は、講義、演習、研究活動を大学内で行わなければならないため、フィールドに出かけていくことが難しいという課題もあり、今後検討が必要となるであろう。

5.「チーム学校」時代の教員養成

(1)教師に求められる力 

教育に関わる多種多様な人材と協働的に教育を進めていくためには、教師にもその資質・能力が求められる。人と関わる力はもちろんのこと、人材を成功裡に活用する力が求められる。令和2年度より順次実施される新学習指導要領では、「カリキュラム・マネジメント」が大きな柱となっている。学習においいても、積極的に外部人材を登用し、教科学習の専門性を深めたり他教科との連携を図ったりする上で、人材活用は重要な視点となる。

教育課程企画特別部会の論点整理(平成27年文部科学省)によると、学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策として、カリキュラム・マネジメントの重要性を上げている。その中では、学校を取り巻く新たな課題に対応していくために、事務体制の強化を図るとともに、教員以外の専門スタッフも参画した「チームとしての学校」の実現を通じて、複雑化・多様化した課題を解決に導いたり、教員が子供と向き合う時間的・精神的な余裕を確保したりしていくことが重要であると記されている。そのために、校長又は園長のリーダーシップのもと、カリキュラム・マネジメントを核に学校の組織運営を改善・強化していくことや、教育課程の実施をはじめとした学校運営を、「コミュニティ・スクール」や様々な地域人材との連携等を通じて地域で支えていくことなどについても、積極的に進めていくことが重要だとされている。管理職だけでなく全ての教員に、地域人材や専門性を有する人材をいかに活用し、いかに協働できるかが問われていると言える。

(2)教育支援人材を活用する力を育む教育課程案

 教員養成系の大学においては、教員免許状取得に向けて教育実習を軸にカリキュラムが組まれている。東京学芸大学を例に挙げると、1年次に教職入門、教育実習関連科目以外の教職科目、専門科目の履修が始まり、2年次に授業観察演習、3年次に事前指導を履修して教育実地研究Ⅰ(基礎実習)に臨むことになる。その後、事後指導を経て4年次に教育実地研究Ⅱ(応用実習)、研究実習に臨み、教職実践演習でまとめを行う。現行では、教育支援人材を活用することを直接ねらう授業が単体で存在しているわけではないが、各授業においてその視点を内容に入れていく必要があり、すでに実施されている。

教員免許状取得までの流れ
図2 教員免許状取得までの流れ
教育実習関連科目
図3 教育実習関連科目

例えば、「教職入門」においては、第9回目の授業において、「学校内外における多様な職種や専門家との連携・協働(チーム学校の課題)」を扱っている。ここでは、現職の教員をゲストティーチャーに迎えて、外部人材との連携事例や成果、課題を話題にしたり、そこで求められる教員の資質について議論したりすることが行われる。また、第14回目の授業では、「小学校の参観 ―校内における組織的対応(チーム学校の実態)」設定し、実際に外部人材と教員とが連携して組織的に課題を解決する現場を参観することで、その実態から省察する内容が仕組まれている。

各教科教育法等の授業においても、それぞれの教科の独自性を鑑みた外部人材活用の事例検討について扱っている。目的、内容、方法、実際に至るまで、具体的に学んでいくことを重視している。「事前指導」や「教職実践演習」においても、「教師に求められる資質・能力」を扱う授業において、その視点を内容に組み込んでいる。その際には、大学教員による講義にとどめず、積極的に学校教育現場の教員や外部指導人材として実践している者をゲストティーチャーに招き、内実について具体的に話題提供してもらったり、ディスカッションの視点を与えてもらったりするような工夫を施している。こうした大学における人材活用の授業もまた、大学教員によるカリキュラム・マネジメントと言えるだろう。外部支援人材活用の実態として捉えて、「メタ学習」として学生に機能することも期待できる。大学教員が授業を行う際に、なぜその人材を活用する選択をしたのか、いかにして計画し、コンタクトを取ったのか、過去のいかなるつながりからその授業が実現したのか、についても話題にしていくことで、学生のイメージ化につながるのではないだろうか。また、大学においては、教育支援系の学生と学校教育系(教員養成系)の学生が、授業レベルで交流し、双方向でかかる課題はじめ、様々な視点で能動的に議論し合うことも必要である。大学においては、柔軟に授業構想をし、実施していくことが求められていると言えよう。

(3)働き方改革との関連

 外部支援人材の活用は、「かえって時間がとられる」という学校現場の声も課題としてあげられる。人材探しや打ち合わせに多大な時間がかかってしまっては、むしろ負担感が増すことにもつながる。昨今、「働き方改革」が求められる中、いかに効率的で実りある活動や学習が実現するかが重要である。人材ネットワークとのつながり方、地域支援コーディネーターとの連携方法等について、工夫したり実践を集めたりしていくことが求められる。

6.おわりに

 教育支援人材を育成する教育課程には、ある程度の共通性が見られる。教員養成課程のカリキュラムを参考にしつつ、異なる専門性が協働し、教育支援を行える人材を育成できるような構造になっていると言えよう。時代の変化や地域性に対応でき、講義や演習で教員養成課程の学生とのコラボレーションを可能にするためには、さらなる工夫が必要と思われる。他大学の教育課程を参考にしつつ、それぞれの大学や地域のニーズに合わせた教育課程を編成できることも重要であろう。また、よりよい人材育成においては、教育支援人材を育成する教育課程の特徴と強みについて、高校生や高等学校の教員が十分理解できる形で情報発信をしていく必要がある。加えて、教師と教育支援人材が連携・協働するためには、教師側の資質・能力も求められる。「チーム学校」時代にあった教員養成カリキュラムの整備もますます求められるであろう。