学長室だより

栗山英樹監督の創基150周年記念事業特別企画、特別講演会開催!

以前の学長室だよりでお知らせしたように、令和5年5月20日(土)、WBC優勝チームである日本代表チームの監督、本学卒業生の栗山英樹氏をお招きして、創基150周年記念特別企画、特別講演会を開催いたしました。

ご講演に先立って、この度創設した東京学芸大学栄誉教授の称号の授与を行いました。これは、栗山監督の今回の快挙を顕彰するために、急遽創設したもので、監督が第1号の授与者となりました。そして、その後「人を育てる力」と題して、ご講演をして頂きました

お話は、WBCでのダルビッシュや大谷などの選手の様子や、選手と監督とのやり取りなどのエピソードが中心でした。栗山監督は、具体的な出来事から核心を抽象化してつかみ取ってくる、あるいは、逆に抽象的な名言などから現実的なエピソードを導いてこられるのがとてもお上手で、登場人物がダルビッシュや大谷というような有名選手だからというだけでなく、グッと引き込まれる内容をもっていました。これこそ、ご著書の『栗山ノート』などからうかがえる読書量に裏打ちされた知力と思います。ご講演の後には、学生からの質問などにもよくお答えいただきました。特にうれしかったのは、学生から栗山監督の中で、学芸大での学びはどう生きているかという問いに対するお答えでした。栗山監督は、学芸大の中では教育ということが繰り返し強調されており、教育というのは人のために何かするという営みなので、これを4年間聞いてきた結果、人のために何かするということが、体の中に入っているように思うとおっしゃっていました。これは、ご講演の中でも言われていていたことでもありましたが、まことにありがたく思いました。また、こうした質問をした学生も立派!、よく考えていると思いました。その他にもいくつか質問が出ていましたが、総じて、立派な質問ばかりで、さすがはうちの学生!とあらためて思いました(自分が若い時とはまったく違います)。

講演が終わると、監督には、講演をオンラインで配信していた教室を回っていただき、ご挨拶いただくとともに、そこでも質問などにお答えいただきました。その後はさらに野球場に行っていただいて、硬式野球部とご歓談いただきました。野球場では、お話の後に、色紙を用意していた野球部員約70名ひとりひとりにサインと写真撮影をしていただき、結局、予定していた時間を、1時間半近く遅れての終了となりました。

以前の学長室だよりに書きましたように、監督は、本学が創基150周年を迎えるということを、意気に感じてくれて、スケジュールを空けてくださったのでした。そして、また、この日も、お疲れもみせず、学内を飛び回って(こちらが連れ回したのですが)学生たちへの対応をしてくださいました。こうしたことを、「神対応」というのでしょう。監督のお人柄がよく感じられるものでした。これも以前に記しましたが、こうしたお人柄であればこそ、WBCにああした有名な大選手たちを集めることができ、また、そうした選手たちが、ついていくのだろうとも思いました。学生だけでなく、われわれ教職員一同にとっても大変に有意義な一日となりました。まことにありがとうございました。

写真は、当日頂いたサインです。学長室に飾ることにしました。

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