学長室だより

本学卒業生の角田夏実さんが世界柔道選手権(48kg級)3連覇!

HPのトップスライダーに掲載されているように、本学出身の柔道家・角田夏実さんが、またまた、世界柔道選手権で優勝しました!これで3連覇、たいへんな快挙です。

しかも今回も、全試合1本勝ちで、実に立派なものです。内容は、今回も寝技が勝負の中心で、さらに、締め、関節、巴投げと、昨年より一層多彩で、確実な技使いで、唸りました。2連覇の時の学長室だよりで書かせてもらいましたが(学長室だより2022年10月21日)、2連覇で満足せず、一層精進に励んだ結果と思います。

栗山WBC監督に続いて、角田さんと、本学卒業生は、スポーツ界でめざましい活躍をしてくれています。彼女もまた本学の誉れです。まことにうれしく、是非とも顕彰したいと思います。

寝技の強い選手に対しては、対戦相手は、寝技に入るまいとしますので、倒れることを恐れて、思い切って立ち技をかけられなくなります。角田さんの相手もそうだったと思います。ですので、寝技が強いというのは、ただそれだけでない強さを柔道にもたらし、勝負は一層有利になります。となれば、みな寝技が強くなればいいのですが、それには、先の学長室だよりに書いたように、地を這うような地道な練習が必要で、これを、立ち技がキレる選手ほど、嫌う傾向があります(立ち技で華麗に簡単に勝てるのですから、そんな練習をする必要がないのです)。また、一流選手は寝技とて、一定水準以上には達していますので、そのレベルを突破するのは容易ではありません。が、ここを突破すると、つまり、一流選手の中でも寝技も強いとなると、もはや向かうところ敵はいないという、猛烈に強い選手になります。

われわれの世代では、山下泰裕さんがそうでした。彼は、私などがどうこう言うのもおこがましい大選手ですが、そして、立ち技も超一流なのですが、その強さの陰(?)には、もう一つの強さ、すなわち、寝技の強さがあると言われていました。そして、それは、東海大での指導者が、佐藤宣践さんだからとも言われていました。佐藤さんは、寝技で全日本選手権をとった方で(立ち技ももちろん一流でしたが)、東海大の教員、柔道部の監督・部長として、東海大柔道の礎を築いた方と言っていいのではないかと思います。おふたりは、日本ハム(だったと思います)のCMに、そろって出演されていました。お歳暮で、山下さんが、先生の佐藤さんにハムを送るという設定でした。

角田さんは、来年開催のパリ・オリンピックの日本代表選手としての出場が大いに有望視されています。当然と思います。巡り合わせで、先の東京オリンピックには出場できませんでしたが、寝技にますます磨きをかけ、パリ・オリンピックでは、メイン・ポールに日の丸を上げてほしいと思います。大学も応援したいと思います。