学長室だより

角田夏実さんのパリ・オリンピック柔道出場壮行会(4月13日)

もう1カ月前のことになってしまいましたが、4月13日、本学柔道部OBOGを中心メンバーとして、角田夏実さんのパリ・オリンピックの出場の壮行会が、立川のホテルを会場にして開催されました。ご本人ももちろん出席され、スポーツ紙などにも報道されました(【柔道】角田夏実「結果で恩返ししたい」母校・東京学芸大柔道部主催の壮行会で金メダル宣言― スポニチ Sponichi Annex スポーツ)。私は、残念ながら所用のために出席できませんでしたので、メッセージを、OBの方に代読してもらいました。その原稿を、以下に貼り付けます。

オリンピックまで、あと3か月を切りました。角田さんは、調整のために本学で練習することになっていて、私も道場に出向いて、激励したいと思っています。プレッシャーとはなりたくないのですが、しかし、パリ・オリンピックが大いに楽しみです。

―――――――――――――ここから―――――――――――――

角田さん、あなたの素敵な笑顔が、また、本学のホームページを飾っていますよ。アンタルヤのグランドスラムで優勝したのですね。世界選手権で3連覇を成し遂げ、パリ・オリンピックの出場権を獲得した上で、さらに、ダメ押しのグランドスラム優勝!内容は、と見れば、今回もまた、すべて一本勝ち。破竹の勢いとはこういうことを言うのでしょうね。なんとも立派です。あなたに、栗山英樹WBC監督に次ぐ2人目の本学栄誉賞を授与したのは、昨年の10月でしたが、さすがは、本学の栄誉賞の受賞者と、その活躍ぶりは、なんとも誇らしい限りです。

「練習量がすべてを決める」柔道。これは、作家の井上靖さんが、自らの青春記と言ってよい小説「北の海」の中で、寝技のことを言っている言葉です。あなたの強さの中には、言うまでもないことですが、抜群の寝技の強さがあります。「練習量がすべてを決める」寝技に、あなたのような立ち技でも超一流の選手が取り組んでいくのは、容易なことではないと思います。だって、立ち技でも十分に勝機があるのですから。しかし、逆に、あなたのようなセンスのよい選手が、寝技にじっくり取り組んだら、向かうところ敵なしになるというのは、当たり前のことと思います。根気を要する寝技の練習の中では、つらい時もあったのではないかと思いますが、そうした中で、あなたは、何かをつかんだのですね。というより、何かが降りてきたかもしれませんね。

角田さんが3年生の2013年、全日本学生柔道優勝大会の女子3人制で、本学は、射手矢先生の指導の下、あなたを有力メンバーとして、全国優勝しましたね。おかげで私は、生まれて初めて、日本一のチームの関係者の一人となることができました。これは、私などの柔道歴では到底望めなかったことで、私は、あなた方と、射手矢先生とに、そうしたところまで連れていってもらったと感謝しています。パリ・オリンピックまで4カ月を切りました。パリ・オリンピックでは、メイン・ポールに日の丸を上げて、いっそう素敵な笑顔で本学HPを飾ってほしいと思います。大いに期待しています。

東京学芸大学長 國分 充