書籍

教員の書籍・教材

東京学芸大学ではいろいろな機関と連携して、さまざまな研究を行ってます。また東京学芸大学の各教員の研究も膨大な数になります。ここではそれらの中から、新しい研究、先進的な研究を紹介します。 現在は東京学芸大学の教員の書籍のみ紹介しています。


『新編 学校の危機管理読本』 

タイトル

『新編 学校の危機管理読本』 

著者

養護教育講座 渡邉正樹(編著)
竹鼻ゆかり,鈴木琴子他(著)

出版社

教育開発研究所

ISBN

978-4-87380-975-5

発行日

2008年1月 1日

定価(税込)

2310円

内容

本書は,教職員が現在かかえている,あるいは今後出あう可能性がある様々な危機管理の課題も取り上げ,それらへの具体的な対策を提案する。

<第1章>「子どもと学校の危機,その現状と課題」では,子どもたちや学校を巻き込む事件・事故の実態とその原因を明らかにする。犯罪被害はもちろん,学校の管理下の災害,交通事故,自然災害,性行動など様々な問題を取り上げている。

<第2章>「危険回避と危機への備え」では,危機管理の最初の段階として,危険を早期に発見すること,危険をいち早く取り除くこと,そして危機発生を未然に防ぐという視点から,教職員らが身につけるべき危機管理の内容を示す。ここでは情報モラル教育,性教育,自殺防止などについても取り上げている。

<第3章>「危機発生時および事後対応」では,実際に危機発生時および危機発生後を想定して,教職員,保護者・地域住民,関係諸機関が取るべき対応を示す。事後の対応として重要な心のケアやマスコミへの対応についても取り上げている。

<第4章>「学校における危機管理の実際」では,学校に必要とされる危機管理体制や教職員が身につけるべき能力に焦点を当て,推進すべき危機管理の実際について紹介している。教職員への危機管理研修の内容・方法についても取り上げている。

<第5章>「教育委員会や関係機関・団体との連携」では,学校・教職員を支援する教育委員会や学外の関係機関の役割について紹介している。ここではICTの応用など危機管理に関わる最新の動向も取り上げている。


『源氏物語と東アジア世界』

タイトル

『源氏物語と東アジア世界』

著者

東京学芸大学教授 河添 房江(著)

出版社

日本放送出版協会

ISBN

9784140910986

発行日

2007年11月29日

定価(税込)

1218円

内容

 『源氏物語』を現在に拓く新たな<読み>の可能性。 国風文化という枠組みを取り外し、東アジア交易圏との関わりから読み解く。 光源氏は、なぜ「光る君」なのか? 「あなかしこ、このわたりに若紫やさぶらふ」と『紫式部日記』に記されて千年。 以来、日本固有の美意識の源流として称揚されてきた『源氏物語』だが、果たして、本 当に和の文学の極地と言えるのか。 七歳で異国人である高麗人と出会い、その予言を起点に権力への道を歩みはじめた光源 氏の物語を、東アジア世界からの<モノ・ヒト・情報>を手がかりに捉え直す。 『源氏物語』の古代東アジア世界に屹立するヒーローの物語として読み直す、野心的試 みの書である。


地理学基礎シリーズ

タイトル

地理学基礎シリーズ

著者

地理学基礎シリーズ1『地理学概論』:上野和彦・椿真智子・中村康子(編著)
地理学基礎シリーズ2『自然地理学概論:高橋日出男・小泉武栄(編著)
地理学基礎シリーズ3『地誌学概論』:矢ヶ崎典隆・加賀美雅弘・古田悦造(編著)

出版社

朝倉書店

ISBN

地理学基礎シリーズ1『地理学概論』:978-4-254-16816-7
地理学基礎シリーズ2『自然地理学概論』:978-4-254-16817-4
地理学基礎シリーズ3『地誌学概論』:978-4-254-16818-1

発行日

2007年4月25日

定価(税込)

3465円

内容

 本シリーズ、『地理学概論』『自然地理学概論』『地誌学概論』は、地理学の全体像を具体的にわかりやすく解説することを目的とした教科書であり、大学における地理教育を体系的かつ効果的に実施するために編集されている。とくにこれから教員免許状を取得し、中学校・高等学校などで地理を教えようという人びとに向け、地理学の視点、概念、方法を平易に解説し、基礎的な学習ができるように工夫した。


『魚のウロコのはなし』

タイトル

『魚のウロコのはなし』

著者

東京学芸大学准教授 吉冨友恭(著)

出版社

成山堂書店

ISBN

978-4-425-85261-1

発行日

2007年4月 8日

定価(税込)

1680 円

内容

【著者のことば】

(東京学芸大学 環境教育実践施設 准教授 吉冨友恭)

 鱗(ウロコ)を知らない人はいないだろう。鱗は難しい最先端の科学用語と違って、老若男女おそらく世界中のみんながその存在を知っている。それにもかかわらず、本を検索しても「目から鱗の・・・」とタイトルの飾りに使われているものばかり。魚類学の専門書でもほんの数ページがあてられているにすぎない。

 本書はこれまでにありそうでなかった鱗の専門書。魚類の歴史が私たち人類に比べてはるかに長いのと同様、鱗の歴史も長く、鱗一つをとりあげるだけでも様々なエピソードがある。本書では鱗を科学的な側面からだけでなく、歴史や文化、デザイン、料理、水族館の展示など、様々な側面から見ていきながら、鱗が私たちに語りかけてくるメッセージを体系立てて聞いていくことにしたい。

 ふだんは注目されない薄っぺらい一枚の鱗に、実に多くの物語が隠されている。鱗は私たちが気づかない魚の様々な情報を提供してくれる上、私たちの日常生活の思わぬところで役立っていたりもする。まさに目から鱗だ。そんな話題を楽しみながら、みなさんにも鱗の面白さを再発見して頂ければ幸いである。


『自然を読み解く山歩き』

タイトル

『自然を読み解く山歩き』

著者

東京学芸大学教授 小泉武栄 地理学分野(著)

出版社

JTBパブリッシング

ISBN

78-4-533-06649-8

発行日

2007年4月 1日

定価(税込)

1575円

内容

 近年、エコツアーが盛んになり、たくさんの人が野外にでるようになってきた。しかしそのレベルは決して高くはなく、植物や昆虫の名前を教えてもらうことで、満足している人がほとんどなようである。

 私が案内するエコツアーでは、野外でさまざまの不思議を発見し、それがなぜ生じたのかを、頭を使って次々に解きながら歩く。たとえば東京にカタクリが生育しているが、カタクリは実は日本海側の多雪山地を本拠地とする植物で、東京のカタクリは氷河時代に南下してきたものの生き残りである。したがってその分布は、特別涼しい場所に限られている。野外ではそこがどんな場所でなぜ涼しいのかを考える。

 このように、私のエコツアーでは観察の対象は植物に限られず、地形・地質や自然の歴史にまで広がる。慣れていない人は最初とまどうが、最後には自然の全体像を把握することができるようになるため、満足度が高い。

 この本は筆者が実施してきたエコツアーを本にしたもので、いわば山や野の自然を3倍楽しむためのガイドブックである。地図がついているので、ぜひ本を片手に野外を歩いていただきたい。