学長室だより

2026年の年頭にあたって

みなさま方、明けましておめでとうございます。いつも本学を気にかけていただき、まことにありがとうございます。2026年の年頭に際しましてごあいさつ申し上げます。

この学長室だよりでも何度か触れてきましたように、このところ国立大学は重大な財政危機状態にあります。特に、本学のような教員養成系大学では支出に占める人件費比率が高く、本学では運営費交付金をすべてつぎ込んでもまだ足りず、授業料などの学生納付金の半分近くを積み増して賄ってきたところでしたので、状況は一層深刻でした。こうした国立大学の窮乏は、文部科学省にも伝わり、文部科学省の関係者の昨年からの予算獲得への意気込みには、並々ならぬものが感じられていたところでした。また、国立大学協会からは、地元選出の議員をまわって、予算獲得にご支援・ご助力いただくようにとの強い要請がきておりまして、私も昨年から3名ほどの方々にうかがってお願いをしてきたところでした。そうしたことが功を奏したのか、本年度の補正予算の本学への配分は、昨年度の倍近くとなりました。また、年末に閣議決定された令和8年度当初予算でも、9年ぶりに運営費交付金の増が含まれることになりました。これで、すこし息がつける状態となりました。こうした状態が長く続くように、引き続き力を尽くしていくことが重要と思っています。本学は、教員・教育支援者という教育者の養成、それも"有為の教育者の養成"を使命として掲げています。こうした使命のある本学が、財政的な危機に瀕しているという状況は何とも残念です。

そもそも大学というところは、本来次の社会を担っていく若い人たちが集い、育つところです。そうした若い人たちと接するということは、楽しいことで、かかわる人間にエネルギーを補給してくれます。さらに、本学は、繰り返しますが、"有為の教育者の養成"が使命です。これは、社会の土台作りをしっかり担う人間を育成していくということを世に明らかにしているということで、大いに有用で、やりがいのある仕事です。われわれ教職員は、そうした仕事に従事しているという誇りをもって、2026年も日々勤めていきたいと思います。

なお、当方はこの3月までの任期となっております。思い起こしてみますと、コロナ禍とともに学長に就任しまして、大学には学生がいないというところが始まりでした。そうしたコロナ禍も、学外の方々のご支援・ご協力を数々頂きながら、教職員と力を合わせて乗り越えることができました。4月からは、新しい体制となります。ひきつづき本学にご注目いただき、ご支援・ご協力いただきますようお願い申し上げます。あと3カ月のお付き合い、よろしくお願いいたします。

2025年末にあたって。

教員養成をめぐる話題として、今年は、「教員不足」が一層深刻になったということがあります。文科省の需給予測では令和4年頃をピークに収まるはずでしたが、いまだその気配はありません。私は、そうした予測に基づいて応急的な処置でしのぐべきだと思っていましたが、こう「教員不足」が続くとなると、腰を据えて対応を考える必要があると思うようになりました。

このあたりのことは、7月に日本経済新聞に書きましたが(※)、教員免許を取るのに必要な単位数を圧縮して、多くの学生に免許を取ってもらうというのは、方策のひとつだと思います。中教審の教員養成部会でそうした意見を申し上げましたが、単位数を圧縮するのであれば、一方では大学で開設している教職課程の質の保証(学生のではなく、大学の)が必須だと思います。教職員免許法の見直しの議論が中教審で進んでいますが、この点については、もっと議論があってよいと思っています。学生の質保証ばかり言うのは片手落ちです。
https://www.u-gakugei.ac.jp/pickup-news/2025/08/content-13.html

教育職員免許法の見直しがなされるとすると、私の専門である特別支援学校の教員免許の内容・単位数なども当然見直されることになります。実際、そのための作業部会が設けられ、私もその委員のひとりとなりました。当方の任期は来年の3月までですが、取得しやすく、しかし、今学校現場で必要とされる基本はちゃんと含まれている、新時代にふさわしい特別支援学校の教員免許が実現するよう、議論に参加していきたいと思います。

世界に目を転ずると、残念ながら、今年も、ウクライナ、ガザでの戦争は終結しませんでした。特に、ガザで、イスラエルが物資の搬入を阻止し続けたことには怒りを禁じ得ませんでした。ガザの人々の飢餓や病気、さまざまな欠乏に最終的な終止符が打たれ、紛争地の人々が平和のうちに暮らすことができる日が一刻も早くおとずれることを切に願います。本年中はお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。